エバーレーン、借入金融で9000万ドル調達:VCの出資に期待できないなかで

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エバーレーン (Everlane)は先ごろ、借入金融で9000万ドル(約129億円)を調達した。同社は2016年、自社の評価額が約2億5000万ドル(約358億円)だと発表した。直近の資金調達は、「既存の負債の借り換え、成長戦略のための流動性の増加、および取引関連の手数料と経費の支払い」に使われる。

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エバーレーン(Everlane)は先ごろ、借入金融で9000万ドル(約130億円)を調達した。

フーリハン・ローキー・アドバイザーズ(Houlihan Lokey Advisers)が9月13日に公開した情報によると、アパレルブランドであるエバーレーンの新しい資本は、「アセットベースのリボルビング融資枠(ABL Revolver)が6500万ドル(約94億円)、後入れ先出しタームローン(FILO Term Loan)が2500万ドル(約36億円)」で構成されている。同社は2020年9月、エル・キャタルトン(L. Catterton)主導で行われたシリーズFで8500万ドル(約122億円)を調達した。同社は2016年、自社の評価額が約2億5000万ドル(約358億円)だと発表した。この直近の資金調達は8月26日に終了した。

リリースによると、この新たな資金調達は、「既存の負債の借り換え、成長戦略のための流動性の増加、および取引関連の手数料と経費の支払い」に使われる。

資金調達が困難な時期

エバーレーンは2010年、D2Cアパレルの草分け的存在として創設された。商品の調達先や価格を顧客に通知する透明性の高いサプライチェーンでファンを増やした。しかし、何年かのうちに企業文化に関わる問題グリーンウォッシング(環境配慮をしているように見せかけること)の疑惑が浮上し、非難の的になった。当初オンライン専業としてスタートしたが、現在はニューヨーク、パロアルト、オースティン、シアトルなど10都市に店舗を構えている。

「エバーレーンは長期間にわたって操業しており、その真価を証明してきた」と、小売コンサルティング企業のジェーン・ハリ・アンド・アソシエイツ(Jane Hali and Associates)でCEOを務めるジェーン・ハリ氏は語った。

多くのブランドにとって、この数カ月は、特に潜在的な景気後退が迫るなか、資金調達が困難な時期だった。おもにベンチャー企業から資金調達していたブランドの多くは、借入など新しい種類の融資を探し求めている。たとえばペロトン(Peloton)は今年前半、借入で7億2000万ドル(約1030億円)を調達した

「アパレルは依然堅調だ」

景気後退以前から、多くのVC(ベンチャーキャピタル)はアパレルから別の分野に目を向けはじめていた。アパレルは利幅が少なく季節的なビジネスであるため、スケールしやすいテクノロジー系新興企業とは大きく異なるのだ。ほかの小売分野も、より受容性があるように見える。「アパレルを美容品やパーソナルケアと比べると、企業が負うリスクは天と地の開きがある」と、ウィロウグループ・パートナーズ(Willow Growth Partners)の創設者でマネージングパートナーのデボラ・ベントン氏は今年3月、米モダンリテールに語った

もちろん、エバーレーンはもはや新興企業ではないため、初期段階の企業とは必要とするものがまったく異なる。しかしハリ氏は、経済的な逆風が吹いていても、アパレルは依然として堅調だと、マスターカード(Mastercard)の最新のスペンディングパルス(SpendingPulse)調査を引用して述べた。

同氏は次のように述べている。「アパレルは依然として昨年よりも好調であり、2019年よりも確実にうまくいっている。家庭用品は打撃を受けたが、アパレルは堅調に推移してきた」。

[原文:Everlane has raised $90M in debt financing]

CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Everlane


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