eコマース サイトに動画統合して購入率アップ:ソーシャルメディアの模倣など成功ブランド事例

DIGIDAY

ソーシャルメディアは日々変化している。最近のTikTokやリール、YouTubeショートなどの急速な台頭によりこの事実は感じることができる。しかし、影響を与えて製品の購入につなげるという動画の力は特に注目すべきだ。

ブランドが動画を活用する最新の方法は、動画を自社eコマースサイトに統合することである。TikTokにインスピレーションを得た動画もあれば、TikTokから直接取り込まれたものもある。

サイトにUGC動画を統合したタワー28の例

「クリーン」メイクアップブランドのタワー28(Tower28)は、8月以降、すべての主要製品、またはセットや限定版ではないアイテムの製品ページにUGC動画を統合した。同社のeコマース担当シニアマネージャー、ジェシカ・ホウ氏は、この機能をローンチした後「すぐにリフトとコンバージョンが確認された」だけではなく、「ウェブサイトと製品ページに費やされた時間」も急増したと述べている。この統合を担当したガンダー(Gander)によると、タワー28のコンバージョンはローンチ後の16日間で28%増加したということである。

タワー28が活用した動画コンテンツのなかには(機能統合以前から)すでに存在していたものもあった。たとえばベストセラーのメイクウェイブスマスカラ(MakeWaves Mascara)ページにある動画は、もともとセフォラ(Sephora)の製品ページ用に制作されたものだった。ほかの製品の動画については、タワー28はガンダーのインフルエンサーネットワークを利用した。人気の動画はビフォーアフターや食材情報など。タワー28は動画の埋め込みとオーガニックUGCに対して月に59〜250ドル(約8000〜3.4万円)を支払っている。

製品ページに短編動画を取り入れているほかの美容ブランドには、アーブラーニー(Aavrani)、ブラックオパール(Blk Opal)、イーデム(Eadem)、PTYビューティ(PYT Beauty)などがある。

ソーシャルメディアを模倣したモバイルサイトのメリット

投資家で、また投資会社のRX3グロース(RX3 Growth)のパートナーシップ責任者を務めるキラ・ジャクソン氏は10月、自分のTikTokアカウントで「モバイルサイトはソーシャルメディアを模倣し始めるだろう」と述べている。同氏は、その移行を推進するプラットフォームはどれも2014年以降にローンチしたと言い、ガンダー、フォーシックスティ(Foursixty)、トルストイ(Tolstoy)の名を挙げている。すべては「常に買い物をしている」消費者が「買い物に行く」消費者に取って代わっているという考え、そしてこの変化の中心にはソーシャルメディアがあるという考えに基づいているとジャクソン氏は電話で語った。

このようなテクノロジー企業の存在は、我々がコンテンツを消費して購入を決定している方法が進化し続けていることを物語っている。たとえば、メイクアップ製品の色合いのサンプルを見るだけではもはや十分ではない。顧客は、使った人の肌タイプに対して製品がどのように効果があったかについて聞いて、自分に合うかどうかを推測したいと考えている。ジャクソン氏はプライベートな資金調達デッキに言及している自身の投稿で、短編動画は「93%の顧客の購入決定に影響を与え、消費者の70%は写真や文章よりも動画を好んでいる」と述べている。

また、ジャクソン氏は、ジュエリーブランドなら「製品が水で変色しない方法」や「最近のコレクションからアイテムを重ねづけする方法」を紹介したりして、eコマースページで動画を活用できると述べている。

ガンダーを創業した26歳のキミロルワ・ファフォウォラ氏は、同社のミッションは「オンラインショッピングをもっと人間らしく」することだと述べている。ガンダーは2021年夏にローンチし、グッドアメリカン(Good American)、アーブラーニ、タワー28などの企業を顧客として抱えている。

ガンダーのミッションは、TikTokがエンターテイメントプラットフォームであるのに対し、短い動画は販売に効果的であるという区別に基づいている。「人々はスマホをスワイプしているときに四六時中広告を見せられるのは望んでいない」とファフォウォラ氏は語っている。同氏によると、教育用ビデオは購入客が購入を検討しているeコマースサイトに最適だという。「そここそが購入者が情報を求めている場所だからだ。購入客はどの色合いを選ぶべきか知りたいと思っている」。

「(多様な範囲を網羅する)モデルたちを使って写真撮影を行うのは非常に費用がかかる」とファフォウォラ氏。「UGCによりブランドが一人ひとりの多様性を表現できるようになるだけではなく、他人が(購入について)決定を下すのを手助けできるように個人をエンパワーするものでもある」。

[原文:How brands are making e-commerce feel like social media

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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