感染症を検査する方法はPCR検査や抗原抗体反応を利用した酵素免疫測定法などさまざまなものがあります。テキサス大学ダラス校の生物工学チームが新たに、汗から感染症の有無を特定できるウェアラブルセンサーを開発しました。
Novel Approach to Track the Lifecycle of Inflammation from Chemokine Expression to Inflammatory Proteins in Sweat Using Electrochemical Biosensor – Jagannath – – Advanced Materials Technologies – Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/admt.202101356
Researchers Developed A Wearable Sensor That Can Detect Infections Like COVID-19 And Influenza Through Human Sweat – Chip Chick
https://www.chipchick.com/2022/05/researchers-developed-a-wearable-sensor-that-can-detect-infections-like-covid-19-and-influenza-through-human-sweat.html
テキサス大学ダラス校のBadrinath Jagannath氏らがセンサーデバイス会社のEnLiSenseと共同で開発したセンサーは、γ-誘導性タンパク質(IP-10)および腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)という2つの重要なバイオマーカーをを検出するというもの。センサーがいずれかのバイオマーカーのレベルの上昇を検出した場合、人体が重度の感染症にかかったときに発生する免疫反応「サイトカインストーム」が発生していることが疑われるとのことです。
チームの責任者であるShalini Prasad氏は「これまでこれらの分子が汗の中に存在するかどうかは不明でした。私たちは、少量の汗でこれらのバイオマーカーを測定できることを証明しました」と述べ、汗からバイオマーカーを検出するセンサーが画期的だという点を強調しました。
このセンサーを使うことで、依然として世界中に脅威をもたらしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しているかどうかを早期に知ることができるとのこと。また、インフルエンザの検出にも役立つと研究チームは説明しています。さらに、この技術はほとんど誰でも使うことができ、自然にかく汗を利用するため、着用者は正確な測定に必要な激しい運動をする必要がありません。取り外し可能な端末が1日の汗を収集し、24時間リアルタイムでモニタリングします。このため、このウェアラブルセンサーはあらゆる年齢層、あらゆる身体の人が利用することができます。
研究者たちは、呼吸器感染症患者に焦点を当てた臨床試験でこのセンサーをテストすることを計画しています。Prasad氏は「私たちは、汗の診断における新たな境地を開き、探求するための技術を構築しました」と述べています。
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