仮想通貨マイニングが完全違法の中国で「闇のマイニング」が増加して中国のマイニング市場シェアが世界2位に浮上

GIGAZINE
2022年05月19日 15時00分
メモ



ケンブリッジ大学のケンブリッジ・ジャッジ・ビジネス・スクール(CJBS)が、2021年9月から2022年1月までの世界全体のビットコインマイニングに関するデータを公表しました。この中で、政府によってマイニングが禁止されたはずの中国が主要なビットコイン採掘国として再浮上したことがわかりました。

Bitcoin mining – an (un)surprising resurgence? – News & insight – Cambridge Judge Business School
https://www.jbs.cam.ac.uk/insight/2022/bitcoin-mining-new-data-reveal-a-surprising-resurgence/

China is second-biggest bitcoin mining hub despite Beijing’s ban
https://www.cnbc.com/2022/05/18/china-is-second-biggest-bitcoin-mining-hub-as-miners-go-underground.html

CJBSによると、ビットコインマイニングが最も盛んなのは依然としてアメリカで、マイニング市場のシェアは37.84%でした。次に大きなシェアを占めているのが中国で、21.11%でした。続いて、13.22%のカザフスタン、6.48%のカナダ、4.66%のロシアとなっており、アメリカと中国が市場シェアを大きくのばす一方で、カザフスタン以下はシェアを下げており、上位2国とそれ以下で格差が大きくなったとのこと。

CJBSは、本来マイニングが厳しく規制されている中国が市場シェアを伸ばした点に注目しています。そもそも中国政府は2021年6月に民間企業に対して仮想通貨の全面的な取扱い禁止を命じ、2021年9月に中国人民銀行が「仮想通貨のマイニングは完全に違法」という声明を出しています。

中国による大幅規制強化はビットコインにどれだけ影響を与えたのか? – GIGAZINE


CJBSによれば、2021年7月~8月における中国全体のハッシュレートは事実上ゼロになったとのこと。しかし、2021年9月にハッシュレートが突然30.47EH/sにまで回復し、仮想通貨のマイニング市場全体の22.29%を占め、世界第2位の採掘国に躍り出ました。

これは、中国国内で秘密裏にマイニングを続ける「アンダーグラウンドな採掘活動」を続ける業者が多いことを意味します。実際に2021年6月の規制後に行われた取材で、政府の目を盗んで仮想通貨のマイニングを続ける業者が中国国内に点在することが判明しています。

中国のビットコイン業者は政府の目を回避しながら採掘を続けている – GIGAZINE


しかし、仮想通貨のマイニングは施設の建設に時間がかかるため、1カ月で30EH/s以上もハッシュレートが増加することは通常あり得ない、とCJBS。おそらく規制直後にハッシュレートが一時的にゼロになったのは、仮想プライベートネットワーク(VPN)やプロキシを利用し、業者が自身の位置を隠しながらマイニングを続けていたためだとCJBSは見ています。

なお、マイニングの世界上位国であるロシアは、ハッシュレートのシェアが2021年8月で11.23%だったのが、2022年1月には4.66%へ大幅に低下。これはロシア中央銀行が仮想通貨のマイニングを声高に反対する声明を発表したことで、政治的リスクが急激に高まったからだとCJBSは述べました。

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