例えば外国からお客さんが来て「これぞ日本という場所に行きたいです」と言われたら、どこに連れて行ったらいいだろう。エリアを東京に限定しても選択肢の幅は広く、一カ所に決めるのは難しい。東京タワー、浅草、新宿、お台場……、どこも捨て難い。色々あって日本なのだ。全ての場所の要素をちょっとずつ集めたような場所があればいいのに。
じゃあ、「これぞ日本っていうビールが飲みたいです」と言われたらどうしよう? 何かとわがままな客人であるが、せっかく日本に来てくれたのである。なるべく要望に応えたい。国内シェアが一番高いアサヒビール(07年7月11日現在)が適当だろうか? でも、日本には他にもビール会社があって、それぞれおいしいじゃないか。是非、それぞれの味を楽しんでもらいたい。
だったら全部を混ぜちゃえばいい。国内出荷量シェアの比率で。
※2007年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
国内シェアの割合で混合する
ちょうど昨日、日本のビール系飲料の国内出荷量シェアが発表になっている。(参照記事「1─6月ビール系飲料シェア、アサヒが僅差で首位」本記事は2007年初出で、参考資料も当時のものです)
その記事によるとアサヒビールが上半期としては2年ぶりに首位に返り咲いて、シェアは37.4%。2位のキリンビールが37.3%で、サッポロビール13.2%、サントリー11.2%、オリオンビール0.8%と続いている。このシェア率通りに、各社の代表ブランドを混合していき日本の平均ビールを作る。
大瓶633mlをシェア率で割り、各社の分量を割り出した。
※小数点以下は四捨五入。
この企画をウェブマスターの林さんに相談したら、「合い挽き肉みたいに意外とうまいかもしれませんね」と言ってくれた。平均ビールへの期待は高まる。
早速、各社のビールを混合していこう。
一番量の多いアサヒスーパードライから、計量カップで取り分けていく。空き瓶を用意しないといけないので、残りの400mlを気が抜けないうちに飲み干した。
取り分けた237mlを空き瓶に移し、他のブランドも同じように必要量を取り分け、残りを飲み干していく。
後半は泡が溢れて来るので、ゆっくりと時間を置きながら注がないといけない。
ラベルを作る
これで調合が終わった訳であるが、ラベルがスーパードライのままだと中味もスーパードライだと思われてしまう。
平均ビールらしく、ラベルもシェア率で分割していこう。まずはワインラベル収集用のシートを使って各ブランドのラベルを剥がしていく。
ラベルの高さを各社の出荷量シェア率で分配していく。各社の高さは、アサヒが40mmでキリンは39mm、サッポロ14mmにサントリーが12mmである。
作ったラベルを空き瓶に貼り直し、ようやく日本の平均ビールの完成である。
ラベル作成の際、オリオンビールに許された高さが1mmしかなく、それだとほとんど目立たないので、瓶のフタをオリオンビールのものにした。
そして肝心のお味の方であるが、調合が終わるまでに色々なビールを飲み過ぎたせいで、正直、平均ビールの味が分からなかったのだ。正直。
でも、どのビールもおいしかったので、きっと平均ビールだっておいしいに決まっている。日本のビールは本当にうまい。