丸亀製麺が2022年11月29日より期間限定で販売開始する『俺たちの豚汁うどん』。株式会社TOKIOの松岡昌宏さんと共同開発したという新商品だ。丸亀製麺によると「豚汁だけど、豚汁じゃない」唯一無二の味わいだそうで、これはいやが上にも期待が高まる……と思っていたら!
なんと今回、発売前の商品を特別に食べさせてもらえることになったぞ。マジかよ、行く行く~! さっそく身支度をする私(あひるねこ)。ところがこの後、事態は理解不能なトンデモ展開を見せることになる。
先にお願いしておこう。しっかりついてきてくれ。
・ある日の午後
それは突然の出来事だった。私が丸亀製麺に出掛ける準備をしていると、同じく『俺たちの豚汁うどん』の情報を聞きつけた上司のYoshioが、急に大きな声で叫び出したのだ。
Yoshio「な、何だってーーーー!? 『俺たちの豚汁うどん』だってーーーー!? 豚汁にうどんを入れるなんて……こりゃあ大変だ!」
「今すぐ『豚汁王』に知らせないと!!」
・豚汁の王
いや、何なんだその限定的な王は!! そんな王聞いたことねーよ! と私が言い終えるよりも先に、外へと飛び出して行くYoshio。どうやらその豚汁王が住むという埼玉の山奥へ向かったようだ。いやいやいやいや、豚汁王なんて実際にいるワケ……
いるワケ……
いる……ワケ……
え? いや、ちょ……
ホントにいたーーーー! ていうか……
何だコイツゥゥゥゥウウウウ!!
・実在した
それでは改めてご紹介しよう。埼玉の山奥に住む豚汁王こと、トンジラー羽鳥である。王冠をかぶり、マントを羽織るトンジラー羽鳥は、地元ではちょっとした有名人らしい。顔の方は誰もツッコまないのだろうか。
トンジラー羽鳥「豚汁にうどんを……? 分かった。さっそく参ろう」
「参ろう」じゃねーよと思いつつ、指定された丸亀製麺の店舗へ急ぐ私とYoshioとトンジラー羽鳥。ちなみに、車の運転はトンジラーである。その感じでよく免許取れたな!
そして数時間後──。
豚汁王、丸亀製麺にガチで到着。
・店内へ
今日は『俺たちの豚汁うどん』の試食ということで、奥のテーブル席に案内される我々。ふと羽鳥を見ると、なぜか腕を組んでじーっと黙っている。今になって自分のヤバさに気付いたのだろうか? 下山する前に気付け。
とここで……
/ コン \
さあさあ、お待ちかね。店長さん自ら『俺たちの豚汁うどん』(並・税込790円)を運んできてくれたぞ。うおおおおおお! めっちゃウマそォォォォオオオ!! これはきっと豚汁王もテンション爆上がりに違いない……
と思いきや、次の瞬間だった。
トンジラー羽鳥「んもぉーーーーー! ホントにうどんを豚汁に入れちゃってるゥゥゥゥゥゥゥ!! こんなの豚汁さんへの冒涜でしょ~~~~~~!? 俺、プンプンなんだぞ! もう、プンップンッ!!」
これどういうキャラなん?
・ブチギレ
どうやら豚汁にうどんが入っていることが許せない様子の豚汁王。店長さんは、そんな羽鳥をなだめるように「まあまあ、食べてみてくださいよ」と勧める。その表情には自信が満ち溢れているが、一口食べればそれも納得だろう。
うどんに合う最高の豚汁を生み出すため、丸亀製麺がもっともこだわったのが味噌だった。数十種類もの中から厳選し、独自のブレンドによって作られたという「特製味噌だし」は、濃厚なだけではなく深いコクや甘み、旨みが感じられる逸品。
そこへ しょうがやニンニク、隠し味のコチュジャンとオイスターソースまで組み合わせることで、複雑かつ重層的な味わいが生まれているのだ。豚汁と聞いて我々がイメージする味が、より立体的に更新されているというか。
具材は豚肉、キャベツ、たまねぎ、にんじん、ごぼう、油揚げなど盛りだくさん。特に、クタクタになるまで柔らかく煮込まれたキャベツが最高だ。仕上げに振りかけられる白胡椒もまた良きアクセントに。体が温まりますなぁ。
そして忘れちゃいけないのが、茹でたて もちもちの「釜抜き麺」である。茹で釜から直接すくいあげ、水で締めないため、熱々もちもちの食感をさらにダイレクトに味わえるぞ。当然、特製味噌だしとの相性も抜群。いやホントうまいよこれ!
ちなみに丸亀製麺がオススメするトッピングは、おろししょうが、すりごま、香七味、青ねぎの4種だ。もちろんすべて無料なので、遠慮なくぶっかけてくれ。
もう少しまろやかにしたい! という人には「温泉玉子」がオススメで、他にも「かぼちゃ天」や「さつまいも天」など、野菜の天ぷらとの相性もバッチリ。ぜひお試しあれ。
※店舗ごとにお取り扱い商品が異なります。
・王の実食
さあ、果たして豚汁王は『俺たちの豚汁うどん』を認めてくれるのだろうか? それとも先ほど同様、プンプンと不気味にキレ散らかすのだろうか? しかしここで、私もYoshioも、丸亀製麺の人さえも予想しなかった衝撃の事態が発生する。そう……
まさかの号泣である。
・ガチ泣き
え、泣いてる!? うどんで!? ほんの数分前まで豚汁にうどんが入っていることにブチギレていた羽鳥だが、いざ食べてみると、そのあまりのおいしさに感動してしまったらしい。「え~ん、うどんに合う最高の豚汁だよ~(泣)」と見事に大絶賛だ。手のひらの回転速度どうなっとんねん。
ただ、羽鳥のこの反応に店長さんも気をよくしたようで、同時発売の『俺たちのニラバタ豚汁うどん』(並・税込890円)を続けて持ってきてくれたぞ。
・最強トッピング
シャキッとした食感の「刻み生ニラ」と、まろやかな「バター」で味変を楽しめるという、これぞ誰がどう考えても究極無敵な一杯。熱々の特製味噌だしの上で溶けたバターの、暴力的なまでのルックスは必見である。
実は今回、「刻み生ニラ」と「バター」はそれぞれ単品のトッピングとしても注文できるようになっており(各税込70円)、もちろん『俺たちの豚汁うどん』以外の商品と組み合わせることも可能。俺だけのアレンジを発見するのも楽しいかもしれな……ん?
「なんか暑くなってきちゃったな~」
「よいしょ」
_人人人人人_
> 「王」 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
・主張エグイ
うわーーーーー! 背中に思いっきり「王」って書いてあるーーーーーー!! あんま自分から申告する王見たことねーよ! ホントに王かよ!!
「たしかにそうだな……」
え?
トンジラー羽鳥「『俺たちの豚汁うどん』といい『俺たちのニラバタ豚汁うどん』といい、まさか豚汁がここまで進化しているとは……。こんなにうどんに合う豚汁を開発するのは、さぞかし大変だっただろう。
この素晴らしい豚汁を前にして、私は王を名乗ることなどできない。よって今日……王を引退しようと思う」
・電撃退位
そう言うと羽鳥は、かぶっていた王冠を店長の頭にポンとのせた。はにかむ店長。
店長「王……! こ、これは……?」
トンジラー羽鳥「もう王ではないさ、我が友よ。その王冠は君にこそふさわしい」
王座の譲位──。これにより羽鳥は、正式に王ではなくなったのだ。豚汁王から「王」の成分を取り除いた結果、ただの豚汁好きの変態だけが残ってしまったのは残念極まりないが、そんなことがどうでもよくなるくらい、二人の笑顔は素敵だった……
いや、ちょっと待て! この画像……
うわーーーーー! よく見たら腕にもトンジラーおるーーーーー!! ワンポイントアクセントォォォォオオオオ! そのTシャツどこに売ってんだよ!? ちょっと欲しいぞーーー!!
帰り際、羽鳥は「いくつか持って帰れるかな? 民にも食べさせたい」と持ち帰りを要求。『俺たちの豚汁うどん』は持ち帰りが可能だが、『俺たちのニラバタ豚汁うどん』とトッピングの刻み生ニラ&バターに関しては、持ち帰りが不可となっているためご注意願いたい。
商品を受け取り店を出ると……あれ? 消えた? そんなバカな。お~い! どこだトンジラ~~~~!! 羽鳥を追って編集部へと帰還する私とYoshio。
ドアを開けると中では……
トンジラー羽鳥と、トンジラー羽鳥を慕う男たちがおいしそうに『俺たちの豚汁うどん』をすすっているではないか。いや何だこの状況! まともな大人が一人もいねぇぞ!! この記事どうやって終わりゃいいんだよ!
もう、豚汁王ではないかもしれない。
ただの豚汁好きの変態かもしれない。
だがそれでも……!
トンジラー羽鳥は、俺たちの王なんだ!!
ワーッショイ! ワーッショイ!!
ワーッショイ! ワーッショイ!!
もうどうにでもなれ! ワーッショイ!!
ワーーーッショォォォォォォイ!!
『俺たちの豚汁うどん』最高ォォォォオオオ!
『俺たちの豚汁うどん』は、最高だーーーー!!
あなたにも伝えたい。最高だと──。
– 完 –