ものすごく大胆な鼻のほじり方です。
アーイアイ、アーイアイ、おサルさんだよ〜のアイアイって、歌からするとかわいいおサルのイメージですが、実際は目がギョロっとしていて、細くて、指なんかめちゃくちゃ長くて、結構ギョッとする容貌(アイアイ、ごめんね)なんですよね。そんなアイアイが、鼻くそほじってそれを食べてる姿が映像で捉えられました!
アメリカ・ノースカロライナ州のデューク大学の希少サル保護施設にいる「Kali」と名付けられたアイアイ。ながーい3番目の指をごっそり全部鼻の穴につっこみます。そんなに長いの突っ込んだら脳みそまで貫通しそうでめちゃくちゃ心配になるんですけど…。Kaliは「慣れてるんで」と言わんばかりに、お構いなしに鼻をホジホジします。するとドローンと鼻くそが出てきました。
アイアイが鼻をほじくっている映像は世界初
この衝撃的な映像はジャーナル誌「Zoology」に発表され、科学者たちがアイアイが鼻をほじって鼻くそを食べたことについて(大真面目に)調査したのです。アイアイの手は前肢の41%をも占めているほど大きく、長い指はもともと木の中にいる幼虫などを「ほじる」ためにああいう形をしているそうです。片手に6本の指があって、3本は普通の指、1本は親指、3番目と4番目の指はめちゃくちゃ長い構造になっています。
最初映像を見た時、鼻ホジホジに衝撃を受けてしまいました。アイアイは本当にアイコン的な動物なので、もうすでに鼻をほじる姿を捉えられていてもおかしくないはずなのに、今回が初めてだったのです。
と話すのはこの研究の著者であり、ロンドンの自然史博物館で働くRoberto Portela Miguezさん。
指は喉の後ろ側まで到達
研究チームはアイアイのCTスキャンをしたところ、鼻の穴につっこまれた3番目の指はなんとぐるっと回って喉の後ろ側まで入っちゃっていることがわかりました。でもKaliがなぜ、鼻に指を突っ込んで鼻くそを取って、しかもそれを食べたのかは不明。おそらく、鼻がムズムズしていた、鼻くそから水分を摂取した、もしくは歯につくバクテリアを殺菌するために鼻くそを口につけたなどが考えられるそうです。研究チームによると、霊長類で、特に手が器用な種は鼻をほじって鼻くそを食べる傾向にある、とのこと。子どものとき、クラスに鼻くそ食べてる同級生がいたので、手の器用な霊長類に、人間も含まれていることは確かです。
現在アイアイは、木材採取などによる生息地の減少や狩猟によって生息数は減少し絶滅危惧種となっています。