筆者は取材でオンライン説明会に参加することが多いが、オンライン会議中に各参加者から発せられる音が気になることがある。
騒音源が子どもとか選挙カーというケースもあるが、例えば、オンライン説明会においては、発表者やサポートスタッフのキーボード音やマウスのクリック音が目立つケースがままある。
打鍵感の良さでメカニカルキーボードを使用している人もいるが、一時期流行ったゲーミングキーボードの「青軸」は特に打鍵音が気になる製品だ。ゲーミングキーボードも「サイレント軸」と称する製品が出ているのもボイスコミュニケーションで気になる人が多いのだろう。
マウスのクリック音も意外と気になることがある。スピーカーが資料をめくるたびにカチカチ鳴ることはよくあるが、静音キーボードやマウスを使う、あるいはこれらの騒音を拾わないマイクを使うことで、テレコミュニケーションの質は向上するはずだ。
筆者も音を出さないための対策をしているが、その中の1つとしてちょっと変わったところでは、カップにもこだわっている。
オフィスではドリンク片手に作業するというのはよくあることだが、それはリモートワークでも同じだろう。だが、カップを机に置く音は問題にならないだろうか? また、音の問題もあるが、ドリンクを飲みながらの作業では、キーボードやノートPCの上にこぼしてしまう、うっかり事故も起こり得る。
今回はそれらの点に注目し、安価でありながら、ちょっとした工夫で改善できる商品を紹介する。
テレワークが定着した昨今、INTERNET Watchの編集部員や著者陣も、それぞれのテレワーク環境を改善すべく工夫を凝らしている。この連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介。今回はテクニカル系の記事を多く執筆するライター 小林哲雄氏のレビューをお届けする。
事故は起こしたくない。そこで選んだのが低重心のカップ
まず、カップを置いたときの騒音を減らす方法として「コルクのコースターを敷く」ということを考えた。これは100円ショップでも売っているものなので低予算で解決できる。
また、飲み物をこぼすリスクを軽減するためには、低重心のマグカップを使うことをおすすめしたい。多少、引っ掛けても転げないカップを使うことで、飲み物をこぼす可能性を減らすことができる。
飲み物をこぼした場合だが、デスクトップPCの場合は最悪キーボードだけ交換すれば対応できるが、ノートPCの場合は高額修理になる可能性が高い。
以前、買ったばかりのThinkPadにコーヒーをこぼしてしまったことがある。当時のアクシデンタルサポートの規約では、10万円までの修理費が免責になったが、実際に修理に出すと「液体物がマザーボードの上にこぼれた跡があり、マザーボード交換が入るので修理代が10万円超えます」と言われてしまった。もちろん修理が瞬時に終わるわけでもなく、受け取るまでにロスもある。
事故をゼロにするのはなかなか難しいが、先述のような方法で事故を減らすことは比較的行いやすい。
比較的入手性がよい製品として最近愛用しているのが、シンプルかつリーズナブルな「IKEA 365+シリーズ」のカップだ。カップは240ccの製品を使っているが、大サイズの360cc製品もあるので好みで選ぶといいだろう。
それと組み合わせて使っているのが、同じIKEA 365+シリーズのコルクコースターだ。こちらもカップのサイズに合わせるように9cmと10cmの製品がラインアップされている。くぼんだ形状になっていてカップにフィットするので安定感があるし、コルクのおかげでカップを置いたときの音が和らげられるのもおすすめのポイントだ。
IKEAも以前は東京23区内に店舗がなかったが、現在は原宿、渋谷、新宿と店舗があるので買いやすくなった。陶器で適度な重量感があり、低重心なおかげで転がりにくく、飲み物をこぼす可能性が大きく減るのでここ数年愛用している。
割れた時に備えて予備がキッチンに収まっているが、最近は出張時に「飲み物セット」として持ち出している。
今、気になる製品は「夏の冷たいドリンク用カップ」だ。いわゆるロックグラスは水滴が付くのが気になるので、二重底のステンレスマグで背が低くて底にゴムの付いたものを探しているが、なかなかこれぞというものが見つからない。低重心タイプのものに別途ゴムを貼り付けようかと模索中だ。