DIGIDAY DealBook: Twitter の買収交渉は継続中、F1放映権を巡る戦い、ゲッティ・イメージズが新たなインタラクティブビジュアルツールを構築など

DIGIDAY

直近に行われた買収・採用案件の概要を素早く手短に伝え、業界の最新情報を届けることを目的としているDIGIDAY DealBook。今回のテーマは、前週に続きイーロン・マスクによるTwitter買収、F1の米国放映権をめぐるテレビネットワーク各社の攻防などだ。

直近に行われた買収・採用案件の概要を素早く手短に伝え、業界の最新情報を届けることを目的としているDIGIDAY DealBook。今回のテーマは、前週に続きイーロン・マスクによるTwitter買収、F1の米国放映権をめぐるテレビネットワーク各社の攻防などだ。

ゆっくりと、しかし確実に、イーロン・マスク氏によるTwitter買収は進んでいるようだ。買収が遅れているのにはいくつかの側面がある。米国政府の反トラスト規制当局が標準的な30日の枠内でこの取引を審査できなかったこと、この取引が反トラスト法審査をデフォルトでクリアしたことだ。これにより、同社は契約を進められるようになった。しかし、マスク氏自身も、プロセスを遅らせ続けている。Twitterがサイト上の偽アカウントの数を公表しておらず、同社がユーザーについてより透明性を高めるまで前に進めないと主張してのことだ。これを受けてTwitterは、マスク氏が同社のデータにアクセスすることにようやく同意したが、このデータの内容やマスク氏がどの程度直接アクセスできるかは不明だ。現在、1株あたり54.20ドル(約7160円)での合意が推定されているが、特にこの不安定な経済情勢を考えると、これは変更される可能性がある。多くの専門家が、テスラ(Tesla)の株価が急落しているためマスク氏が取引を延期していると考えているなか、この事実がマスク氏の決断の動機になっているのかもしれない。

世界中で自動車スポーツレースの人気が急速に高まるなか、フォーミュラ1(Formula 1)の2023年の米国放映権更新をめぐり、Netflix、ESPN、NBCユニバーサルが競い合っている。視聴者の急増は明らかだ。5月にマイアミで開催されたレースは、ABCで260万人以上の米国人が視聴した。この契約は1億ドル(約132億円)と推定され、ESPNは2022年末までの権利を有している。その他のスポーツメディアのニュースとして、PGAツアー(PGA Tour)はスカイ・スポーツ(Sky Sports)との英国での契約を更新した。ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery)は、2018年から20億ドル(約2643億円)の契約で米国での放映権を保有しているが、PGAツアーの英国コンテンツをスカイ・スポーツにサブライセンスしている。最後に、トム・ブレイディ氏の成長し続けるスポーツメディア企業、レリジョン・オブ・(Religion of Sports)は、資金調達のシリーズBで5000万ドル(約66億円)を調達した。その資金の大部分はシャムロック・キャピタル(Shamrock Capital)が出している。

コンテンツ制作・管理企業のゲッティ・イメージズ(Getty Images)は、同社の顧客がビジュアルとデータインサイトに利用できるインタラクティブツール「ビジュアルGPSインサイツ(VisualGPS Insights)」を構築した。ビジュアルGPSのユーザーは、ゲッティとアイストック(iStock)の顧客がダウンロードできる4億8600万点以上のビジュアルアセットにアクセスできる。さらに、ビジュアルGPSは、82万5000社の企業が画像を通じてどのように消費者と関わり、影響を与えているのかを知りたいブランドにとって参考となるものだ。

その他のニュース

  • ラティーノ・メディア・ネットワーク(Latino Media Network)は、テレビサ・ユニビジョン(TelevisaUnivision)との6000万ドル(約79億2800万円)の契約により、シカゴにあるスペイン語ラジオ局「WRTO」をはじめとする17のラジオ局を買収した。女性によって率いられるラティーノ・メディア・ネットワークは、レイクスター・ファイナンス(Lakestar Finance)からの投資を受けて取引を実現し、8つの主要都市にまたがる放送局を買い取った。
  • Amazonのコンシューマー部門最高経営責任者(CEO)、デイブ・クラーク氏が6月3日、辞任を発表した。クラーク氏は20年以上Amazonに在籍し、以前はAmazonのロジスティックス・ビジネスの責任者を務めていた。
  • 「インタラクティブ・エンターテイメント」企業であるハイデフ(HiDef)はスナップ(Snap Inc.)と提携し、スナップのBitmoji(ビットモジ)を使った新しいモバイルアプリゲームを作る計画を発表した。スナップユーザーは3億人以上おり、これは両社にとって拡大の好機となる。
  • 60億ダウンロードを誇るモバイルゲーム業界のリーダー、ブードゥー(Voodoo)は、データ駆動型の事業運営を専門とするオーロ(oolo)と提携した。60億ダウンロード、月間3億人のユーザーを持つブードゥーが、広告収入だけでなく、その他の事業運営をモニタリングする上で重要なステップとなる。
  • ハイマーケット・メディア・グループ(Haymarket Media Group)は、英国、アイルランド、オーストラリアのポッドキャスト・アワードを所有するポッドキャスト・アワーズ(Podcast Awards)を買収した。これは、デジタルおよび物理的なメディアプラットフォームにおけるハイマーケットのコンテンツポートフォリオに追加される。
  • ゲームデザイン会社のスターアトラス(Star Atlas)は、ゲーミングPCメーカーのアイバイパワー(iBUYPOWER)と提携し、同社のゲームとユーザーをメタバースに取り込むことに成功した。これは、多くの企業が成長中のメタバース空間へのコミットメントと投資を開始するなかでの出来事だ。
  • ニール・スティーブンソン氏とピーター・ベッセネス氏は、メタバースにおけるレイヤー1ブロックチェーン技術の共同事業であるラミナ・ワン(Lamina 1)の開始を発表した。ブロックチェーンの開発は、年内にテストネット、その後ベータネットと続く予定だ。テスト段階の後、リーダーたちは、大規模なメタバースプロジェクトを構築しようとするクリエイターを支援したいと考えている。
  • Pinterest(ピンタレスト)は、消費者のエンゲージメントを高めるために用いられるeコマースプラットフォームのザ・イエス(The-Yes)を買収した。ザ・イエスのスタッフはPinterestに加わる。Pinterestはザ・イエスを既存のプラットフォームに統合する計画で、消費者エンゲージメントの向上を期待している。これによりザ・イエスのプラットフォームは2022年後半に閉鎖される。

[原文:Digiday DealBook: Twitter deal continues to advance, networks fight for Formula 1 rights, Getty Images creates a new interactive visual tool and more

Carly Weihe(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:分島翔平)


Source