1泊2日の人間ドックで贅沢しすぎてゴメンなさい

デイリーポータルZ

年齢があがったことで、健康診断の検査項目が増えていく。
そしていよいよ、宿泊を伴う人間ドックを受けるような年齢になった。

会社が提携する病院が入っている宿泊施設から自由に選べるようだ。
そしたら驚いた。

なんと、「ホテルニューオータニ」があるじゃないか!

せっかくなので堪能しちゃいましょう。

人間ドック、はじめての1泊コース

日帰り人間ドックは経験してきたが、1泊するのは初めてだ。
今の会社では、ある年齢に達すると1泊コースを受けることになっている。

宿泊施設の候補はいくつかあり、都合のよい所を選んでいい。
その候補の中にホテルニューオータニがあったのだ。

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人間ドックを受けることよりもホテルについて気になりすぎる

今回選んだホテルニューオータニは、東京オリンピックのあった1964年に国際ホテルとして開業した。帝国ホテル、ホテルオークラとともに、ホテルの「御三家」と称される。(Wikipediaより)

国際ホテルなだけあって、ホテルに入ってみると利用者の半数が外国人客のようだった。
人間ドックをうけにきたのを忘れるくらい興奮する。

日帰り人間ドックと1泊コースの違い

ホテルニューオータニの中には飲食店やブティックがたくさん入っている。
複合施設なのだ。

そしてそのなかに、人間ドックや健康診断に特化したクリニックが入っていて、今回はそちらにお世話になった。(ちなみに調べたらホテル内にクリニックは3つも入っていた)

1泊コースでは、通常の健康診断で受けたことがない以下のようなメニューがあった。
・頸動脈エコー(1日目)
・糖負荷試験(1日目)
・物忘れ検査(1日目)
・MRI(2日目)
・MRA(2日目)

特に糖尿病診断のための糖負荷試験は印象的だった。
トレーランという甘いサイダーを一気に飲み、時間を置きながら3回採血するというものだ。通常の血液検査を含め、この日は合計4回採血した。

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1日目の受診が終わると、ランチチケットをもらった。

8時半にクリニックに入り、色々検査を受けてお昼すぎには終了。
検査項目が多いため一番最後の受診者だった。

帰り際、ホテルニューオータニ内の飲食店のうち、いくつかのお店で使えるランチチケットをもらった。1300円分まで使えるという。

ホテル内を散策しながら、どのお店が良いかと悩んだ。それと同時に広すぎて迷った。

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ガーデンコートのビル

ホテルニューオータニは、大きく3つの建物で構成されている。
ガーデンコート、ガーデンタワー、ザ・メインの3つだ。

ホテルニューオータニがある辺りは坂の傾斜がすごく、ザ・メインが一番高い土地にあるため、ガーデンコートとガーデンタワーの6階が、ザ・メインのロビー階となる。

これが最初よく分からなくて迷いに迷った。

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日本庭園(ガーデンタワー)からのザ・メイン
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東京のオフィス街のど真ん中で京都を感じました。

ランチが美味しくてゴメンなさい

暇なのでひととおりランチチケットに載っているお店をまわり吟味した。
中にはランチタイムであっても、ランチチケットが3枚以上ないとなにも食べられないようなレストランもあった。さすがだぜ…

吟味した結果、歴代首相をはじめ、各界の著名人・有名人が通うという「ふみぜん」というとんかつ屋さんで食べた。
検査のためすきっ腹だったのもあり、最高に美味しかった。

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チーズメンチかつ膳(1400円)。ランチチケットに自腹で100円足した。
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食べる前から旨いが確定してる!

部屋がラグジュアリーでゴメンなさい

歴代首相と同じ食事をした後、チェックインができる時間になったのでフロントに向かってみると、同じくすぐにチェックインしたい人たちで激込みだった。
どこかで時間をつぶすことにしよう。

近くに日本庭園を一望できるゴージャスなカフェがあるが、コーヒーが1600円からというおそろしい設定だったので諦めた。

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近くの休憩スペースで待っていたらいつの間にか30分ほど寝ていた。隣ではビジネスマンが英語でリモート会議をしていた。

目覚めたあと、もう一度フロントに行くと割とすんなり鍵がもらえた。

ぜったいに低層階の部屋だろうときめつけていたのだが、案内されたのは34階。最上階は40階なので、かなりいいんじゃないか。

そして、部屋に入ってみるとツインルームであった。

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握りやすくて可愛らしい鍵
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スタンダードツイン。ジャパニーズモダンなお部屋です!

見ての通り、とても素敵な部屋である。
ホテルニューオータニの中ではスタンダードであっても、私にとってはスペシャル。
人間ドックがスペシャルなのは分かるが、宿泊もこんなにスペシャルだとは思わなかった。ついソワソワしてしまう。

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設備チェック!

昨年、1万円で品川プリンスホテルに泊まった記事でも書いたが、庶民が高級ホテルの部屋でできることといえば、設備チェックである。

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葛飾北斎の晩年の絵が飾られている。(ウソです、適当です)
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使い捨てスリッパがフカフカだ~!
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クローゼットの中に傘があった! これはかなり嬉しい配慮。
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床や壁など良い材質を使っていそうなバスルーム。
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素敵なアメニティ!これがどれもいい香りなのだ。
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バスソルトがある!薔薇とヒノキの香りの2つ。
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机には絵はがきが。右端のはペンだと思ったら携帯用の除菌スプレー。気が利いてるなあ。
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カウンターデスクの引き出しにはエスプレッソマシン用のカプセル。3種類を飲み比べできる!

ビジネスホテルではスティックタイプのインスタントコーヒーか、ロビーにあるコーヒーマシンで淹れるタイプがよくある。

ホテルニューオータニではエスプレッソマシンが部屋に置かれており、カプセルから抽出したコーヒーを楽しむことができるのだ。なんだかオシャレ!

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マシンに慣れてないので手こずりながら抽出。

これがもう、驚くほどいい香り!
これまで飲んできたこれ系のコーヒーで一番美味しく感じた。

カプセルのそれぞれの抽出量や味わいの強さなどがしっかりと説明書きされているので、違いも楽しめる。

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トウキョウ・ヴィヴァルト・ルンゴと、イスピラツィオーネ・フイレンツェ・アルペジオ・デカフェを飲み比べ。一生覚えられない名前のコーヒーたち。
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ホテルからは、眼下に高速道路、そして遠くに東京タワーが見えた
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最高ですなあ

さて、部屋を堪能しているうちに外はすっかり暗くなってきた。
明日も検査があるので、21時までには飲食を済ませないといけない。

実は夕食チケットももらっていた。こちらは指定のレストランのようだ。

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夕食が豪華なコース料理でゴメンなさい

行ってみるとそこは、ホテルニューオータニ内にあるSATSUKIという高級レストランであった。1ピース4400円のショートケーキとかあるような、おいそれとは入れないようなお店だ!

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テーブルマナーが必要なやつだ!

テーブルにつくと、コースメニューを渡されて、スープやメインディッシュ、飲み物などをそこから選択した。

ここぞとばかりにカロリーが高いものを選んだ。この世はカロリーが高いほど美味しいのだ。
体重はもう今日はかりおえたし。

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こちら、彩り和みサツキ前菜(99kcal)でございます。
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こちらは緑黄色野菜たっぷりミネストローネスープ(51kcal)
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メインディッシュはハンバーグステーキ和風(629kcal)とライス(403kcal)をチョイス。
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そしてデザートはアイスクリームとシャーベットの盛り合わせ(187kcal)とハーブティー。

善人にならねば、と誓った

会社を2日も休み、ただただ自分の体の検査をしにきただけなのに、こんな贅沢をしていいのだろうか。与えられすぎて、こわい。

だから私はこのお返しに、何か良いことをしないといけないな、と思った。
具体的にはすぐには浮かばないけれど、善人にならないとバチがあたる。ゴミが落ちていてほしい。今すぐ喜んで拾うから。

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与えられすぎてる人

1000キロカロリーを余裕でオーバーした食事を終え、大・大・大満足だった。
ワインでも飲みたい気持ちになったが、危ない! 明日も検査があるのだ。(しかも苦手なバリウム検査が残っている)

部屋に戻るまでまたちょっと散策した。

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私には到底買えないものばかりのアーケード街。閉店後なら少しくらい見てもいいだろう。
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人がいなくなったカフェ。夜もキレイだ。
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ファミリーマートまでゴージャス!(外観が)

ホテルニューオータニってこんなに立派だったんだなあ…。
名前は知っていたけど想像を軽く超えていた。

部屋に戻り、この感動をシェアしたいと編集部に手紙をしたためることにした。
 

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担当編集の安藤さんにハガキを書こう。この感動を伝えたいのだ。
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喜んでくれるだろうか。(※フルコースだったと得意げに書いていますが、西洋料理の正式なフルコースは8~11品ですのでお気をつけください)

手紙をしたためたあと、薔薇の香りのするバスソルトを入れたお風呂につかった。
お風呂から出ると自分がめちゃくちゃいい香りに包まれている。
これ貴族じゃん!と思った。

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自分から薔薇の香りがする

そのままベッドに入り、一瞬で夢の世界へと誘われていった。

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寝心地最高!

いけすかなくてゴメンなさい

翌朝。
カーテンをあけると、明るいために昨夜より存在感が薄くなった東京タワーを見た。
高速道路は相変わらず忙しそうに車たちが走っている。

景色を眺めながら大きく伸びをしたあと、檜の香りのバスソルトを入れた熱めのお風呂につかり、頭を少しずつ覚醒させていく。
8時。そろそろ時間か…着替えて人間ドックの2日目を受診した。

1時間ほどですべて受診が終わり、部屋に戻る。
これでようやく私のモーニングルーティーンであるブラックコーヒーが飲める。

残ったイスピラツィオーネ・リストレット・イタリアーノをエスプレッソマシンでいれた。
力強さとコントラストのなかに、ほのかなフルーティな香りを生み出していた。

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12時のチェックアウトまで新聞を読んだり仕事をした。
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そして今日もランチチケットをもらい、カフェラミルというお店でパスタをいただいた。誰なんだ私は。

食べてばかりいた1泊2日

こうして宿泊つきの人間ドックは終わった。

ベールに包まれていたが、まさかこんなに貴族の生活ができるとは知らなかった。
ホテルニューオータニが別格なような気がしないでもないが、できたら毎年受けたいものである。

1か月後、検査結果

夢のような2日間を過ごしてから1か月後、検査結果が届いた。
3つも引っかかっていた。
そのうち1つは精密検査が必要なようだ。

近々有休を取り、自費で受けに行こうとおもう。これが現実である。

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