アメリカでは経口中絶薬が薬局でも入手可能に

GIZMODO

アメリカは妊娠中絶薬が薬局でも購入できるように。でも日本は?

アメリカでは、薬での中絶が認められており、中絶の約半数は薬によるものです。そしてアメリカ食品医薬品局(FDA)は公式に、経口中絶薬「ミフェプリストン」の規制を公式に撤廃しました。

これまで経口中絶薬は、医師による直接の処方が必要でしたが、これにより、遠隔診療で薬を処方したり、オンラインや薬局で購入できるようになりました。

ミフェプリストンとは?

ミフェプリストンは、欧米で人工中絶によく使われる薬のひとつで、妊娠維持に必要なホルモン「プロゲステロン」の働きをブロックする薬です。さらにミソプロストールという子宮収縮をおこす薬と併用することで、妊娠初期の中絶が可能になります。FDAはこの薬を、2011年から「リスク評価・緩和戦略(REMS)」というプログラムで規制してきました。

妊娠中絶薬はREMSに指定されていたことについては、アメリカで賛否両論あり、中絶の権利擁護団体等から異議が唱えられていました。

FDAは、これまでミフェプリストンを「特定の医療環境、主に診療所、医院、病院」で、直接対面によって処方可能としていましたが、新型コロナウイルスの影響で、バイデン政権はこの直接処方の規制を一時的に停止させ、郵送による処方も可能にしていました。中絶の処置はすぐに必要なのに、病院は閉鎖されてしまっていたからです。

そして2021年12月、対面での直接処方の規制を撤廃し薬局にも拡大する意向を発表、そこから約1年経ってようやく承認されました。これまでは一時的な規制撤廃でしたが、FDAのポリシーにも明記されたことより恒久的なものとなりました。

一方日本では

日本では、安全上の理由から薬による中絶は医療機関においても認められていません。ときに手術が必要となる出血を起こすことが知られており、安易に個人輸入され、使用されることによる健康被害が懸念されています。2021年12月にイギリスの製薬会社ラインファーマがミフェプリストンの日本で承認申請をしたと発表しています。

日本では中絶する場合、医療機関での搔爬(そうは)法等による人工妊娠中絶手術が主流で、薬による中絶は認められていません。かつ、母体保護法で「原則として配偶者の同意 を得ることが要件」であり、海外に比べて日本は時代遅れであると言われる所以です。

アメリカでは中絶の約半数は薬によるもの

全ての中絶が薬で行なえるものではなく、妊娠初期(約10週間)のみ有効で、それ以降は安全性の懸念があります。ガットマザー研究所によると、アメリカでは中絶の半分以上が診察室での手術ではなく、薬で行なわれていて、直接対面による処方箋を不要とすることで、より多くのアメリカ人が中絶しやすくなります。

しかしながらアメリカでは南部の州を中心に、中絶の権利を厳しく規制する法律が制定されているため、全てのアメリカ人が気軽に中絶薬を買えるというわけではありません。今のところ、全米の大手薬局チェーンがどのように対応するかは不明です。

このFDAの決定によって、日本でも個人輸入のハードルが下がる懸念がありますが、この薬は体に負担が大きくほとんどのケースで激しい腹痛と2週間近い出血があり、大量出血により救急搬送、死亡に至ったケースもあるとのことです。

Source:厚生労働省

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