漫才師みたいに公園で二人で立ちたい

デイリーポータルZ

ただ大人が3組で談笑している写真です

M-1グランプリを毎年楽しみにしている。漫才はもちろん、密着した裏側の様子が見れるのも楽しみのひとつだ。

その中でも、壁に向かって漫才の練習をしたり、公園でネタを合わせる様子がすごくかっこいい。雰囲気だけでもいいからあのかっこよさを味わいたい。真似してみました。

「芸人さんのような写真を撮ってみたい」と声をかけたらライターのみなさんが集まってくれた。

まずは2人組をランダムに作り、宣材写真ごっこをしてみる。

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「白い背景で、ちょっと2人がくっつきめで笑う感じです」と指示する
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すると突然スーツと個性派のすごくいそうなコンビが目の前に現れた
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「あれ?なんか思ったよりそれっぽいな」「並んだだけなのになぜ」さっきまでライターだった2人が急に芸人っぽく見えてわらってしまう
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ポーズを変えてもらうとこうなる「うわーいそう!」「なんだろう体格差がいいのかな?」「スーツと私服っていうのもいいんでしょうね」

白背景に、少し距離を近めで撮影するだけで、宣材写真のように見える。いい遊びを見つけてしまった感がある。

個性まで妄想してしまい、コンビの役割まで妄想がふくらむ。

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そこから1人変えてみた。「うわーーーーーー実力派だ!」「これはすごい根強いファンいると思う」「私みたことないけどライブ行きたいと思いました」
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さらに片方を変えてみる。「隣が違うだけで印象がこんなに変わるんですね」「左の方がテレビ出るの早そうだな」「相方選び​​大事っていうけどほんとだね」
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新しいコンビにしてみた。「うわーー違うな!?」「なんだろう違うな」「大学のサークルでもいまいちそう」「なんでなんだろう」
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みなさんにもこの「違う」が伝わっているだろうか。組み合わせの不思議が全員を襲う。別に芸人ではないのにボロボロに批評されて可哀想になってきた
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不思議を抜けようと、3人にした途端にしっくりくるトリオになった。こんなに上澄みの遊びをするだけで、コンビを組む時は組み合わせが重要ということがよくわかる
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ヤジばかり言ってた私も混ざってみることになった。「もう少しくっついてー」と言われてなんだこれはとなるが
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それっぽい雰囲気は出た気がする。「わーーいそう」「女性が率いてる系だ」「右はきっと深い趣味がある」「髪の脱色具合がリアルだな」

 宣材写真っぽく撮るだけで、架空のコンビに対する感想が生まれるのが面白い。

本職の芸人の方はきっと衣装や、髪型、ポーズまでいろんな配慮をもってキャラを設定し、撮影しているのだろう。ちょっと真似するだけで大変な仕事だということがわかる

 壁に向かって2人で立つやつ

漫才密着番組でよくみる「壁に向かって2人でたつやつ」もやってみる。 

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後ろ向きに2人で立ってもらった。なぜかわからないけどさらに漫才師に見える。実際は壁に向かってただライターが談笑しているだけです
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さらに2組ならんでもらった。もうやばい。これが会社の会議室とは思えない。どこかの楽屋ではないのか
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3組に増やした。小道具のリアルさもあいまって、大きな大会の控室のようだ。みんな真剣にネタ合わせをしてるように見えるかもしれないが、本当にそれぞれただ適当に話したり、「このあいだねー」とそれっぽい真似をしてみているだけである
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あと横から撮るのも「みたことある」がすごかった。

実際に並んで立ってみると、漫才師って二人の距離がめちゃくちゃ近いんだなと驚いた。

コンビは仲が悪いとか、一定の距離は置くとか話を聞くが、仕事中こんなに近づくのだ、なんだかわかる気がした。

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 公園で練習で立つやつ 

だいぶ漫才師らしい写真が取れて嬉しい。次は念願の「公園での漫才練習」である。

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公園に移動して談笑するだけで、しっかりバイトの間にネタ合わせをしているような写真になる。本当に不思議だ
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ちなみに右の2人は、私たちが撮影している間本当に気を抜いて喋っていただけだった。それなのにネタ合わせっぽく見えてしまい笑ってしまう
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公園でも2組に増やしてみた。この近くで今日何かの一回戦があるんですかね
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3組にしてみる。ああ、もうそれぞれ予選がすぐなんだなという感じがする
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あとみんな嬉しくてちょっと前屈みとかになってしまう。たまに「どーもー」とかいってなりきる。楽しい。あと気持ち腕を後ろに組んだりしてしまう
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木の前の方がよりそれっぽいのではと試してみた写真。これは本当に木のうろについて喋ったりしていただけの写真だ

 道路に横並びになっても漫才師に見えない

だいぶ漫才師になった気分を味わえた。大満足と思い帰りながら気がついたのだが

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公園でこんなに漫才師っぽく見えていた2人が
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道路に立つと途端にタクシーを待っているような2人になった

 

どうして公園限定で芸人に見えるのか、と話していると「まず大人は2人で近距離で公園に立たない」という話になった。確かにそうだ。

簡単にできるので気がつかなかったが、公園で大人が横並びで立つってきっと芸人の方しかやる機会がない。だから脳が芸人かと錯覚したのだ。

壁に向かって喋るのもきっとそうだろう。かなりお手軽に芸人さん体験ができたようで楽しかった。

2人で喋ることが仕事という不思議

そういえば人生で、横並びで密着して誰かと喋ってみるのは初めてだった。この立ち位置で人前で喋ることが仕事、という人がいるなんて改めて信じられない。しかも面白くなければならず、しかもその大会まであって、みんな楽しみにしている。宇宙人に話したらきっとびっくりするだろう。文化って不思議だなあと思った日でした。

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道路に立つ2人をみて「さっきまで芸人だったのに……」と混乱する図。

 

 

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