ついにGitHubのコードで学習したAI「GitHub Copilot」が集団訴訟に直面

GIGAZINE



GitHubのコードで学習したAIを用いたコード補完サービス「GitHub Copilot」のライセンスに関する問題で、GitHubとその親会社であるMicrosoft、開発に携わったOpenAIの3社に対する集団訴訟が提起されました。AIが学習したものを生成するサービスにまつわる訴訟は、これが初とされています。

GitHub Copilot litigation · Joseph Saveri Law Firm & Matthew Butterick
https://githubcopilotlitigation.com/

Joseph Saveri Law Firm and Matthew Butterick File Class-Action Lawsuit Against GitHub, Microsoft, and OpenAI Over Violations of Open-Source Licenses Arising From GitHub Copilot, an AI-based product
https://www.prnewswire.com/news-releases/joseph-saveri-law-firm-and-matthew-butterick-file-class-action-lawsuit-against-github-microsoft-and-openai-over-violations-of-open-source-licenses-arising-from-github-copilot-an-ai-based-product-301668255.html

Class-action lawsuit filed against Microsoft’s GitHub Copilot for software piracy – Neowin
https://www.neowin.net/news/class-action-lawsuit-filed-against-microsofts-github-copilot-for-software-piracy/

アメリカのプログラマーであり弁護士でもあるマシュー・バターリック氏は2022年11月3日に、「GitHubがOpenAIと協力して作ったAIベースのコーディング製品『GitHub Copilot』は、オープンソースライセンスの条件に違反することによって、オープンソースプログラマーの仕事から利益を得ています」と述べて、GitHubらを提訴したことを発表しました。訴訟は、カリフォルニア州とニューヨーク州にオフィスを構えるJoseph Saveri法律事務所が主導します。


2021年6月に発表され、2022年6月に月額10ドル(約1480円)または年額100ドル(約1万4800円)でリリースされたGitHub Copilotは、コードを書き始めるとその続きを補完してくれるサービスです。また、「Take an average of the numbers in this list(このリストの数値の平均をとる)」といった簡単なプロンプトを入力するだけで、その指示を実行できるコードを自動で出力する機能もあります。

しかし、ライセンスで保護されたコードを学習して有料サービスとして提供しているGitHub Copilotは、発表当初から「著作権を侵害しているのではないか」と物議を醸していたほか、実際に「著作権で保護されたコードを出力している」と指摘する声もあがっています。

そのため、バターリック氏はかねてから「GitHub Copilotはオープンソースコミュニティを破壊する危険性をはらんでいる」と訴えていました。

コード補完AIのGitHub Copilotは著作権問題に加え「オープンソースコミュニティを破壊する危険性」がある – GIGAZINE


そして、訴訟に関する準備と情報収集を進めてきたバターリック氏は今回、オープンソースプログラマーを代表しての集団訴訟に踏み切りました。この訴訟でバターリック氏が特に問題視しているのが、GitHub Copilotがオープンソースのコードのライセンスを無視している点です。

カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出された(PDFファイル)訴状の中で原告のバターリック氏らは、「被告であるGitHubらは、帰属表示や著作権表示、ライセンス条項をコードから削除しました。これにより、被告は元となったコードを匿名化して、あたかもCopilotによって作成されたかのようにユーザーに配布しています」と非難。これらの行為がGitHub自身のポリシーやカリフォルニア州法、著作権管理情報の削除を禁じているデジタルミレニアム著作権法(DMCA)第1202条などを始めとするさまざまな規則や法律に違反しているとの見方を示しています。

また、バターリック氏は発表の中で「私たちが知る限り、これはAIシステムのトレーニングと出力に異議を唱える、アメリカで最初の訴訟です。しかし、これが最後ではありません。AIシステムと言えど法律の対象外ではないので、それを作り、運用する者は説明責任を果たさなければなりません」と述べました。

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