巨人・菅野智之が2022年11月30日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億円ダウンの年俸5億円でサインしたことがスポーツ各紙で報じられた。
今季は2年ぶりの2ケタ勝利となる10勝をマークして防御率3.12だったが、全盛期の輝きに比べると衰えた感が否めない。リーグ優勝を飾ったヤクルト戦は5試合登板で1勝2敗、防御率7.14と打ち込まれる試合が目立ったことも印象が悪い。ただ、先発陣の層が厚くない投手陣で、菅野が復活しなければV奪回は遠のく。絶対的エースとして返り咲けるか。プロ11年目の来季は野球人生の分岐点を迎えるシーズンになる。
「33歳という年齢を考えると…」
長年抱いていた夢も封印する。20年に開幕13連勝を飾るなど14勝2敗、防御率1.97で3度目の最多勝、2度目のリーグMVPを受賞する大活躍でリーグ連覇に導くと、オフにポスティングシステムでメジャーリーグへの挑戦を表明。交渉期限までにまとまらずに残留が決まったが、その後も海の向こうで投げることをあきらめたわけではなかった。
スポーツ紙デスクは「近年は直球の力強さ、変化球のキレが落ちてきている。33歳という年齢を考えると、メジャーの球団と好条件の契約でプレーするのは厳しい。今後のキャリアを考えた時、生涯巨人でプレーする可能性は十分にあると思います」と語る。
チームは今季5年ぶりの4位に低迷。投打の軸として長年活躍していた菅野と坂本勇人が度重なる故障やコンディション不良で1年間稼働できなかったのが、大きな誤算となった。戸郷翔征が自己最多の12勝をマークし、山崎伊織、堀田賢慎と若手が台頭する中で、菅野は意地を見せられるか。(中町顕吾)