脳波でデバイスを制御するインプラントがFDAの承認を受ける

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2021年7月28日、脳インプラントで重度のまひ患者の自立を図る新興企業「Synchron」が「脳波でデバイスを制御するインプラント『Stentrode』をアメリカ食品医薬品局(FDA)が承認した」と発表しました。

Press Release July 28 2021 — Synchron
https://synchron.com/press-release-july-28-2021


Stentrodeは人体に無害なチューブで頸動脈から挿入して血管内に設置できる網目状の脳インプラントデバイス。イーロン・マスク氏が率いるスタートアップ「Neuralink」のような頭蓋骨に穴を開ける手法では長期的に見て脳に炎症が発生する可能性があるとのことですが、Stentrodeは最小限の肉体的負担で済む上、手術も2時間で終えられるとのこと。Stentrodeがどのような構造なのかは以下の動画を見ると分かります

Stentrode in action – YouTube
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Synchronのトーマス・オックスリーCEOは「患者はStentrodeの移植直後から、ワイヤレス制御の外部デバイスを操作することで手足を動かすことができます。Stentrodeはテキストメッセージ・電子メール・オンライン取引・遠隔地の医療へのアクセスなどの日常のタスクを可能にし、患者のコミュニケーションと独立性を高めるように設計されています」と述べました。

神経内科医でもあるオックスリー氏は2010年頃からStentrodeの開発を続けており、2020年には人間での臨床試験を実施しています。オックスリー氏は「Synchronの目指すところは『脳の全データを転送すること』の実現で、血管を活用すれば大規模な手術を行うことなく脳の全領域へアクセスが可能になります。私たちの最初の目標は運動皮質に着目したまひ治療であり、これは世界中の何百万人もの人々のニーズを満たし、200億ドル(約2兆2000億円)の市場機会を生み出します」と述べました。


なお、Synchronは2021年内にアメリカ国内で6人の患者に臨床試験を実施する予定。今回FDAに承認されたStentrodeは、近い将来市場に出る可能性があるとのことです。

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