iPhoneの液晶と有機ELを比較|メリット・デメリットは?

GIZMODO

ライフハッカー[日本版]2021年10月22日掲載の記事より転載。記事中の情報は掲載時点でのものです。

iPhoneのディスプレイは申し分なく見えますが、それ以上、何を知る必要があるでしょう?

でも、オタクでなくてもiPhoneのディスプレイを気にしていいのです。

実際、自分のiPhoneがどのディスプレイを搭載しているかわかっていない人は、その素晴らしい特徴を見逃している可能性があります。

LCD(液晶ディスプレイ)とは?

基本から始めましょう。

iPhoneのディスプレイは、基本的に2種類あります。

1つは「LCD」、「liquid-crystal display(液晶ディスプレイ)」のことです。

説明を簡単にするために(かなりの簡略化ですが)、LCDを機能させるコンポーネントの2つを見てみましょう。

1つ目はピクセル(画素)です。

これが画面上に表示される色を決定します。

各ピクセルには、3つのサブピクセルがあります。赤が1つ、緑が1つ、青が1つです。

それぞれが強さを変えて色を表現します。その色の組み合わせで、あなたがInstagramをスクロールしたり、YouTubeの動画を見たり、写真を見たりするときに表れる画像がつくられるのです。

LCDで使われている2つ目のコンポーネントは、バックライトです。バックライトはピクセルの後ろにあるパネルで、後ろから光を当てて、あなたが見るものを表示してくれます。

あなたがディスプレイの明るさを変えるときは、実はそのバックライトを調整しています。

バックライトはディスプレイ全体をカバーしています。1つの電球のようなものだと思ってください。電球の一部分を明るく、別の部分を暗くすることはできないのです。

OLED(有機ELディスプレイ)とは?

iPhoneのディスプレイのもう1つのタイプは「OLED」です。「OLED」は「organic light-emitting diode(有機発光ダイオード)」の略です。

LCDとOLEDのディスプレイの主な違いは、OLEDパネルにはバックライトがないことです。その代わりに、ピクセル自体が発光します。これには大きなメリットがあります。1つには、より精密な画像が得られること。

というのも、周りのすべてのピクセルも一緒に照らすバックライトを必要とせず、各ピクセルが独立しているからです。

よく話題になっているので、すでに耳にしているかもしれませんが、OLEDの最大のメリットは、ピクセル自体をオフにできるため、明るい画像と暗い画像のコントラストが際立っていることです。

それぞれのタイプのディスプレイがどう機能しているかをしっかり見たい人は、ディスプレイを分解した「iFixit」による素晴らしい動画があるのでご覧ください。

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OLEDのメリット

OLEDがなぜ素晴らしいのか、例をあげましょう。スマートフォンで映画を見ているとします。暗い場面になると、ディスプレイの暗い部分は文字通りオフになります。

夜空は完全に黒くなります。映画がワイドスクリーンあるいは4:3の画面の場合、画面の上下あるいは左右に出る帯の部分は、さっと真っ暗になります。

そのため、暗い部屋で見ている場合は特に、画像がとても美しく見えるのです。

私がとりわけ「有機EL(OLED)テレビ」を愛しているのは、こうしたメリットがあるためです。画像は美しく、真っ暗な部屋で見ているときは黒帯(レターボックス)の部分がすっと消えます。

スクリーンの中の見るべき部分だけが見えるのです(スーパーワイドスクリーンでも、昔のフォーマットの画面でも同じです)。

iPhoneに関しては、LCDとOLEDそれぞれの機種のディスプレイに黒い画像を表示して比較すると、その違いは一目瞭然です。

OLEDのiPhoneは、電源をオフにしたように見えます。LCDのiPhoneも暗く見えますが、ディスプレイには光が当たっているのです。

OLEDのピクセルはオフになるので、バッテリーの寿命に大変大きな影響があります。ダークモードを使うだけでiPhoneのバッテリーを節約。

黒い背景を使うダークモードなら、特に効果があります(グレーの背景ではピクセルはオフになりません。バッテリーがひとつひとつのピクセルにパワーを使わないようにするには、ピクセルは真っ黒でなければならないのです)。

OLEDのデメリットは?

以前から、OLEDディスプレイの主な不具合は「焼き付き」です。

焼き付きは、残念ながら、有機EL(OLED)テレビで多く見られる現象です。長時間使用したあと、静止画像の「影」が画面にずっと残ってしまうことがあるのです。

例えば、テロップやニュースティッカー、テレビ局のロゴなどの輪郭が、テレビの画面上に常に見えることも。

とはいえ、AppleはOLED搭載のiPhoneで焼き付きが起こらないようにうまく対策しており、こうした端末での焼き付きの苦情は多くありません。

OLEDを搭載した初めてのiPhoneである「X」は、2017年から市場に出ていますが、これまで4年間、焼き付きが大きな問題になったことはありません。

つまり焼き付きが心配だからといって、わざわざLCDのiPhoneを選ぶ必要はないのです。

あなたのiPhoneのディスプレイはどちら?

以下は、iPhoneを、ディスプレイのタイプ別にまとめたものです。かなり古い機種もありますが、今も使っている人がいるなら、ぜひ教えてほしいものです。

特記すべき点は、LCDディスプレイを搭載した新機種はないということです。

Appleが製造した最後のLCDモデルは、2020年のiPhone SEで、iPhone 11とそれ以前の機種もLCDです。iPhone 12、iPhone 13の全ラインナップは、OLEDディスプレイを搭載しています。

LCDディスプレイ搭載機種

iPhone(2007年)、iPhone 3G、iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5、iPhone 5C、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6S、iPhone 6S Plus、iPhone SE(第1世代)、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone XR、iPhone 11、iPhone SE (第2世代)

OLEDディスプレイ搭載機種

iPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max、iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max

Source: YouTube

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