また展示されているバーチャルファッションのクオリティがハイレベルなのよ。低ポリゴン数で扱いやすいのに見栄えがめちゃくしゃ良くってさ。
お店に入って店員さんと話していたら、まさかのオーナーデザイナー。そんな言葉があるのかどうかは知らないけど、VRメタバースで着られるアパレルアイテムをモデリングしたデザイナーであり、ショップオーナーが直接説明してくれるってリッチすぎ。ファッションブランドの展示会でもなければ体験できないでしょ、コレ。
VRメタバースって本当に可能性があるよなあ。と感じたココは、VRChat内にあるバーチャルショッピングモール「Carat」(@Carat_Vmall)です。仮想空間のなかでリアルな購買体験ができる場です。
モールのなかを歩いていてウィンドウショッピング、気になったブランドがあったら店内に入ってアイテムを物色する。この、リアルと同じ一連の流れが楽しめるというのが新鮮じゃないですか。
店内の広さも、イオンのショッピングモールに入っているショップくらいでちょうどいい。他のお客さんがいても気にならないし、店員さんとの距離も適切なんです。
今までにもさまざまなVR展示会が行なわれてきました。しかし美しい作品は展示されているものの、誰もいないブースがズラリと並んでいることが多く、ちょっと物足りないと思っていました。コミックマーケットやデザインフェスタみたいに、「これ凄くカッコいいですね!」や「どうやって作ったんですかコレ?」と話したい気持ちが満たせないとこがあったんですよね。
でもCaratは違います。気になるアイテムを手にとって、鏡の前で自分のアバターに重ねてチェックしながらデザイナー兼オーナーの店員さんとお話できます。アバターを介せば人見知りな気持ちが抑えられるので、リアルなショップでは店員さんとの会話が苦手という方も、ここでなら買い物の醍醐味をフルに味わえるかも。
現状はレディースファッションのブランドが中心
いくつかショップを見ていきましょう。こちらはフワッと広がるドレープラインが美しいドレスをモデリングしているMelty Lily(@_Melty_Lily_)です。とてつもなくエレガント。絶妙な光沢感が、シンプルなデザインを引き立てています。
ミュールの作り込みにも圧倒されます。僕は普段男性アバターしか使っていないけど、リアルでは触れられないファッションが楽しめるのであれば、女性アバターを持っていてもいいかなと思えてきます。大槌を格好良く持ちたいからドワーフのキャラメイクがしたい、といった気持ちと同じように。
セレクトショップのCornet(@Cornet_vrc)の店内には、綺麗めパーカーや、素材感が伝わってくる柔らかそうなタートルネックのセーターに、アバターとの相性が良さそうなノースリーブシャツもあって、VRのお姉さんストリート感があるなあと思いきや。
シワや縫製部分の盛り上がり、美しく縫われたレースにチャックの位置などリアルを追求したバニースーツもあって、キレイ✕キレイな店内に感嘆の声が上がります。
ガーデンちっくな店構えのShelineCloset(@asari_vv)は好きな彼女に着て欲しいぽさがあるブランド。やっぱレディースが多いですね。リアルのショッピングモールと同じように。
個人的イチオシのショートケーキブーツ。リアルじゃないからどんなワールド歩いても汚れません最高!
メタバース内での接客、アバターワークのベンチマークにもなってる
コンテンツが重視されるメタバースなら、IP大国の日本をアピールできるとあって、メタバースサービスを作っていない企業ばかりがふんすふんすと鼻息荒くなっている昨今。おかしいな、それクールジャパンのときにも聞いた気がする。あのとき、海外のショッピングモール内に作ったジャパンなフロアってどうなったっけ。撤退しているところも多いよね。
単にモノを並べるだけで売れるのは、本当に強力なインパクトを持っているアイテムばかり。現場も含めて売る・アピールすることをしっかりと考えていかなければ、メタバース内でも同じことになってしまうと思うのです。
でもCaratを見ていると、カタログ販売的なECサイトとは違ったアプローチが重要、つまり接客というのがいかに大事かが見えてきます。どのショップの店員さんにも、来店してくれた人に楽しんでもらいたいという気持ちがあるから、こっちとしてもブランドそのものが好きになってくるし、みんなにも伝えたくなってくる。
メタバース内で小売ビジネスを手掛けていきたい人にも体験してほしい。マジでそう感じます。
Carat営業日(イベント開催日)は限定されていますが、無人のショッピングモールとならないように必ず店員さんがいる日程で開催されるみたい。詳しくは公式Twitterアカウントをチェックしてくださいね。
Source: Twitter