フュージョンバンド・カシオペアのキーボーディストである向谷実氏が設立した音楽館開発のJR東日本公式業務用シミュレーターが、「JR東日本トレインシミュレータ(JR East Simulator)」として家庭用にリリースされました。実写映像や実際の車両から収録したリアルな走行音を体感できるとのことで、実際に遊んでみました。
JR東日本トレインシミュレータ:JR東日本
https://www.jreast.co.jp/simulator/
JR東日本トレインシミュレータを起動するとこんな感じ。記事作成時点ではアーリーアダプター版がSteamのみで配信されており、プレイできるのは京浜東北線南行きと八高線上りの2路線だけです。
操作はこんな感じ。マウスホイールかキーボードを使って操作可能。アーリーアダプター版ということで、キーコンフィグ機能がないので、プレイするには事前にこの操作方法をしっかり覚えておく必要があります
まず、京浜東北線を運転してみます。
難度は初級・中級・上級の3段階。操作ガイドの有無、運転情報の有無、駅に電車を停止させる許容範囲が難度によって変わります。今回は初級を選択。
「スタート/OK」を選択。
実際にJR東日本トレインシミュレータで京浜東北線の大宮~さいたま新都心を走ってみたところが以下のムービー。
JR東日本公式業務用シミュレーターを家庭で遊べる「JR東日本トレインシミュレータ」で京浜東北線 南行き(E233系1000番台)大宮~さいたま新都心をプレイ – YouTube
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京浜東北線は大宮~南浦和間を運転することになります。運転席に表示される情報は以下の通り。
運転席周りは「C」キーを押すことで切り替えることができます。運転台のみ表示だとこんな感じ。
運転台の表示も消すことができるので、運転席からの展望を大いに楽しむこともできます。ただし、速度計や知らせ灯なども表示されなくなるので、プレイ難度はかなり上がるといえます。
また、「V」キーを押すことで右上の運転情報表示を切り替えることもできます。
電車は駅停車中。プルルルルルという発車を知らせるブザーが鳴りますが、駅の発車メロディーは流れません。客が乗車しているのでブレーキを入れている状態で、速度計の左に表示されているメーターにブレーキレベルが示されており、画面右上の運転情報表示にもブレーキレベルが表示されています。実際に運転手が操作するマスコン部分は表示されないので、ブレーキや加速のレベルを把握するためには、運転台や運転情報表示をちゃんと見ることが大事です。
乗車が終わってドアが閉まる音が流れ、知らせ灯が点灯。
ブレーキを抜いてマスコンを5段まで入れると、右上の運転情報表示に「P5」と表示されました。なお、京浜東北線のE233系1000番代は加速とブレーキを1つのハンドルで操作します。なお、操作は基本的にブレーキと加速のみで、ドアの開け閉めやアナウンスなどの業務は操作しません。
電車はぐんぐん加速していき、速度計の数字も上がっていきます。また、加速と共にインバーターの音が少しずつ変わっていく様子を体験できます。
速度がある程度出たら、加速をゼロにしてニュートラルにします。こうすることで、慣性によってある程度速度を保った状態で進み続けます。左を見ると、線路沿いに人が歩いているのが見えました。
しかし、周囲の風景を見ているとあっという間にさいたま新都心駅に。ブレーキのタイミングをうっかり見失ってしまったため、電車は時速82kmでホームに滑り込みます。
慌ててブレーキをかけて停止しますが、電車は停止線を通り過ぎ……
なんと15mのオーバーラン。「これが現実だったら新聞やテレビでニュースになってしまうな……」と大いに反省。
しかし、このJR東日本トレインシミュレータはあくまでもゲームではなく業務用シミュレーターということで、得点計算が行われたりゲームオーバーになったりすることはなく、このままさいたま新都心から運行を続けることとなります。
走行中に流れる音は本当に電車に乗っている時に耳にする音そのもので、風景も実写だからこそのリアリティ。以下は逆向きを走る電車とすれ違ったところ。
南浦和に到着すると、「運転お疲れさまでした」という表示が出て運行終了。トップ画面に戻ります。
今度は八高線の上りをプレイしてみます。運行区間は高崎~群馬藤岡間です。
八高線のキハ110系は加速とブレーキをそれぞれ別のハンドルで操作する2ハンドル車。そのため、1ハンドルのE233系1000番代より少し運転操作が複雑になります。
というわけで、八高線で高崎から倉賀野を走ってみたところが以下。倉賀野に向かう途中で高崎操車場を通過します。
JR東日本公式鉄道運転シミュレーター「JR東日本トレインシミュレータ」で八高線 上り(キハ110系)高崎~倉賀野をプレイ – YouTube
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八高線のキハ110系の運転台はこんな感じ。
運転情報表示には、加速とブレーキのレベルが表示されています。
知らせ灯が点灯したら、ブレーキを抜いてニュートラルにしてから、加速を入れます。なお、マスコン・ブレーキ・警笛を一定以上操作しないと緊急列車停止装置(EB警報)が発動してしまいます。EB警報が発動した場合は、「E」キーを押してEBリセットをする必要があります。
少しずつ加速していきます。高崎から倉賀野の間では高崎操車場を通過。
倉賀野のホームが見えてきたので、マスコンを下げて加速をゼロにし、減速の準備をします。
しかし、間に合わずに164cmのオーバーラン。それでも15mもオーバーランしてしまったのに比べると、成長したといえるかも。
八高線は京浜東北線と比べると車窓からの風景がずいぶん異なります。
時には鉄橋を渡ることも。鉄橋に差し掛かると走行音がゴトトンゴトトンと変わります。
また、カーブでは車体が傾き、車輪がレールとこすれてきしむ音も響きます。
実際にプレイしてみると、ゲームというよりはシンプルなシミュレーターという印象。基本的な操作は加速と減速のみですが、運転台の計器とにらめっこしながらタイミングをはかる必要があります。しかし、「自分が実際に電車に乗っていた時にどれだけのスピードが出てたかな?」ということも思い出しながら何度も運行をこなすことで、ちょっとずつ停止位置のズレが小さくなっていくのは達成感があります。
記事作成時点ではアーリーアダプター版ということで京浜東北線と八高線のみですが、将来的にはダウンロードコンテンツでプレイできる路線も増えるとのこと。また、必要最低限の機能しか搭載されていないので、キーコンフィグ機能や外付けコントローラーへの対応、マスコン・ブレーキ部分の表示などにも期待したいところ。JR東日本トレインシミュレータは税込980円で、Steamでダウンロード購入が可能です。
Steam パブリッシャー: East Japan Railway Company
https://store.steampowered.com/publisher/jr-east
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