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Amazonのアグリゲーター業者が増えていくなか、持株会社は自社を差別化するための新たな方法を探し求めている。
マーケットプレイスパルス(Marketplace Pulse)が12月に発表したデータによると、Amazonアグリゲーターの資金は、2020年のわずか10億ドル(約1220億円)から、昨年には120億ドル(1兆4600億円)に急増した。レポートによると、アグリゲーターの上位5社であるセラシオ(Thrasio)、ベルリンブランズグループ(Berlin Brands Group)、パーチ(Perch)、ヘイデイ(Heyday)、セラーエックス(SellerX)が、資金調達総額の55%を占めている。
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その1社であるフォーラムブランズ(Forum brands)は、Amazonアグリゲーターの分野で他社から抜きん出るため、2段階の行動計画が存在すると語っている。最初に、高い潜在能力を持つ中小企業を買収し、その規模を拡大する方法を特定する。第2段階には、海外市場や他のマーケットプレイスへの進出を視野に入れ、顧客の存在する場所で顧客に接触することだ。ただし、この戦略が競合他社の先を行くために十分なものなのかはまだ不明だ。
フォーラムブランズの共同創設者で共同CEOを務めるブレントン・ハウランド氏は次のように述べている。「当社にとって、市場機会はディスラプション(破壊)にうってつけの時期だった。量より質に極めて特化した方法で、誰かが参入して持株会社モデルを採用する機会を提供したのだ」。
最高のAmazonブランドを買収する競争が加熱するなか、ほかのeコマースアグリゲーターも問題に直面している。セラシオは昨年秋、トップエグゼクティブたちが同社を離れたあとで、同社の財務監査の問題を解決するため、SPACとの契約を凍結したと伝えられている。
Amazonの持株会社にはそれぞれ成功のため独自のロードマップが存在するが、フォーラムブランズは主に、ファミリー、ホーム&キッチン、スポーツ&アウトドア、パティオ&ガーデン、ヘルス&パーソナルケア、ペットという6つのカテゴリーにおけるブランドの買収に重点を置いている。ハウランド氏は、同社が買収に幅広いアプローチを取るよりも、この6つのカテゴリーにこだわることを好んでいると語る。同社は今日までに普通株で3000万ドル(約36億6000万円)、負債資金で1億ドル(約122億円)を調達した。
フォーラムブランズは、収益金額や自社ポートフォリオのブランド数を公開していないが、6つのカテゴリーすべてにおいて複数のブランドと「密接な」関係があると述べている。同社が買収したブランドには、ペット用品小売業者のボンザ(Bonza)や、エコフレンドリーなベビー用品企業のシムカローズ(Simka Rose)などがある。
我々は、フォーラムブランズがブランド獲得のためどのように活動しているか、ますます競争相手の多くなるマーケットプレイスで抜きん出るためどのような計画を立てているかについて、ハウランド氏にインタビューを行った。以下の対話内容は簡素さと明瞭さを考慮し、編集を加えたものである。
◆ ◆ ◆
――フォーラムブランズは今年、どのような目標を達成したいと考えているのか?
当社は従業員数を2倍にすることをめざしている。当社の現在の従業員は合計91人だが、2020年の12月にはわずか5人だった。
2022年を見据えた今、私たちにとって重要なのは多様化だ。Amazonだけに留まって、Amazonのマーケットプレイスだけの出品者であり続ける必要はない。ほかのマーケットプレイスとのパートナーシップも幅広く考えていく。当社のポートフォリオで有意義ならば、昨年を通して当社が育ててきた卸売のパートナーシップも考えられる。
――ブランドを獲得するときはどのような特性を求めるのか?
当社には、カテゴリー戦略やポートフォリオ戦略をどのように考え、最終的には買収後にどのように運営を行うかについて、フォーラムとして4つの買収基準の柱がある。この4つの柱には、高品質の財務業績、運用モデルの観点から見た安定性と単純性が含まれる。そして、カテゴリーのリーダーシップの可能性は3番目、明確な運用機会が4番目だ。
――ビジネスを獲得したあとで、どのように成長をめざすのか?
ひとつは、当社の「デイ・ゼロ・プレイブック」だ。これは最初の6〜12カ月を指している。つまり、eコマースビジネスを構築するために必要なことに関するベストプラクティスを割り当てるなど、コアとなる部分を加速させることが重要だ。これには優れたマーケティング資料、消費者の共感を呼び、デジタルシェルフに並ぶほかの選択肢よりも目立つようなコンテンツのコピー、パフォーマンス・マーケティングの最適化方法の検討などが含まれる。
「デイ・ワン」は、当社にとって中核を拡大することを意味する。新商品開発の立ち上げ、新しい国際市場への進出、ほかのマーケットプレイスへの展開、ブランドをより幅広い大規模市場の消費者または特定のニッチ内で異なる種類の人々に訴えかけるような方法で高めていくことなどを加速する。これらは長期的な投資で、企業を買収してからすぐに開始するが、結実までには多少長い時間を要するのが普通だ。
――Amazonアグリゲーターの業界は、多くのプレイヤーが登場するなかで、何か変化があったのでしょうか。
成熟したという意味なら、多少変化した。特に出品者は、ビジネスのエグジット、流動資産の生成、そして自らが構築した基本的な価値に対して実際に対価をもらうという点において、目の前に広がる選択肢について、より多くの知識を付けてきていると思う。これは非常に良いことだと感じている。
2020年に、初めて出品者と対話をしたとき、多くの人が、自分たちのビジネスを売り払うことができること、また、その市場に多額の資金を投入する人々が存在するということに驚いていた。
しかし、競合の観点から見ると、これは巨大なエコシステムだということだ。Amazonだけでも、有意義な規模のビジネスを行っている出品者は何万も存在する。
この分野は依然として早期段階だ。しかし、この分野で何が起こっているのかについての教育や認識という点では、大きく好転したと考えている。
[原文:Amazon Briefing: Forum Brands co-founder says the aggregator space still in ‘early innings’]
Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)