CBDブランドのフルール・マルシェ(Fleur Marché)は、機能的ウェルネスとCBDの会社、エクイリブリア(Equilibria)によって買収された。買収額は非公開だった。
4月5日に発表されたこの買収の一環として、フルール・マルシェとそのチームは引き続き独立して運営され、共同創業者のアシュリー・ルイス氏とメレディス・シュローダー氏が指揮を執り続けることになる。エクイリブリアは、買収後、製品開発やイノベーション、国内流通などの分野でフルール・マルシェをサポートすることになる。
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女性の創業者によるCBDブランドという両社の共通点
「両ブランドのあいだにはエキサイティングな相乗効果がとても多い。女性によって創業、主導されている企業で、ウェルネスを幅広く誰でも入手できるようにすることに情熱を傾けている。また、どちらもCBDとカンナビノイド分野というカテゴリーで創業した」とエクイリブリアのCEO、ココ・ミアース氏は述べている。
元グープ(Goop)のエグゼクティブだったルイス氏とシュローダー氏が2019年にフルール・マルシェを立ち上げたとき、同社は「CBDのグープ」というニックネームで呼ばれ、マルチブランドのCBDマーケットプレイスとして機能した。そして、2021年には、eコマースから卸売重視の戦略への移行の一環として自社ブランドのみを扱うブランドへ転身。これまでには友人や家族からのシード前の資金調達で150万ドル(約1.9億円)を集めたが、クランチベース(Crunchbase)ではサブバーシブ・キャピタル(Subversive Capital)が一投資家として挙げられていた。フルール・マルシェの製品ラインナップには、CBDやそのほかの成分が皮膚から吸収される経皮パッチ4点などがある。
CBDを超えた製品展開を目指すフルール・マルシェ
ルイス氏によると、製品開発に関してフルール・マルシェはそのフォーカスを「CBDだけではなく、植物ベースのもっと幅広いウェルネスに」シフトしたということだ。
「経営陣として、我々はCBDが始まりにすぎないと確信している」とミアース氏。両社のプレスリリースには、CBDのほかに「キノコ、向知性薬、アダプトゲンがますます受け入れられてきている」と記載されている。
ミアース氏によると、両社は現在「フルール・マルシェのイノベーションのうち、CBDとCBD以外の製品両方においてエクイリブリアで展開するのが理にかなっているもの、またその逆のものは何かを探っているところである」そうだ。
用量について顧客にアドバイスを提供するエクイリブリア
エクイリブリアも2019年にローンチ。匿名のグローバルCPGコングロマリットのベンチャー部門の関与を得て、カンナビスファンドのソルヴェオ・キャピタル(Salveo Capital)とハイドパーク・エンジェルス(Hyde Park Angels)が主導して合計500万ドル(約6.2億円)を調達している。ミアース氏によると、同社のCBD経口摂取製品と外用製品は自社D2Cサイトのみの独占販売であり、自社を「遠隔医療」領域に含まれると見なしている。
エクイリブリアには25人の「投与スペシャリスト」がおり、顧客とヴァーチャル相談を行ってはCBDの用量に関するアドバイスを提供している。
フルール・マルシェの強みは大手小売との卸売関係
一方、ルイス氏によると、フルール・マルシェは「正真正銘の卸売業をしっかり築き上げている」という。現時点では、アーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)、アンソロポロジー(Anthropologie)、ノードストロム(Nordstrom)、フォックストロット(Foxtrot)、アースバー(Earthbar)で取り扱いがあり、将来の提携についても国内小売業者と話し合っている。この卸売関係がエクイリブリアにとっては魅力だった。
「我が社には卸売のプレゼンスはないが、フルール・マルシェには影響力のある素晴らしいアカウントがいくつもある」とミアース氏。
また、両ブランドがフォーカスする年齢層は異なっている。エクイリブリアの主な顧客層は閉経後の女性で、フルール・マルシェはZ世代がターゲットだ。
買収後の次の成長フェーズにおける目標は、米国内の小売業において「フルール・マルシェの大規模な拡大達成への支援にフォーカスすること」とミアース氏は述べている。
[原文:Equilibria acquires Fleur Marché: ‘CBD is just the beginning’]
LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)