地名の由来をさがす(デジタルリマスター)

デイリーポータルZ

これは「代々木」

ものごとのルーツを辿るのは楽しい。

そして、身近な町の名前の由来を知るのも、そんな楽しみのひとつだと思う。

赤坂ってどこの坂なのか。
代々木ってどんな木なのか。

ただ知識として知るだけじゃなくて、じっさいにこの目で見てみたいとも思う。そして、ふだん見ているこの木が六本木だったのか!と感動したい。

いろいろ見てきました。

2006年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

赤坂

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まずは赤坂だ。 

テレビ局とか料亭とかはあるけれど、赤坂という名前の坂は聞いたことがない。いったいどこの坂のことなのか?

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しらべてみたところ、有力なのはここだった。

赤坂見附の交差点から四谷方面にのぼる迎賓館わきの坂(紀伊国坂)が、赤坂の由来といわれているらしい(他にも諸説あり)。

なるほど。この坂が赤坂だったのか。見てみると確かに赤いし。

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坂の中腹には「紀伊国坂」と書かれた杭が立っている。側面には「赤坂の起源とする説がある」ということもちゃんと書いてある。

なんで「赤」かということについては、土が赤かったからとか、いろいろな説が言われているらしい。とはいえ、今回の目的は地名の由来となる場所を見てみたい、というだけなので、由来そのものについてはあまりこだわらない。

舗装が赤いから、でもいいくらいだ。

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代々木

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代々木といって最初に思い浮かぶのはJR代々木駅だ。つぎにゼミナール。そして体育館。 

でも、代々「木」というからには、やっぱり木なわけで、どこかに生えているのちがいない。探したところ、上の写真のとおり、明治神宮御苑の中に代々木は立っていた。→地図

 

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事前の調査では、代々木は昔の旅人が目印にしたくらいの巨木だったということだった。今でいうと東京タワーみたいな感じだろうか。

と思いながら見に行ったところ、実物はじつは周りの木よりも低いくらいで、ちょっと拍子抜けしてしまった。どうやら最近(といっても数十年前)植え替えたものらしい。

どうかがんばって第二東京タワーよりも高くなるぐらいに伸びてほしいものです

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三軒茶屋

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写真は東京都世田谷区三軒茶屋の駅前のようす。

ここにむかし三軒の茶屋が並んでいたということは、ぼくも知識として知っていた。ただ、そのうちの一軒がいまでもお店を構えているということは知らなかった。

三軒の茶屋はそれぞれどの辺にあたるのか、じっさいに探してみることにしましょう。

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そばの交番で三軒の茶屋についてたずねたところ、ああそれなら、といってすぐ目の前の看板に案内された。ちょっと恥ずかしい。

現在地のすぐそばに田中屋、信楽屋、角屋と固まっていたらしい。古い地図と今の地図を見比べながら、一軒ずつ回ってみることにしよう。

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1軒め。田中屋さんは変わらず同じ場所にあった。すごい。

ただ、いまでは陶芸屋を営んでいらっしゃるらしい。さすがに茶屋ひとすじで現代まで営業するのは難しいのでしょう。

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2軒め。

道の又にあった信楽屋さんの場所はいまではカラオケ屋さんになっていて、

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3軒めの角屋さんの場所は、写真屋とパチンコ屋が並んでいた。

つまり、次のようなことになるだろうか。

・むかし→ 茶屋×3
・いま→ 陶芸、カラオケ、写真、パチンコ、各×1

「~になるだろうか」とか書くと、まとめみたいな感じがしていいなと思います。

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秋葉原

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秋葉原。

今ではいろいろな分野の聖地になっている。電子部品から地下アイドルまで。どんな関連があるのかは謎です。

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それはいいとして、秋葉原の地名としてのルーツは、台東区松が谷の秋葉(あきば)神社にあるらしい。

秋葉神社は昔は現在の秋葉原駅の付近にあり、そのためにそのあたりが秋葉原(あきばはら)と呼ばれたということらしい。秋葉原を略してアキバと呼ぶのは実に正しいことだったわけか。

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霞が関

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つぎは、霞が関。

霞が関といえば、財務省とか文部科学省とか、とにかく省庁のあつまっているところ。

でもとりあえず名前に「関」がついているということは、昔は関所があったんでしょう。関所跡とか、残ってないかな。

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江戸時代の地図が載った本を買ってきて、ちょっと調べてみた。

すると、いまの国土交通省のあたり、昔でいうと松平安芸守さんと美濃守さんちの間の通りが霞ヶ関とよばれていて、中世にはじっさいに関所があったらしい。

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そしてここが昔の霞ヶ関。

ついに見つけたのはいいのだけど、ここってそもそも現在でも霞が関坂という名前がついてる。あほみたいに江戸の地図なんか買わないで、現代の地図を見ろっていう話だ。はずかしー。

ちなみに関所の跡はみじんもありませんでした。

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溜池

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溜池は、特許庁とか溜池山王駅のあるあたり。

首相官邸とか赤坂から下る谷の底になっていて、江戸時代は上の写真のとおり本当に池になっていた(青いところ)。

ただしこのあたり、昔は、じゃなくて今でもたまに池になるんです。

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まずはこの写真をご覧あれ。

これは、前のページの特許庁のあたりの路地を撮ったもの。そして同じ場所が……

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ドーン。

大雨の日にはこうなる(6年前の集中豪雨のときの写真を知人に借りたものです)。

きっと、江戸時代といわず、もっと昔からこの辺り一帯は水が溜まりやすい土地だったんでしょう。こんなふうに、地名を見ると、その土地の素性がちょっと分かったりすることがもあるのも、また興味ぶかいところですね。

当たり前のことをさも意味ありげに言ってみました。

まとめ

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今回取り上げたものの他にも、

・首都高の出入り口のある「用賀」はヨガの道場があったことから。
・新宿の「歌舞伎町」は歌舞伎座を誘致しようと(でも失敗)したことから。

など、興味深い由来を持つ地名はいくらでも見つかる。
一方で、「六本木ってどこの木なのか」等、諸説あって由来がさっぱり分からないものもまた多い(六本木に六本とも登りたかった)。

由来がある程度分かっているものについては、上の写真のようにその説明板が置いてあったりすることがあるので、たまーに読んでみると面白いかも、などと思います。

なお、飯田橋や新橋など、橋を名前にもつ地名の由来については、「その橋はどこにあるのか?」をぜひご覧ください。

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