Adobe Premiere Pro/After Effectsにリモート環境向けのコラボ機能

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Frame.io for Adobe Creative Cloud(Premiere Pro)

 Adobeは、リモート環境における制作ワークフローを強化する「Frame.io for Adobe Creative Cloud」など、Creative Cloud動画関連製品向け新機能の提供を開始した。

コラボレーションを強化する「Frame.io for Adobe Creative Cloud」

 Frame.io for Adobe Creative Cloudは、動画やコンポジションのレビュー、承認といった作業におけるコラボレーションを強化する機能。Premiere ProおよびAfter Effects向けに展開する。

 追加料金は不要で、Creative Cloudコンプリートプラン(学生・教職員向けプランを含む)、Premiere ProおよびAfter Effectsの単体プランにて、アップデートの適用で利用可能。ただし、小・中・高および高等教育機関向けのすべてのプランは対象外となる。

 同社が2021年に買収した「Frame.io」が持つコラボレーション機能を、Premiere ProおよびAfter Effectsに新機能として統合したものとなる。これまでFrame.ioの無料プランでは同時編集可能なプロジェクト数が2つまでだったが、Frame.io for Adobe Creative Cloudでは5つまで可能となった。また、クラウドストレージとして、Creative Cloudとは別に100GBの専用ストレージも利用できる。

Frame.io for Adobe Creative Cloud(After Effects)

クラウドを通じてレビューや承認を行なえる。専用ストレージも用意

 編集したデータをクラウドで共有し、チームメンバーやクライアントへのレビューや承認を依頼できる機能を用意。レビュワーは、Webブラウザやアプリを通じて映像を確認したり、テキストや手書きによってコメントが行なえる。各フィードバックには自動でタイムスタンプが付き、Premiere ProやAfter Effectsのタイムラインと同期するため、編集作業の効率化も図れる。

 加えて、カメラからクラウドへ撮影データを転送する「Camera to Cloud」もサポート。各フッテージの撮影直後に転送を開始するため、全体の撮影セッションが継続していても編集作業を始められる。現時点では、一部の対応機器のみで利用が可能だとしている。

Premiere Proはより直感的に作業できるように。AI色補正機能も追加

 Premiere Proでは、より直感的に編集作業の実現を目指し、UI/UX周りを改善。読み込みおよび書き出し機能や、一連の作業の流れをまとめたヘッダーバーなどに変更を加えた。

Premiere Proでは読み込みから書き出しまでの一連の流れが分かりやすく

新しくなった読み込み

書き出しも刷新

 読み込みは、これまでプロジェクトのフレームレートや解像度などを先に設定してから素材を読み込んでいたが、これを最初から素材を選んで読み込んでいく形式に変更した。素材の一覧画面では、各素材の解像度やフレームレート、ファイル形式などを確認できるほか、一括選択やフィルタリング、検索なども行なえる。

 また、素材を選んで読み込むと、すべての素材をタイムライン上に配置して、編集作業にすぐ取りかかれるようになった。従来の読み込み方式も引き続き利用できる。

 書き出しは、ユーザーが目的にあわせてプリセットを選び、それに適した推奨設定を提案するように変更。各プリセットにはトグルスイッチを用意し、Media Encorderに送らずとも複数書き出しが行なえるようにもなっている。

 ヘッダーバーは、読み込み、編集、書き出しの3段階で作業をまとめるかたちで刷新。カラーやキャプションなどといったワークスペースは右上のドロップダウンメニューにまとめることで、Photoshopなどと同様のUIとなった。ワークスペースは従来の一括表示にも切り替えられる。

Adobe SenseiによるAI色補正機能のオートカラーも利用可能に

オートカラー機能

 そのほか、Adobe Senseiによる自動色補正機能「オートカラー」を正式版として実装。ボタン1つでAIが色補正してくれる機能で、さらにユーザーがスライダーを使って調整することもできる。調整項目の表記をLightroomとあわせ、使いやすいデザインとした。

After EffectsはApple Siliconにネイティブ対応

 After Effectsは、今回のアップデートにより、Apple Silicon(Apple M1チップなど)へのネイティブ対応を果たし、アプリケーションの起動やレンダリング処理などを高速化。前世代のMacと比べ、M1で2倍、M1 Ultraで最大3倍の高速化を実現したとしており、ロトブラシ2やシーン編集の検出といったAdobe Senseiを活用した機能も高速に処理できるようになった。

起動やレンダリング、デコードなど様々な動作において処理を高速化

 新機能としては、レンダリング済みのクリップからAdobe Senseiがシーンを自動的に検出する「シーン編集の検出」機能を追加。各シーンを個別のレイヤーとして配置したり、マーカーを作成でき、作業の効率化が図れる。

 さらに、フレームの外側にある2D/3Dレイヤーを表示し、レイヤーの移動や調整などをしやすくする「拡張ビューア」機能も追加。作業内容に応じてフレーム外側の領域の透明度も調整できる。

AIによるシーン編集の検出機能

フレームの外側も確認できる拡張ビューア

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