米国の購買客は、 ライブコマース を受け入れはじめている:米モダンリテールとアテストによる調査から

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ほほすべてのブランドが、ライブストリームショッピングに関心を持っている。だが、買い物客が実際に関心を持っているかどうかは、まだ結論が出ていない。

米モダンリテールと消費者調査プラットフォームのアテスト(Attest)による新しい調査結果では、米国においてはデジタルライブストリームを見て、その動画から買い物を行うことに抵抗がない人々が増えている。しかし、買い物客はライブストリームショッピングを受け入れはじめているが、この分野において数多くの新しいアプリやプラットフォームが出現しているにもかかわらず、これらの買い物客はFacebookのような大規模プラットフォームを使用する傾向が高いことが調査により示されている。

ライブストリームショッピングは決して新しいものではない。しかし、何年にもわたって米国におけるコマースの主流ではなかったのも事実だ。中国などでは、アリババ(Alibaba)やジェイディー・ドット・コム(JD.com)などのプラットフォームが、購買可能なモバイルストリームによって数十億ドル分の商品を販売してきた。2020年のデータでは、米国でのライブストリームショッピングの評価額は60億ドル(約7620億円)で、これに対して中国での評価額は630億ドル(約8兆円)にのぼる。

年月とともに状況は変化しはじめた。コアサイトリサーチ(Coresight Research)の推定によれば、米国におけるライブストリームショッピング市場は、2023年には250億ドル(約3兆1800億円)に達する。そして、米モダンリテールとアテストからの新しい調査結果も、この転換を示唆している。

半数以上は「利用経験あり」

米モダンリテールとアテストによるインタビューを受けた2000人の米国の顧客のうち半数以上は、ライブストリームショッピングのプラットフォームを使用したことがあると回答し、18%はこれらのサービスを「頻繁に」、22%は「たまに」使用していると述べた。一方で、回答者の31%はライブストリームショッピングのプラットフォームやアプリを使用したことがないと答えた。

次に発生する疑問は当然、買い物客がどのライブストリームプラットフォームに引き寄せられているかだ。調査によれば、これは買い物客がすでに毎日使用している可能性が高いアプリだ。調査対象の消費者がライブストリームショッピングで使用していると回答したアプリは、Facebook、インスタグラム、TikTokで、それぞれ54%、42%、33%を占めていた。

この3社の下は混戦模様で、Snapchat、Amazonライブ(Amazon Live)、ピンタレスト(Pinterest)が順位を競っている。

新興企業よりは大手が有利

世界最大級のソーシャルメディア企業がライブストリームショッピングの動向を主導しているのは驚くにあたらない。しかし、これによって成長中の新興企業による隠れた領域が生まれる。過去1年間にわたって、多くのライブストリーム企業が自社の展開を周知しようと試み、ベンチャーキャピタルで数百万ドルを調達し、有名ブラントとのあいだに独占契約を締結してきた。

しかし、米モダンリテールとアテストの調査によれば、これらの新興企業は消費者の間ではそれほど知名度が上がっていない。実際のところ、積極的に宣伝を行っているいくつもの新興企業はこの調査で6%未満のシェアしか獲得しておらず、そのなかではトークショップライブ(TalkShopLive)が首位、そしてNTWRKが最下位になっている。

これらの新興企業が今後知名度を勝ち取ることが不可能ということではない。同時にこの調査は、ライブストリームを試している米国の買い物客が、これまで何年にもわたって使用してきた大規模プラットフォームに固執していることを表している。

[原文: Modern Retail x Attest Research: U.S. shoppers are beginning to warm up to livestream shopping]

Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:猿渡さとみ)

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