悩み始めると身動きがとれなくなります 一ヶ月耐久大喜利サイドストーリー

デイリーポータルZ

実は真剣勝負でした。

11月、はげます会限定コンテンツとして、ライター江ノ島さんが「大喜利」を担当してくれました。

今回は出題されたお題と、寄せられた回答をふりかえりながら、大喜利のおもしろさについて大喜利ファンの江ノ島さんと月餅さんに話を聞きました。

好評だった大喜利を振り返ります

安藤:よろしくお願いします。今日は11月にはげます会でやった大喜利について振り返りたいと思ってお二人に来てもらいました。大喜利が好きなライター江ノ島くんと月餅さんです。よろしくお願いします。

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月餅:よろしくお願いします!

安藤:この企画は江ノ島くんが出したお題に自らが答えるという一人大喜利企画だったんですが、やっていくうちにライターやはげます会のみなさんも投稿してくれて、結局みんなで盛り上がっていましたね。

江ノ島:はじめは一人で出題して一人で答えるつもりだったので、正直こんなに回答が集まるとは思わなかったです(総回答数418!)。振り返りということで、これからいきましょうか。100年後のデイリーポータルZはこんな風になってる。

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安藤:お題はぜんぶで16問あったんですが、ぜんぶ振り返るのは大変なので江ノ島くんがおもしろいなと思ったものをピックアップしていきましょう。

江ノ島:これよくないですか。100年後のデイリーポータルZはこんな風になっている、への回答で、「コンビニのおにぎり食べ比べ」。

月餅:変わってない!100年で何周かしたあとに同じ地点に戻ってきたんだ。

安藤:いいですね、これ誰の答え?

江ノ島:ぼくです。今回はライターからも、トルーさん、爲房さんなんかもたくさん回答してくれました。

安藤:井上さん、伊藤さんも相変わらずおもしろかったですね。「AIライター vs 人間ライターの対決企画がちょくちょく行われる」これ井上さんだ。

月餅:みんな普通にめっちゃおもしろいなー。

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安藤:月餅さんは大喜利を見るのが好きって言ってたけど、参加はしないんですか?

月餅:見るのは好きなんだけど参加したことはないですね。参加するの怖いじゃないですか!

安藤:わかります。言い訳できないですからね。

江ノ島:「トルーVSメタルトルー」これもぼくです。VS(バーサス)ってよくないですか。

安藤:いいけどさ、今のデイリーでもバーサスなんて記事ないじゃないですか。江ノ島vsトルーとか。だったら100年経ってもないでしょうよ。

江ノ島:そうか。

安藤:でもメタルトルーはちょっと見てみたい。

写真でひとこと

江ノ島:大喜利の基本ですが、「写真でひとこと」もいくつか出題しました。

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安藤:これは写真自体がいいからコメント付けるの逆に難しかったですね。

江ノ島:「違った世界線の西川貴教のMV」これどうですか。

月餅:やばい、いい。これも江ノ島さんの回答ですね。

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安藤:写真で一言、は大喜利でよくあるんだけど、キャプションひとつでまったく違う意味に見えるのがいいなと思うんです。「もう食べられないのにわんこそばの終わらせ方を知らない。」これぼくなんですが、橋田さんがもう食べたくないのに江ノ島くんがわんこそば持って立ってるイメージですね。

月餅:いいなー。

安藤:「ダチョウ倶楽部をやりたいけど全部間違えてる人たち」これも好きでした。

江ノ島:トルーさんの回答ですね。確かにひとつも合ってない。

安藤:この写真、そもそもいつのだっけ?

江ノ島:この記事のときですね。

安藤:こんな写真載ってる記事あったかな、という振り返りにもなります。このお題にもいい投稿集まっていました。

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月餅:これも写真からしていい。

江ノ島:安藤さんの「AIが描いた新弟子検査」っていうのが、ちょうど今っぽくてうまいなと思いました。

安藤:AIが描く、言いたいことはわかるんだけどなんかちょっと違う、って感じが江ノ島くんからにじみ出てる気がして。

江ノ島:ちょっと違うんですかね僕は。

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江ノ島:これもよかったですよ。はげます会の石川さんからの回答で「転生したのに……?」。

安藤:僕なら「転生したらスライムだった件」とか書いてしまいそうですが、このくらい短くてキレのいいのが大喜利では美しいなと思いました。

月餅:確かに。大喜利ってへたに説明がいらない短くて強いのがいいですね。

王道の大喜利は難しい

安藤:次のお題ですが、この担当編集って僕ですか。

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江ノ島:いや、一般論です。安藤さんに対する個人攻撃ではなく。

安藤:よかった。回答ではどれがよかったですか。僕はこの北向ハナウタさんの投稿してくれた「あとはこっちで仕上げますんで」が胸に刺さりました。

月餅:それめちゃめちゃくる。

江ノ島:トルーさんの投稿してくれた「怒ってるわけじゃないんですけど」からはじまる、っていうのもリアルでたまんないですね。

安藤:確実に怒ってるよね。

江ノ島:この回も安藤さん投稿してくれてましたね。

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安藤:いちおう毎回考えてはいたんですよ。でも自意識が邪魔をして、すべったら嫌だなと思って全部は投稿できなかったんです。江ノ島くんの担当編集ってこともあって、おもしろいことやってって言っておきながらお前がつまらんのかって思われるのが嫌で。

江ノ島:大喜利って悩み始めると身動きが取れなくなるところありますね。

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江ノ島:たまにデイリー関係ないお題も出してみようと思いまして。

安藤:これ難しかったです。ライター井上さんの「たまにサボろう」、ライターいまいずみさんの「老いにKanebo」あたりは音で似せてきました。

江ノ島:ライター伊藤さんの「セガールに沈黙」なんか伊藤さんっぽくてさすがうまいなーと。ただ、これは!みたいなのが出なかった気がするんですよね。大喜利の王道みたいな出題だったので逆に難しかったのかもしれないですね。

安藤:「中とろ丼にウニがのったやつ。おいしい」これ江ノ島くんの回答だけど、ものすごい江ノ島文体だなと思いました。

月餅:ほんとだ、記事で見たことある気がする。

江ノ島:こうやって改めて見られると恥ずかしいものですね。次もデイリー関係ないけど大喜利っぽいやつです。

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安藤:これは回答がどれも秀逸でした。爲房さんの「朝からTボーンステーキ」とか。どうですか、月餅さん今ぱっとなにかありますか?

月餅:え!全然出てこない!

安藤:大喜利っていつも使わない頭を使うからか、考え出すと脳の一部が熱くなる感じがするんです。あ行で始まればなんでもいいんですよ。「牛の肉が好き」とか。

江ノ島:「アントニオが立ちふさがる」。

月餅:アントニオってアメリカですか?

安藤:「お菓子が派手」。

江ノ島:それ僕も似たのを投稿しましたよ。「甘すぎる見たことのない色のお菓子」ほら。

安藤:ほんとだ。大喜利の回答でかぶるとちょっと恥ずかしいな。

よかれと思って叱られる

安藤:江ノ島くん、途中ではげます会担当の橋田さんに叱られてたでしょう。

江ノ島:はい。うんこって書くなって叱られました。

月餅:うんこって書いて叱られてる大人を久しぶりに見ました。

安藤:橋田さん、休みの日に「安藤さん、江ノ島くんがうんこって書いてて嫌なんだけど叱っていいかな」って連絡くれたんです。申し訳ない気持ちになりながら、おおそれは叱ってください、と言いました。

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橋田さんの役割つらい…

江ノ島:大人になっても叱られるんだなと思いましたね。ぐるぐる考えていたら頭の中が単純化してしまって、出てきた結果なんだと思います。

安藤:記事みたいに文脈がないから、ぼかしたり表現丸めたりできないんですよね。大喜利の怖さです。

大喜利はスポーツだ

安藤:大喜利、どうでしたか。見てる僕らは楽しかったけど、やっぱり大変でしたか。

江ノ島:いやあ、大変というか、単純にプレッシャーでしたね。好きってだけで、僕は大喜利プレイヤーではないので。

安藤:前はよく仲間内で大喜利やっていたって聞きましたよ。

江ノ島:たしかに前はよくみんなでお題を持ち寄って5~8人くらいで大喜利大会をやっていましたね。順番にお題を出してホワイトボードで答えるんです。

月餅:そんなストレスフルな集まりを!

安藤:それはライバル的な関係になるんですか?ちゃんとみんな笑ってくれるの?

江ノ島:うまいこと言うと笑ってもらえますが、基本バトルなんで、みんなライバルでしたね。僕はもともとラジオに投稿するのが好きで、そこから大喜利が好きになったので、言ってしまえば趣味の延長なんです。おもしろいのを思いついた時の気持ちよさを求めているんでしょうね。

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安藤:でも大喜利って「いいの思いついた!」って手ごたえがあってもそれほどウケなかったりとか、そういうことないですか。

江ノ島:あります。それは大喜利に限らず記事でもありますよね。ぼく、この前書いた爲房さんのサイドストーリーが、ここ半年くらいで一番の出来だったなと思っていたんです。

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バリウム検査の台の動きを人力で再現しました~検査台が語るサイドストーリー

安藤:あの記事よかったですよ。

江ノ島:でもさほど読まれなかったじゃないですか。大喜利にもそういうことが常にありますね。

安藤:あまりハイレベルな回答だと一瞬場が固まることありますよね。絶妙なところをついていくセンスみたいなものが問われるのかもしれない。

江ノ島:大喜利には大喜利の筋肉みたいなものがありますね。いつか今回投稿してくれた人を集めて大喜利大会やりたいです。

月餅:えー!それは震えるなー。

またやりましょう

安藤:今回みたいな投稿ものだと半日でも悩めるじゃないですか。でも大会だと時間制限があって、しかもおもしろくないとリアクションがダイレクトに返ってきますよ。

江ノ島:そうですね。逆に今回みたいな投稿だと、ウケてるのか空気が読めないのと、答えたあとに言い訳というか説明ができない分、難しさはありましたね。大会だと答えてから場の反応を見て、ちょっと補足して、それでなるほど!ってウケることもあるので。

安藤:それぞれにおもしろさと難しさがありますね。大会やるならちょっと頭を鍛えてからにしましょうよ。

江ノ島:そうですね。記事だけじゃなくて、こういう新しい試みをやっていきたいです。

江ノ島さん、月餅さん、ありがとうございました!

 

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