アーティスト、 TikToker とのコラボレーション強化へ:ドイツのフットウェアブランド、バッファローの米国進出計画

DIGIDAY

1979年にローンチし、レイヴカルチャーに育まれてきたドイツのフットウェアブランド、バッファロー(Buffalo)が、米国市場に焦点を定めている。

同社は、サブカルチャーやアーティストを重視したクリエイティブディレクションを導入するとともに、地域的な成長と拡大を目指すべく小売拠点やマーケットプレイスにも力を入れる予定だ。

トップクラスのインフルエンサーは現代アーティスト

バッファローは販売数を公表していないが、特に米国とアジアで力強い成長を示していると述べている。9月上旬のニューヨークファッションウィークではポップアップラウンジを開催し、8月はニューヨークのソーホーにあるスタジオ、ブラックスタリオン・トレーディング(Black Stallion Trading)を拠点に、アート基金プロジェクトであるバッファロースタジオ(Buffalo Studio)を立ち上げている。同ブランドは米国のアートシーンとつながることに期待を寄せており、この基金では毎月異なるアーティストの作品を展示している。「まずはトップクラスのインフルエンサーのグループから始めたい。私たちにとって、それは現代アーティストのことだ」と、バッファローのCMOルース・グルカ氏は言う。

「パンデミックの前に(米国で)ファッションショーと従来のマーケティングを実際に行っているが、Covidのためにいったん保留にしなくてはならなかった」と彼女は述べた。現在グルカ氏は、アートの世界におけるバッファローが、エクストリームスポーツや音楽の世界におけるレッドブル(Redbull)のようなアウェアネスを確立することを望んでいる。

バッファローは特に米国の高めの年齢層を重視している。「私たちは、この靴とともに育ち、この靴を愛してきた人々——年齢は高めで、よりエッジの効いたミレニアル世代のオーディエンスを取り込みたい」とグルカ氏は語った。

アーティストとのコラボで社会問題をサポート

当初、バッファローは、メキシコのカウボーイブーツをドイツ市場に販売するブーツ会社としてドイツで設立されたが、すぐによりスポーツにインスパイアされたシューズを作るようになった。1995年に発売したスニーカー「クラシックス(Classics)」と「クラウドソール(Cloud Sole)」は、シェール氏、マドンナ氏、イン・シンク、スパイス・ガールズといったミュージシャンらが着用し、瞬く間に人気となった。バレンシアガ(Balenciaga)のトリプルS(Triple S.)のような新しいカルトスニーカーにインスピレーションを与えたと言ってもいいだろう。今日では、ビリー・アイリッシュ氏やベラ・ハディッド氏がバッファローのスニーカースタイルを着用している。

195ドル(約2万8000円)~275ドル(約3万9000円)で販売されているバッファローの靴は、2018年以降はファーフェッチ(Farfetch)、ルイーザ・ヴィア・ローマ(Luisa via Roma)、オープニングセレモニー(Opening Ceremony)などの米国のオンラインショップで購入できるようになっている。2021年のバッファローCOOミルコ・オステンドアファー氏のインタビューによると、同社のオンライン売上は事業の約17%を占めている。それを今後3年間で30%に成長させる計画だ。バッファローはまた、ライセンスビジネスをサングラス、バッグ、アクセサリー、フレグランス、衣料品に拡大する予定である。

「このブランドは、芸術分野のこうしたサブカルチャーを賞賛するものだ」とグルカ氏。「(バッファロー)スタジオの全体的なアイデアは、私たちがアーティストに靴を提供し、アーティストがその靴からインスピレーションを得て、文章や彫刻、あるいは何かデジタルなものでも構わないが、作品を制作するというものだ」。そして、その作品はさまざまなチャリティーオークションにかけられる。同ブランドは、女性問題やLGBTQ+の権利など、米国の社会問題に関連することをサポートしたいと考えている。

アンダーグラウンドのTikTokerとのパートナーシップ

今後のブランドのマーケティングミックスでは、フリーズ(Frieze)、ジ・アーモリー(The Armory)、アートバーゼル(Art Basel)といった従来のアートエキシビションで存在感を示すとともに、作家、監督、TikTokスターとのパートナーシップを予定している。「フォロワーは300人しかいないが、すばしいコンテンツを作っているアンダーグラウンドのTikTokスターを見つけることができる。私にとって、そうした人たちがアーティストだ」とグルカ氏は語った。同ブランドは、年内にバッファロースタジオのインスタグラムとTikTokの専用チャンネルを開設する予定だ。さらにグルカ氏は、バッファローはファッションハウスとのコラボレーションを継続していくと述べた。これまで同社は2018年にジュンヤ・ワタナベ(Junya Watanabe)、2019年にヴィヴィアン・ウェストウッド(Vivienne Westwood)と提携している。

「小売の面では排他性を投影し、ブランドのヘリテージな側面を活かしたライフスタイルショップのなかでブランドを位置づけたいと考えている。そして、ニューヨークのショールームを私たちのコミュニティのためのアクティブな空間へと引き続き変えていきたい」。

[原文:Artists, TikTokers and collabs: Inside German footwear brand Buffalo’s US expansion plans]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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