美容プラットフォーム「LIPS」を運営するAppBrewは10月4日、エコノミクスデザインのレーティング方式設計の専門家と、LIPSにおける商品の新たな評価点数のアルゴリズムを開発したと発表した。
AppBrewとエコノミクスデザインが商品評価点数のアルゴリズムを共同開発
LIPSでは、以前より研究論文などの調査を通じて算出方法の見直しや更新を行い、商品のより有用な評価点数への改善や、悪意のある意図的な点数操作の防止に努めてきた。新たに、ユーザーから投稿された300万件以上のクチコミと商品評価をもとに、エコノミクスデザインと新たな商品の評価点数に関する算出方法を設計・開発した。
レーティング方式の設計における権威である慶應義塾大学経済学部教授の坂井豊貴氏と駒澤大学経済学部専任講師・河田陽向氏による学知を生かし、課題となっていた評価の偏りの解消しながら、より信頼性・公平性が高い商品評価指標の提供を目指したという。
同社の調査によれば、クチコミを参考にする女性は約9割という
具体的には、クチコミの投稿には「試供品」「提供品/提供元」の情報を必須項目とし、ハッシュタグで関係性の明示を義務付けた。
試供品は高い評価が付けられやすい傾向にあるため、ダイレクトに全体の評価点数に影響を及ぼすことがないように再度設計を見直すことで、公平かつ信頼できる評価点数を目指したという。
また、同じ星4であっても、人によって評価の基準は異なる。その点数がポジティブな評価なのか、ネガティブな評価なのかを相対的に考慮し、ユーザーごとの評価の偏りを取り除き、評価基準をそろえることでその商品の善しあしを比較できるようにした。
クチコミ総数が少ない場合も評価に偏りが見られていたが、どの程度クチコミ数があれば信頼でき、何点程度であれば納得できるのかをユーザーを対象に調査。クチコミ数に対応する評価の信頼度を加算することで、ユーザーの納得度が高くなる評価点数を目指したという。
今回の対応により、LIPSにクチコミが掲載されている化粧・美容製品を取り扱うブランド・メーカーにとっても、偏った不利益変更の可能性(プラットフォームリスク)の縮小につながるとしている。
同社は、行動方針のひとつである「USER FIRST(何かを決める時は、ユーザーの合理性を最優先する)」に基づき、商品選びのひとつの軸として、ユーザーの意思決定に役立つ、信頼性・公平性の高い商品評価指標の提供を目指している。今後も、エコノミクスデザインによる定期監査を実施することで、信頼性・公平性の担保を高めていく。
あわせて、ユーザーの商品選択の意思決定に役立つ情報を整理・提供するためのサービス改善にも継続的に取り組む。
LIPSは、2017年1月にサービスをスタートした。リリースより5年目を迎え、新たに「なりたい自分を、もっと自由に」をコンセプトに、性別・世代を問わず メイクや美容を通じて個々人の「幸せ」や「なりたい姿」を自由に追求できるプラットフォームを目指すとしている。