自分らしさ──それが何を指すのか、よく考えれば難しい。実態が掴みにくく、ヌルヌルとしていると言おうか。にもかかわらず、なぜか最近は「自分らしくありたい」的なことを言う人が多い。
だが、私が思うに そんなことを頻繁に口にしている人ほど流行に流されがち。もっと言うならば、「“自分らしくありたい” とか言ってたらモテるっしょ」という思惑しかないことだって多い。
そんなゲスい煩悩だらけの現代日本において、本当の意味で自分らしさにこだわった服を発見した。当然ながら即ポチ。届いたその日に着用したところ、超絶イケメンに変身したのでレポートしよう。
私が “問題の服” を知ったきっかけは、当サイト・ロケットニュース24に表示された広告である。私がいつも通りサイトを確認していると、「自分らしいスタイルを見つけよう」というキャッチコピーとともに、1枚のパンツが表示されたのだ。
Oh……。その圧倒的な個性に、私は思わず声が出た。一見Tバックに見えるが、思いっきりGパンの生地。これは下着じゃなくて、ショートパンツ?
いや、こうなったら下着か下着じゃないかなんて些細な問題だろう。なにより注目すべきは、Gパン生地ではありえない鼠径部の曲線。これは俗に言う「タテに落ちるカーブ」だ。
そのアングルが凄まじいため、センター部分のカバー範囲がいちじるしく低下している。よって、私がこのパンツを穿(は)いて外に出ると警察のお世話になりかねないが、法律を守ることより自分らしさを優先したパンツ……なのかもしれない。
これほどまでに「自分らしいスタイルを見つけよう」というコピーがハマる商品も珍しい。なお、注文してから到着まで2週間もかかったが、それもまた “らしさ” といえるかもしれない。
・届いた商品をチェック
さて、届いた商品を実際に見たところ、アングルの鋭さに思わず言葉を失った。それはまるで、初めてスキーの上級者用コースに来たような気持ちだ。初心者の私には、事故が起こりそうな角度にしか見えない。
しかし、事故を恐れていては自分らしい生き方などできない。個性とはすなわち “ハミ出す” ことなのだ……と自分に言い聞かせ、私は着用しているパンツを脱いだ。そして問題のパンツを穿くと……
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「絶対にハミ出してはいけない!」と全身に力が入る自分がいた。まだ俺はハミ出すことにビビっている。もっとリラックスしろ! 力を抜くんだ!! そう自分に言い聞かせること約10分。やがて……
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妙に艶(なまめ)かしい状態になったのだ。まだハミ出すことにビビってはいるが、足を交差させた立ち姿はモデルのよう。いや、もうモデルと言っていいだろう。
手前味噌で恐縮だが、この立ち姿を見たとき私は「イケメンのフォルムだわ」と思った。
もちろん、 “美の基準” は人それぞれ。ただ、もしあなたが上の写真を見て「どこがイケメンなんだ」と思っているとしたら、それは雑誌やテレビが作り上げた “美の基準” で物を見ている証拠でしかない。
そんなクソな物差しで判断している時点で、 “自分らしさ” を喪失していると私は言いたい。早い話が、「全然イケメンじゃねえだろうが!」というクレームは一切受け付けていないということだ。
というわけで、このパンツは自分らしさを追求したい全ての人にオススメ。参考までにお伝えしておくと、購入したのは「SHEIN」というサイトで商品名は「ローライズ ブーティ・デニムショーツ」。価格は1481円だ。
イケメンになれるにはかなり安いような気がするが、布面積を考えると高いような……。そのあたりもまた「自分らしさ」という言葉の意味と同様に難しい問題である。