知ってはいるけど食べたことがないもの、あるいは存在自体初めて知ったもの。
「子メロンの漬物」から「もこ」まで、初めて食べた感想を集めました。
まだ食べたことがないものを食べる
こんにちは、編集部 石川です。
当サイトで7月にヒットした記事がこちら。
コンビニに急に現れた、知らん食べ物「トゥンカロン」。ライターのべつやくさんがその正体を知るべく、買い集めて食べてみる記事。
トゥンカロンほど急に出てきたものばかりではありませんが、そういえば世の中には食べたことがないものがたくさんあります。
この記事では、ライターに何でもいいからまだ食べたことがないものを食べてもらい、乾燥を教えてもらいました。
子メロンの漬物
食べた人:
とりもちうずら
友人が「子メロンの漬物が好き」と言い、何それ!?と場が少しざわつきました。「子メロン」というワードのおしゃれさと、「漬物」という渋さが合わさって、なんかかっこいい食べ物のような気がします。
ぜひそれを食べてみたい、なんならそれを好きな食べ物だと言いたいと思うも全然売っておらず、1年経ちました。ついに友人がパーキングで発見してくれたので一緒に食べることに。
勝手に野球ボールぐらいあると思っていましたが、意外と小さくピンポン玉大くらい。味は、歯ごたえのあるきゅうりという感じで、メロン感はありませんでした。
さっぱりしていて夏には毎日食べたい一品です。これで私も「子メロンの漬物が好きなんだよね〜」と言えるな、と思ったのですが、漬物の盛り合わせの片隅にいた場合、高確率できゅうりと間違えると思いました。
クイニーアマン
食べた人:
伊藤 健史
かなり昔に、ひょんな事からその存在を知ったクイニー・アマン、あえて調べない、調べないぞとこの日まで封印していた好奇心をついに解放しようと決意しました。
ビジュアルすらもわからないこの菓子、私のつたない知識の中になにか関わりのありそうなものを求めるなら永井豪の不朽の名作「デビルマン」の主人公、不動明に憑依しデビルマンとなったデーモンの名が「アモン」だというぐらい。
通勤路にある神戸屋ベーカリーのウィンドウをのぞいてみると「淡路島の藻塩と花見糖のクイニーアマン」なるものがてらてらにツヤめいていました。デビリッシュな感じは皆無でかわいい。
生地の外殻をバッキバキに固めるあまじょっぱい飴状の藻塩&花見糖の存在感は噛むたびに歯が持ってかれるんじゃないかと心配でたまらなくなるほど。
その外骨格を抜けるとさくさくの生地からバターの風味が立ち上がりとにかく濃厚、思っていたのとは違ったが結論は同じ、これはまさしく悪魔だ、魔界名物のデーニッシュに違いない。まあフランスの菓子でしたが、アマン。
BEYOND TOFU シュレッド
食べた人:
石川大樹
最近スーパーでよく見かけるビヨンドトーフをこの機会に食べてみました。てっきりベジタリアン向けの肉の代用品かと思ってたら、チーズ的なやつなんですね。
まず触った感じはめっちゃチーズです。塊感からちょっとべとっとした感じまで完全再現。
そのまま食べてみると食感も完全チーズ。味も半分までチーズだけどそのあと急に豆腐が来た。来たついでにダーウィンが来たでいうと、動物の映像が続いて浸ってるときに急にひげじいが出てくる、あのタイミングで豆腐がくる。
続いてトーストで3種類。プレーン、バジルペーストのせ、ハチミツがけを試しました。
まずプレーン。見た目はかなりチーズっぽいけど、食感でいうとビヨンドトーフは伸びなくて、フワフワしてる。マヨネーズトーストに近いかもしれない。そういえば味もめちゃくちゃあっさりして酸味のないマヨネーズっぽい感じも。豆腐感はゼロになった。ひげじいが死んでしまいました。あと上の前歯にめっちゃくっつく。
バジルペーストのせると味がバジルになるぶん、食感がチーズじゃない違和感が引き立ってしまい、意外に良くなかった。まずいわけではないけど。
ハチミツも同様チーズ感はないんだけど、フワッとした食感と塩気にハチミツがあってておいしい。個人的ベストはハチミツでした。頑張るミツバチの映像に無神経な茶々を入れるひげじいの顔が浮かびました。
パスタとかもおいしそうだけど、ここまでチーズに近いならヴィーガンじゃない自分的にはチーズでいいかなという気も。ウニ味(江ノ島さんが食べてた)などまた違う方向性のラインナップもあるみたいなのでそれも食べてみたいです。
バナナジュースもこ
買った人:
林雄司
ついにセブンイレブンの「もこ」を食べました。第1シーズンを逃したていたら「さつまいもこ」など進化しはじめて乗りそこねていました。
「バナナジュースもこ」という第8シーズンぐらいの派生形ですが、はじめての「もこ」です。
これシュークリームなんですね! 皮がしっとりしているシュークリームです。よく見たらパッケージにもCHOU と大きく書いてある。みんな知ってた?
「バナナもこ」じゃなくて「バナナジュースもこ」を名乗るだけあって、バナナのエグみ・もったり感のない、絵に描いたような甘さのバナナ味でした。
謎めいた存在だったもこが実はシュークリームだったとは、ザンギって唐揚げだったんじゃん、みたいな気分です。
しみこみおかき
買った人:
古賀及子
寿司の世界であぶりがもてはやされるのとほぼ同じ感覚で、クッキーの世界では「しみ」が人気ですよね。
人気は長く淡々としたものでしたが、カントリーマアムにチョコをしみ込ませまくった「チョコまみれ」が大ブレイクして改めていま、しみに光が当たってる気がします。
で、「和チョコ しみこみおかき」というやつを見つけまして、おお、しみの新しいやつだ! と食べてみました。セブンイレブンで買って、調べたらセブンでしか売ってない?? みたいです。
ベースのおかきは表面がつるつるしていてテクスチャとしてはチョコがしみ込みにくいんですよね。ただ、おかきとしてふくらむ過程で割れた亀裂のごわごわした部分からどばどばチョコが内部に滲入してます。
外郭部にはおかきらしい味が残っているから、チョコが滲入し内部から侵していく感じ。エキサイティングです。
食べたのは塩きなこ味でしたが普通のチョコ味もあるらしく、そっちのほうが、甘としょっぱが分かりやすく対抗して抗争感が楽しめるかもです。
クレメダンジュ
買った人:
安藤昌教
ファミマで見つけた「クレメダンジュ」という食べ物です。もはや何語なのかすらわかりません。クリーム男児、を外国風にしたのかなとも思ったんですがたぶん違います。買ってすぐに店の前の草むらにしゃがんで食べました。
どうせショートケーキだろうなと思っていたんです。中にシロップの染みた甘いスポンジが入っていて、それがクリームに包まれている美味しいやつだろう、と。そうしたら見事に違いました。
これ、ほぼ9割がたクリームです。底の方に退化したスポンジのなごりみたいなものが入っていますが、もはや気が付かないレベルです。クリームは甘すぎず、レアチーズケーキみたいなさわやかな酸味があってぱくぱくいけます。軽いので罪悪感すらないんだけどいいのかなこれ。途中からベリーのソースが出てくるんですが、正直ここまでやったなら最後までクリームで押しとおしてもいいのでは、と思いました。
そしたらいよいよクリーム男児、という名前にしていいと思います。最後になりましたが、美味しかったです。
生八つ橋
買った人:
まこまこまこっちゃん
しばらく京都に住んでいますが、生八ツ橋って食べたことがありませんでした。観光で来たら買うやつ、という認識はもちろんあるんですが、住んでたら買う機会ってありませんね。中学校(大阪)から遠足で来たこともあったんですが、当時は和菓子に全く興味が持てず、お土産も特に買わなかったような気がします。
スーパーとかでは見ないので、近所の八ツ橋屋さんを調べて、朝9時の開店と同時に飛び込みました。それで一番人気のやつくださいと言って出てきたのが「ニッキ味」というやつです。ついでに、隣にあった抹茶味も購入しました。
なんかお土産コーナーで見たことがあるやつ! と思いつつ食べてみると、え、けっこう美味しいやん。しっとりしつつ、フワッとニッキの香る皮と、甘いあんこが口のなかで混ざっていくのが気持ちいいですね。冷たい緑茶を淹れて食べてみると、なかなか優雅な朝になりました。小さい頃は和菓子を出されても、刺激の少ないオヤツだなって思っていたのですが、最近は和菓子めっちゃ好きです。今度また食べようと思います。
それからニッキってよく知らなかったんですが、シナモンに近いものなんですね(樹皮と根っこの違いだとか)。最近はカレーとかチャイをスパイスから作るのがマイブームだったので、妙な納得感があります。というか、カレーやチャイと生八ツ橋、意外と合うような気がしてきました。今度試してみます。
青柳のケロトッツォ
食べた人:
米田梅子
青柳総本家の「ケロトッツォ」を食べました。
ケロトッツォは、名古屋土産として有名なカエル型まんじゅう「かえるまんじゅう」に、生クリームとクリームチーズを混ぜたクリームを挟んだスイーツです。
その名前からわかるように、マリトッツォをヒントに作られています。
通常のかえるまんじゅうは、固めの薄皮に甘さ控えめのこしあんが包まれていて素朴な味。もちろんおいしい。でもまんじゅうって、ちょっと重いじゃないですか。一度に何個も食べられない。
それがケロトッツォになったら、何個でも食べたくなる軽い甘さになってました。
あんことクリームがお互いの味を引き立てあっていて、「”マリアージュ”って、こういうことを言うんだな」と思ったり。
クリームの水分を吸って、あんこから皮の表面までしっとりやわらか。つめたく冷えたまんじゅうというのも新感覚です。
画像のケロトッツォは、今回食べた「クリームチーズ&レモン」と「ラムレーズン&くるみ」の2種。どちらもおいしかったけど、個人的には後者のほうが好きです。
ジュワッ・カリッとした食感のアクセントが加わるぶん、贅沢な気分になります。
洋館に住むマダムが食べているイメージが浮かびます。執事がお茶の時間にケーキスタンドに乗せて持ってくるやつ。
かわいいビジュアルと、おしゃれリッチな味のギャップにひっくりかえりました。(カエルだけに)
人気に便乗した商品と正直あなどってましたが、めちゃくちゃうまかったです。
マリトッツォブームが去ったあともぜんぜん買えなかったのですが、その理由がわかりました。今でも、オンライン通販ではすぐ売り切れてしまうようです。
お気に入りの名古屋のお菓子がひとつ増えました。また食べたい。
まだまだ知らない食べ物がある
ビヨンド・トーフを買う前、何を食べようかスーパーで考えたのですが、思った以上に食べたことないものだらけでした。ラムネわらびもち、ヤンニョムチキン、チューブの紅しょうが……。我々が食べるスピードよりはるかに速いスピードで、新しい食品が生まれているのかもしれません。新しい体験を求めて、どんどん食い尽くしていきたいところです。
というわけで8月もデイリーポータルZをよろしくお願いします。