iPhoneに標準搭載されているメッセージングアプリ「iMessage」においては、「iPhoneから送信されたメッセージ」と「それ以外の端末から送信されたメッセージ」は色分けされて表示されるようになっています。前者は青地に白、後者は緑地に白で文字が表示されますが、緑地に白というコントラストは非常に読みにくく、UXデザイナーのアレン・スー氏が「Appleは意図的に読みにくくしている」と非難しています。
One trick Apple uses to make you think green bubbles are “gross” | UX Collective
https://uxdesign.cc/how-apple-makes-you-think-green-bubbles-gross-e03b52b12fed
スー氏は「決して緑色が読みにくいわけではない」と前置きし、「緑地に白抜き」というコントラストかつ、Appleが選んだ薄い緑色こそが最悪の視認性だと強調。ウェブコンテンツを障害のある人に使いやすいようにするためのガイドライン「Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)」のテストにかけてみても、iPhoneに表示される緑色は青色に比べて非常に低いスコアとなることが分かります。このスコアは、アクセシビリティテストに「不合格」と見なされ、特に視覚障害のあるユーザーにとっては影響があるとスー氏は指摘します。
スー氏は「色のコントラストは読みやすさに影響するため重要で、メッセージングアプリでは読みやすさがすべてです。濃い青のおかげで、iMessageのユーザーは他のiMessageのユーザーとやりとりするときに良い経験をし、Androidのユーザーとやりとりするときは悪い経験をすることになります」と述べ、色の違いがユーザー体験の違いに直結していると考察しました。
iPhoneは若い世代のユーザーに人気ですが、特にアメリカの若者の間で「バブルが緑であること」を理由にいじめなどの問題が発生していることも伝えられています。
「Appleの膨大なデザインリソースと才能を考えると、AppleがユーザーをiMessageに固執させるために、Androidのメッセージを読むのに手間取るような緑色を意図的に選んだことは偶然ではないでしょう」とスー氏は指摘。「AppleはiMessageのような素晴らしい製品とサービスを構築しており、それらを自社のユーザー専用にすることはビジネス的に理にかなっています。とはいえ、アクセシビリティは優れたデザインの基本的な柱であるため、アクセシビリティを決して犠牲にしないというのは、デザイナーにとってほぼ普遍的なルールです」と述べ、現状に疑問を呈しました。
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