世界的人気ゲーム「Wordle」が日本語でできる「ことのはたんご」をプレイ! 英語ムリであきらめていた人にも朗報かと思いきや…

ロケットニュース24

少し前、毎朝のようにトレンド入りしては暗号めいたツイートを残していく「Wordle」について報じた。その正体は英語のワードパズルで、成果をツイートするのが世界的な習慣となっているらしい。

しかしWordleで試されるのは英語の語彙力。母国語ではない我々にとっては「通勤列車でヒョイヒョイ解けるのは、どこの誰だー!!」と叫びたくなる難度だ。

そんな同志にぴったり、本家Wordleをオマージュした日本語ワードゲームがあるというじゃないか。気づけば同ゲームも「第○○回」というトレンドワードで見かける。これだ! 筆者が求めていたのはこれだよ!!


・本家はむずい

簡単におさらいするが、Wordleは英語の穴埋めワードパズル。ヒントをもとに、使われている5文字を論理的に推理していく。1日に1問だけ出題され、結果を簡単に記号化してツイートできるので、ネタバレなしで「できた!」と報告できるのだ。

しかし英語ゆえ、自分がその英単語を知っていないと正答は難しい。「ROBOT」「TODAY」「SWEET」といった中学生英語の出題もあるが、日によって筆者レベルでは聞いたことすらない単語も出題される。運がよければ総当たりで正答できるものの、モヤモヤが残るばかりだ。

日本語に例えるなら「ドラ○もん」といった伏せ字を眺めて、直感的にもとの単語が思いつくレベルじゃないと楽しめないのだ。外国語じゃムリ……。

ところが、同じルールのもと日本語で遊べる「ことのはたんご」というブラウザゲームがあるという!


・「ことのはたんご」

さっそくプレイしてみよう。生まれてこのかた数十年、日本で暮らし、日本語で教育を受け、いまや日本語の文章で稼ぎを得ている筆者。正直いってパズル雑誌のクロスワードなど「ぬるい」と感じられるほど得意だ。

ルールは本家Wordleと同じ。「5文字からなる単語を当てる」「1日に1題だけ出題される」「ネタバレ禁止」といった基本原則がある。ただし試行は、本家の2倍に近い10回まで可能。これ、楽勝じゃない?

序盤はジャブ的に思いつきの単語を入れる。すると文字タイルの色が変わり、ヒントが示される。

緑:その文字は使われており、位置も合っている
黄:その文字は使われているが、位置が間違っている
灰:その文字は使われていない

仮想キーボードを使えるので入力は簡単だ。適当な単語を入れることを2~3回繰り返せば、だいぶ絞り込めるはず。


ところが、である。


日本語、多過ぎー!!!!!!


26しかないアルファベットに対して、日本語は46文字もあるうえに、濁音(゛)、半濁音(゜)、拗音(ゃゅょ等)、長音(ー)……5文字や10文字使ったくらいでは、一向に候補が減らない!


おまけに4文字までわかったから勝ったも同然と思っても、「身長(しんちょう)」「心証(しんしょう)」「神妙(しんみょう)」「心境(しんきょう)」「信条(しんじょう)」など、一文字違いの言葉が無数にある!

なんつ~言語だ! よく日本語は漢字・ひらがな・カタカナの3種類があるから難しいといわれるが、話し言葉でも十分に難しい。


一説によると、日本語も他言語も語彙数ではたいした違いはないが、日常会話に登場する単語のバリエーションが、日本語は相当広いんだそう。初学者が同じ1000語を覚えても、会話で「通用しない」と感じる割合が高いらしい。おまけに外来語やオノマトペ(擬音語・擬態語)は無限に増えるからな。

もちろんゲーム内では、名詞を中心とした一般語になるよう、おおむね調整されている。出題は乱数を用いた自動生成だが、決まった辞書にもとづいているそう。

とはいえ10回ぎりぎりまで使って、ようやく解けるパターンも多々。母国語なら簡単かと思いきや激ムズじゃないか! むしろ本家より……などと思いながら「遊び方」を見ていたら、衝撃的な一文を見つけた。


──日本語の特性上本家Wordleよりもだいぶ難易度が高いです。


日本語ぉぉぉぉぉ! なんてパズルに不向きな言語なんだ。ネイティブをここまで苦しめるなんて……!


・誰でもプレイ可能

「ことのはたんご」は、作者の大西力登氏が本家Wordleへのリスペクトとともに開発したゲーム。収益を得ずに運営されているため、誰でも無料でプレイできる。

大西氏のnoteでは、どのような経緯で開発されたか、ゲームとしてのバランスをどう考えているかなどの裏話が開発者目線から紹介され、ゲーム製作記としても大変おもしろい。

短時間でさくっとプレイするゲームとしては難しすぎるという声もあるようだが、筆者はこの難しさに燃えた。歯ごたえがあるほうが、解けたときのカタルシスが大きい。

もっとプレイしたいが、次の出題は深夜0時だ。ちょっと明日が待ち遠しい。


参考リンク:ことのはたんご大西力登(Rikito Ohnishi)公式サイトnote
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:ことのはたんご

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