もしキャンバスが空と同じくらい広かったら、過去の画家たちはどんな世界を描いたのか?
そんな答えのない問いに立ち向かったのでしょうか。mallangさんが作ったVRChatのワールド「Starry Night Forest」は、ゴッホの代表作の1つである『星月夜』(The starry night)をモチーフとして、思いっきり拡大解釈したワールドとなっています。
ゴッホの『星月夜』:時間のうねりを感じさせる渦巻きタッチ
では最初に、ゴッホが描いた星月夜からご覧ください。精神病院に入院している間に描かれた、病室の窓からの風景。しかし実際にその窓から教会や住宅が見えることはなく、過去の記憶が混ざってこう見えていたのではと評論家は語ります。渦巻く夜空というのも印象的です。
当時のゴッホはこの星月夜のように、時間のうねりを感じさせる渦巻きタッチの作品がいくつかありました。新たな表現方法としてチャレンジしていたのでは、という説もあります。
Starry Night Forest:VRメタバースだからできる「斜め上の解釈」
こちらはVRChatワールドのStarry Night Forestです。有機的な糸杉の代わりに鉄塔が立ち、街の気配はありません。同じ病院から見たときの、姿をイメージしたのか、と思いきや。
一歩下がってみると、渦巻く夜空に見えていたものが木星のような巨大な星だったというユニークすぎる解釈をしています。というかこれが月? 道理で原作にあった三日月がないはずだ。っていやいや。
でも3Dの世界を丸ごと構築できるVRメタバースだからこそ、こういうチャレンジングな表現もできるというもの。原理主義的にコレはコレでなくてはいけないと思い込むのではなく、自由な解釈ができる発想力は凄いし羨ましいな、と思える場所ですよ。
Source: VRChat