「 NFT によって、小売の領域が広がったということだ 」:パクサンの共同CEOが語る、Web3時代のデジタル戦略

DIGIDAY

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カジュアルアパレルのパクサン(Pacsun)は、顧客がいる場所に存在しようと試みている。かつての顧客はモールで買い物をしていた。現在の顧客はデジタルの世界でNFTを購入しているのだ

同社は2021年11月にNFTに関する最初の取り組みを開始し、同社のクラシックな波型ロゴに焦点を当てた。そして今年1月には、パックモールラッツ(Pac Mall Rats)と呼ばれる独自のNFTシリーズを公開した。同社は今後300種類のパックモールラッツを発表する計画だ。

同社のNTFへの注力は、すべて同社のデジタルファースト戦略の一環で、ARやVRの体験に加えてゲームも含む取り組みだ。同社は2021年5月、2020年の同期間と比べてデジタル売上が65%増加し、2019年より170%も増加したと述べた。

パクサンの共同CEOを務めるアルフレッド・チャン氏は次のように述べている。「当社の消費者は我々が次世代と呼ぶもので、現在は主にZ世代だが、近い将来にはα世代になるだろう。当社はこれらの消費者を中心とし、これらの層とそのライフスタイルに適切なものを重視している」。

同社は1980年にパシフィックサンウェア(Pacific Sunwear)として創設され、当初のビーチウェアから大幅に取り扱い範囲を拡大して、店舗数は350を超えるまでに成長した。しかし同社は、若い層の消費者を獲得するという目標に従い、デジタル世界を中心とした多くの取り組みを重視してきた。2021年のパクサンの収益は9億ドル(約1160億円)を超え、同社によれば前年よりも2ケタの増加を見せた。

チャン氏は、同社のデジタルファースト戦略は、引き続き同社の決定を主導していくと語る。たとえば同社の2022年春夏のブランドキャンペーンでは、Z世代に合わせたデジタル体験として拡張現実や仮想現実などを取り入れた。このキャンペーンには、インターネットの有名人であるエマ・チェンバレン氏も出演する。

チェンバレン氏は、同社のNTFへの取り組みおよび将来の成長の計画について、米モダンリテールのインタビューに答えた。以下の対談内容は簡素さと明瞭さを考慮し、編集を加えたものである。

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――NFT市場で成長するための御社の戦略についていくつか聞かせてほしい

NFTの世界の好きなところは、商品、トレンド、表現、そして人気になるものが、ゲームコミュニティであれアートコミュニティであれ、真にそれらのコミュニティから生まれているということだ。

我々がここで発信するNFTは、そのようなコミュニティや空間に関連している。パクサンを象徴するもの、パクサンが取り扱うブランド、そして我々がファッションと小売の業界に存在していること、そしてショッピングモールで販売してきた歴史があることに基づいている。最初のNFT商品のひとつがパクサンモールラッツのシリーズだったのは、それが理由だ。

当社は、この戦略を今後さらに拡大する予定だ。この基礎に基づいて、そのコミュニティをどのように拡大していくかが本当の課題だ。

――パックモールラッツシリーズの取り組みの背後にある構想とは?

このブランドはモールで成長してきた。今日の我々の消費者の多くも、モールで買い物をすることを当然として育ってきた。消費者にとって、ショッピングモールや小売店舗のような物理的な空間は、新たに使うようになったデジタル空間と同じくらい重要な存在だ。

これらの要素すべてをひとつに結び付けるような商品ラインのアイデアを提案できるのは、我々にしかできないことだ。

これは、当社の顧客が、「集めたい」「仲間になりたい」と思っていただけるようなものだ。

――パクサンがプレゼンスの拡大をしたいと考える、特定のデジタルプラットフォームはあるか?

ゲーム、アート、そのほかのものを問わず、コミュニティを真に結び付け、さまざまなクリエイターの機会について真に語れるよう設計されたプラットフォームを想定すると、ディスコード(Discord)はそのような活動を可能にする本当に優れたプラットフォームとなっていると思う。

――NFTはパクサンの小売ビジネスにどのように影響すると考えているか?

これは単に新しいカテゴリーであるというだけでなく、重要なものでもある。商品、スキン、そのほかの要素を仮想世界と物理世界の両方に提供できるようになったことで、小売の展開領域が拡大したと考えている。

当社にとって重要なのは、単に現在参加しているだけではなく、そこでの地位を維持することだ。我々は、商品とサービスを拡大するという点でも、この分野での地位を保てることを期待している。

――今年優先的に取り組むことをいくつか教えてほしい

今年の優先課題は、これまで数年間にわたって推進してきたのと変わらず、いかにしてデジタルの存在感を高め続けるか、ということだ。

我々は、物理空間に強い基盤を保有していると自認している。そして、ブランドや我々のようなブランドの将来について考えると、適切なテクノロジーとリソースに投資し、真にデジタルファーストの企業であることが、パクサンにとってもっとも重要なことだ。

当社はここ数年、メタバースへの取り組み、NFTへの取り組み、そしてテクノロジーへの継続的な投資において、極めて大きな進展を遂げた。将来の継続的な成長を考えると、テクノロジーが発展し続けるのに応じて、人工知能やほかのものに引き続き投資していくことが非常に重要となるだろう。それによって我々は、デジタルの世界で顧客に提供する商品をより充実させることができるだろう。

[原文:‘It expands our retail reach’: Pacsun’s co-CEO on centering its digital strategy around NFTs]

Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Pacsun

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