北海道にYouTubeの取材に行ってきて驚いた。

アゴラ 言論プラットフォーム

maccj/iStock

インバウンドは復活しているのか

結論でいうとまだ復活してません。中国の一般大衆はまだビザが下りずに海外にはいけず、日本に来ているのも年収1000万以上の富裕層のみということです。したがってコロナ禍前の中国人を満載した観光バスは走っていません。

そんな中、日本を代表するインバウンドの聖地。北海道をYouTubeにかこつけて取材に行ってきました。仕事があるので突貫です。詳しくはYouTubeで2回に分けて公開する予定です。

スキーとかスノーボードしない人は分からないと思いますが、今回いったのはキロロリゾートとニセコです。キロロは新千歳から車で2時間。ニセコは3時間くらいかなあ。もちろん夏は早くて降雪時は時間がかかります。

キロロは何回かの売却を経てタイの会社でしたけど昨年に香港系のファンドが買収。最終的にはクラブメッドが取得しています。

北海道 キロロに日本で3つ目のマウンテンリゾート 12歳以上に利用を限定した大人のリゾート クラブメッド・北海道 キロロが遂にオープン!

北海道 キロロに日本で3つ目のマウンテンリゾート 12歳以上に利用を限定した大人のリゾート クラブメッド・北海道 キロロが遂にオープン!
株式会社クラブメッドのプレスリリース(2022年12月19日 11時30分)北海道 キロロに日本で3つ目のマウンテンリゾート 12歳以上に利用を限定した大人のリゾート クラブメッド・北海道 キロロが遂にオープン!

12歳以上に限定!!!

12歳以上に限定は宿の話でスキー場は別にかまわないし、リフト券も子供用を売っています。キロロがニセコと根本的に違うのは、ニセコは4つのスキー場(ユナイテッド)+ニセコモイワリゾートなどの複合体+スノー文化の街(スイスのツェルマット的な)なのにたいし、キロロは独立したリゾートで飲食店もホテルとスキー場以外にはない点です。日本人の多くはたぶん日帰りで、欧米人は大人2名1室利用で1名1泊42000円からのオールインクルーシブ料金で長期滞在している模様です。

これにたいしてニセコは高い宿から安い宿まで揃うが、スキー場から徒歩圏内の安いのはシーズン前にほぼ売り切れになります。両方共に日本人比率は非常に低く、平日ですとざっくり数えて

欧米人 90%
アジア系 5%
日本人 5%

ってとこでしょうか。土日は札幌や週末旅行に東京から来たりで日本人率は上がります。

北海道はインバウンドの聖地をデータから

日本のインバウンドはコロナ禍で激減したので2019年のデータで解説します。

まず日本全体のインバウンドはコロナ禍まではぐんぐん増えて年間3000万人を軽く突破。東京オリンピックで弾みを付けて5000万人、6000万人といくはずが、「このまま五輪やったら日本は修羅の国になる」とか無責任に脅かす専門家のおかげで無観客になって無理上がらず、大損害になったわけです。お前ら、煽るだけ煽ってロックダウンしないと収束しないとか言って五輪の途中で勝手にピークアウトした責任はどう取るんだ。

で、2019年のデータですが

訪問率だけで見ると北海道は6位です。大阪、東京の都市圏が多いわけですが、宿泊数にするとがらりと変わります。

北海道は一気に3位に上がります。これは「北海道は長期滞在が多い」ということです。

理由は簡単でして・・・全体の中で最も比率が高い中国人と、比率的にはマイノリティのオーストラリア人を見ますと

↓こちらが中国

↓こちらがオーストラリア人

で、同じアジアからの観光客ですが、オーストラリアのほうが圧倒的に長期滞在していることが分かりますよね。オーストラリア人はどこに来ているのかというと12〜1月の冬にたくさん来日しています。

基本的にはヨーロッパのスノーボーダー、スキーヤーは長野の野沢、オーストラリア人はニセコと人気が割れるとは以前にバートンジャパンの人から聞きましたが今回、ニセコとキロロに行ったらヨーロッパの人もたくさんいました。オーストラリア人はスノーボード、ヨーロッパの人たちはスキーが多いようでした。

まあ、典型的な中国人の方達は団体でやってきて買い物しまくって短期間で帰るという印象(日本人の海外旅行と同じで、バブル期は農協ツアーさんたちが海外で悪名を轟かせました)でしたが、欧米観光客はニセコなどの高級リゾートに長期滞在してお金を使う。

買い物なのか滞在費なのか使うお金は異なりますが、中国人のみなさんの多くは中国系のホテルに泊まって中国系の家電量販店で買い物をし、デパートでブランド品を買う。つまり地方経済にはあまり貢献しないわけです。長期滞在のほうが地産地消で労働力も必要になるから貢献度は高いでしょう。

実際に現地はどうなってんの

これテキストのブログではなかなか説明しづらいのでYouTubeでの動画を楽しみにしていてください。

一例ですが、ニセコの焼肉屋さんのチラシです。

食べ放題、飲み放題で8800円。

これに120gの和牛とタラバとウニいくら丼が加わると32000円になります。

日本人だと「うえっ!!」となりそうな価格ですが、欧米の人たちは「うえっ!!何コレ安い!!」になる模様です。なんせニセコのリッツカールトンは1泊22万円ですから・・・。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2023年1月24日の記事より転載させていただきました。

タイトルとURLをコピーしました