Z世代 消費者の80%は「スキンケアは店舗で買いたい」:D2Cから大型店舗を導入したバブルのシャイ・アイゼンマン氏

DIGIDAY

ミレニアル世代はD2C時代の先駆けとなったが、Z世代はそれを終わらせる存在だ。

これは、ティーン向けスキンケアブランドのバブル(Bubble)の創業者でCEOのシャイ・アイゼンマン氏が、11月中旬に行われたGlossyビューティサミットの3日目に共有したインサイトのひとつである。アイゼンマン氏はいわゆるファイアーサイドチャットで、同社のZ世代の顧客5000人に対して行った調査結果を明かした。2020年に創業したバブルは、D2C販売に注力してスタートしたが、すぐにウォルマートとCVSにローンチしている。2週間前にはアルタ・ビューティ(Ulta Beauty)を小売パートナーに追加した。

美容とパーソナルケアはD2Cに適さない

「Z世代に話を聞くと、実際には80%がスキンケアに関しては店舗で購入することを好み、そのうちの58%が大型小売店での買い物を希望している」とアイゼンマン氏は壇上で述べた。D2C販売モデルはあらゆるカテゴリーに適しているわけではなく、特に美容とパーソナルケアに関してはそうだ、と彼女は考えている。

「私たちは『誰もがD2Cで購入したいはず』と思いがちだ」とアイゼンマン氏は指摘した。「だが、歯磨き粉がなくなったときを想像してほしい」。顧客は「専用のウェブサイトに行き、歯磨き粉を入手するのに4日待って、送料に4.95ドル(約690円)を支払う」ことを望んでいないかもしれない。それをブランドが理解するときが来た、というのが彼女の見解だ。

「正直なところ、今日の消費者、特にZ世代が求めていることの重要な部分を占めているのは、アクセシビリティなのだ」。

アイゼンマン氏はグループメッセージングアプリのジェニーバ(Geneva)を活用し、Z世代の会員コミュニティの5000人からフィードバックを得て、それをバブルチームの「すべての意思決定」の指針にしているという。

「異なるルームを設けて、そのコミュニティと話をしている」と彼女は言う。そこには「皮膚科医と話をして、どんなことも質問できる」ルームや、人間関係について話し合ったり、サポートを共有したり、気になるトピックについて深く知るためのルームもある。

ジェニーバを通じて得られる情報は、同ブランドにとって「ゲームチェンジャー」だとアイゼンマン氏は述べた。

若い消費者のことをまったくわかっていなかった

バブルが学んだことは、Z世代のお気に入りの販売チャネルだけでなく、必ずしもすべてのZ世代が、TikTokのトップ「スキンフルエンサー」のような知識ベースを持つ立派な「スキンテレクチャル(製品の成分を確認し、値段にも留意する賢い消費者)」ではないという点だ。実際、ほとんどのZ世代にとって、スキンケアの基本に関する教育が依然として重要なのだ。

「これまで『若い消費者は、年齢を重ねたときに自分の肌をちゃんとケアしたいと思っている。できるだけ肌の老化を防ぎたいと本当に願っている』と考えてきたが、私たちは自分たちが何を言っているのか、まったくわかっていなかった。若い世代は、私たちがその世代が使っていると考えていたブランドをひとつも知らなかったのだ」。

教育に基づくマーケティングの一環として、バブルでは自社サイト内に「スキンスクール(Skin School)」というコーナーを設け、肌に関するクイズ、成分や肌の状態に関する情報などを提供し、歯磨き粉をシミに塗るといった一般的なDIYのニキビ「ハック」を否定するセクションなどを作っている。

「わかりやすく、かつ非常に単刀直入な方法で語りかけたい」とアイゼンマン氏は言う。

同ブランドが販売チャネルとして小売に賭ける一方で、この年齢層に対してはデジタルマーケティングがこれまでと同様に重要であることもアイゼンマン氏は強調した。バブルの調査では「平均的な消費者は、購入を決定するために9〜12回、ブランドを目にする必要がある」ことが判明している。

「TikTokで私たちのブランドを検索し、YouTubeでも私たちを検索する。検索してさまざまな方法で複数のレビューを確認して、そのブランドについて知ろうとする。そして9回くらいそのブランドを見てようやく、お店に行って実際に購入の意思決定をしてくれるのだ」。

[原文:Bubble’s Shai Eisenman: 80% of Gen Z consumers ‘prefer to shop in-store for skin care’]

LIZ FLORA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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