Pioneer DJ機材が人気ださすがだ。
VRChatなどのソーシャルVRでは、夜な夜な音楽を聴いて踊って楽しめるDJイベントが開催されています。時には同じ時間帯に複数のイベントがあり、ハシゴをするかのごとく回って楽しむこともできますし、雑談が活発なワールドにいくと流しのDJと出会えたりもしますよ。
VRを始めてからDJ活動をスタートした、という方もたくさんいます。かくいう僕もVRで、10年以上ぶりにDJ活動を再開したクチ。
だからこそ気になりました。みんながどんなDJ機材を使っているのかなーって。そこでQuest版VRChatでも楽しめるDJイベントQuest Danceparty Club(@ClubDanceparty)主催のねこたんさん(@VRCaccount1)にお願いして、いろんなVR DJが使っている機材を調査しましたよ。本稿に登場する製品はサウンドハウスのようなオーディオ専門店などで取り扱われています。
ところでQuest Danceparty Clubは、毎週火曜日の夜にVRChat内で開催しています。和気あいあいと音楽に気持ちを委ねられる素敵なパーティなので、ダンスミュージックが好きな方は行ってみて!
DJねこたん & DDJ-400(Pioneer DJ)
ねこたんさんは最初、コンパクトなDJコントローラのDJ2GO2 TouchからVR DJを始めました。でもよりグレードの高い機材を使いたいと感じて、DDJ-400を手に入れたそうです。
「DDJ-400にした理由は、DJアプリを現実のClub現場でも使われているrekordboxに変えたかったというのもありますね。あとはDJ中のマイクパフォーマンス用+歌の録音用のダイナミックマイク、ヘッドフォンもアマゾンで見つけた安価なモニターヘッドフォンです。ピンクのヘッドフォンが欲しくてこれにしましたね!」(ねこたんさん)
写真を見るとCHROMA CAPSかな? サードパーティ製のノブに交換してカスタムしている様子ですね。ともあれDDJ-400はVR DJのみならず多くのPC DJが愛用している名機です。
「DDJ-400は多数のパッドが備わっており、現場で使われているCDJシリーズとも近いレイアウトになっているので、リアルでもDJをする私としてはとても扱いやすい機材となっています。FX(エフェクト)も豊富に入っていて多機能なので個性豊かなプレイが可能ですよ」(ねこたんさん)
今後アップデートをするとしたら、DDJシリーズ上位のDDJ-1000、もしくはXDJ-XZが欲しいんですって!
DJ Mazzn1987& DDJ-RZ(Pioneer DJ)
超軽量Quest対応DJパーティワールドも作っているMazzn1987さん(@Mazzn1987_TRPG)が使うのはDDJ-RZです。
「スクラッチを行う上でビートグリッドが表示できて、回転トルクの調整も可能なジョグMagvelfader製の切れの良いクロスフェーダーが欲しかったんです。現行フラッグシップのDDJ-1000ではオミットされてしまったニードルサーチ、OSCサンプラー、1デッキ当たり3発のFXボリュームなど、Pioneer DJ製で最も多機能・最も巨大・最も高音質という旧世代の恐竜型という点に便利さとロマンを感じました」(Mazzn1987さん)
DDJ-RZは1世代前とはいえ、フラッグシップ機。物量投入型の多機能性が売りです。
「特に使用していて便利と感じるのはニードルサーチとOSCサンプラーです。特にOSCサンプラーはEDMのビルドアップに用いられるようなジェットサウンドをいつでも楽曲に付加できるため、アドリブミックスで非常に活躍しています。入手が難しい旧型ですがお勧めです」(Mazzn1987さん)
もし買い替えるとしたら?と尋ねたら、DJコントローラだと今のところないみたい。
「DDJ-REV7の機能を積んだrekordbox向けの新型が欲しいんです。REV7はターンテーブルのように実際にジョグが回転するモータープラッターを搭載したSerato DJ向けモデルですが、ソフトはrekordboxが好きなこと、4デッキモデルがよいためRZ+モータープラッターな新型を出してくれないかなぁ…と思っています」(Mazzn1987さん)
DJ saguzi&TRAKTOR KONTROL S8
今回唯一のNot Pioneer DJ勢! そんなSaguziさん(@394VR)はTRAKTOR KONTROL S8を使っています。
「NumarkのMixtrack Platinum FXを使っていたのですが、QDCメンバーのすなもり氏からTraktorを勧められてTraktor対応のDJコントローラーを探していたところ、運命的な出会いを果たしたのがこのTRAKTOR KONTROL S8です」(Saguziさん)
おすすめのポイントは、なんとジョグホイールがないこと。え、どういうこと?
「一般的なDJコントローラーはジョグホイールを回して曲の微調整を行ないますが、KONTROL S8にはありません。かわりにジョグホイールのかわりとなるコントローラー下部に横長のタッチパネルがあるんです。人気の高いDDJ-1000と比べると横幅が10cm以上短く、またコントローラーに備わったディスプレイで(PCの画面を見ずに)選曲や曲の調整を行うことが可能なんです。コンパクトながら4chミキサーとディスプレイがついているというのがポイントですね」(Saguziさん)
Native Instrumentsらしい合理的な構造、レイアウトは興味ありますね。
「欲をいえばDDJ-1000SRTが欲しいのですが、現状KONTROL S8でも十分満足しておりますのでしばらくはこの構成でプレイしていきます」(Saguziさん)
DJ GATSBY007&DDJ-800
GATSBY007さん(@Shishinokami777)は、Pioneer DJのDJコントローララインナップのなかではミドルハイとなるDDJ-800を使っています。
「2デッキ、現場で使われているDJ機材と遜色ないレイアウト、サイズ感、多機能性が魅力だったため購入しました」(GATSBY007さん)
多くのリアルなClubで使われているPioneer DJのCDJ+DJミキサーと近いレイアウトというのは、Pioneer DJのDJコントローラのストロングポイントですよね。
「現在の販売価格は12万1000円。高価ではあるのですが持ち運び可能ですし、現場を見据えてDJ操作に慣れたい人にはとてもおすすめです」(GATSBY007さん)
DJ 餅屋&DDJ-1000SRT/DDJ-XP2
VRクラブ SQUARE/Diamondの運営管理を務め、同人音楽サークル dat file records(@datfilerecords)主催でもある餅屋さん(@mochiya00)が使っているのは、Serato DJ用の多機能機DDJ-1000SRT。またサブコントローラのDDJ-XP2も使っています。
「QDCメンバーの中で唯一、Serato DJ ProというDJソフトを使用しています。現場でのエディットやサンプラーでの演奏も可能なソフトウェアなので、それを活用できるような機材編成となっております。DDJ-1000SRTはSerato DJ Proに対応し、なおかつよくクラブで採用されているCDJ-2000nexus2/DJM-900といった機材に近い機能を有したものですが、DDJ-1000SRTだけでは足りない部分をサブコントローラとミキサーで補うように機材を選定しています。基本的にDJブースにはモニターなどは置かず、HMD内にオーバーライドする形でDJソフトのウィンドウを表示しているので、楽曲の確認などはそっちの方で、機材の操作はブース上のカメラと機材のボタン配置を覚えてプレイをしています」(餅屋さん)
DDJ-1000SRTは20万9000円。DDJ-XP2は4万6200円。高価ではあるけど、「現場で採用されている機材に近い機能」「SeratoDJに適した環境」を考えて、このセッティングとなったそうです。
「VR DJは例えばHMDをかぶってプレイするなどいろいろ制約もあるので、その制約下でミスなくプレイできれば、リアルでの現場でも動けるだろうという脳筋に近い形の環境となります」(餅屋さん)
ただ現状は3チャンネル分しか使えていないことから。
「PioneerDJのXDJ-700かまたはCDJ-850、RANEのTWELVE MK2といったプレーヤーが欲しいですね。あるいはDJS-1000といったサンプラーがあってもよいのかなと思っています。なんにしても安くはない機材なのでほどほどに貯金して増やそうかなという感じです」(餅屋さん)
DJ れみぃちゃん&DDJ-1000
VRクラブ「RAPID」を運営、多数主催イベントをオーガナイズしているれみぃちゃん(@ramychan_VRC)の相棒はDDJ-1000ですって。
「最初はDDJ-400を使っていましたが、より現場機材に近くて便利なボタンや4chミキサーに興味をそそられ、また自宅で触るのであればコストパフォーマンスがよいと思って買い換えました。全体的な大きさも、おうちDJ用としてはほどよいサイズ感でちょうどいいと思います」(れみぃちゃん)
また部屋のなかがCoolですなあ!
「VRからDJを始めましたが、とにかく楽しいですね。VRだからこそできる表現やリアルでは疎遠だった趣味を家で楽しむことができるようになりましたし、結果としてリアルでの活動にも繋がることとなりました」(れみぃちゃん)
DJ まさこ2号&DDJ-800
VR DJでありボカロ曲も作っているまさこ2号さん(@masaco_v2)が操るのはDDJ-800。今回初のカブりだ!
「VR DJをはじめたころはDDJ-400を使用しておりましたが、活動開始してから1年弱が経ったころ、より上位の機材を使用してみたいと思い、購入しました。DDJ-400からDDJ-800への機材変更の際に選んだポイントの1つがサイズ感。自宅にDJ用のスペースを用意していないため、DJするたびに出したりしまったりしています。そのため、あまりに大きいサイズ機材ですと片付けが億劫になったり机からはみ出てしまいますが、DDJ-800はうちの現環境における許容範囲の最大値かと思います」(まさこ2号さん)
他の方へのおすすめポイントも聞いてみましょう。
「DDJ-800は2chミキサー、現場機材は4chミキサーであることから、現場でやることを見据えるなら4chミキサー搭載DJコントローラのほうがいいかとも思われますが、レイアウトはほとんど変わりありません。そのため、このモデルで練習して実際の現場に出たときに、少なくともエフェクトの配置などで戸惑うことは少ないと思います」(まさこ2号さん)
その他の使用機材・ソフトデータはこちら
・DJソフト:rekordbox、Serato DJ Pro、Traktor DJ
・オーディオインターフェース:MOTU M4、XENYX 1204USB、MOTU Ultralite mk5
・DJミキサー:DJM-800
・モニターヘッドホン:ATH-M50x、HDJ-X7、HD650
・モニタースピーカー:S-DJ05
・マイク:AT-X11、C520
オンラインで配信するVR DJでも、よりよい音を求めて、またループバックを駆使して音をまとめるためにオーディオインターフェースを使う方が多いのも興味深い!
僕個人は主にDDJ-RRを使っていますが、小型なDJ Control Starlightでちまっとプレイするのも楽しい感じ。みなさんも自分の環境にあったサイズ・機能のDJコントローラを選び出し、VRの世界でDJデビューしてみましょう!