だって、魅力的なカメラ多いもんね。
スマホで簡単に写真が撮れるようになりました。思い返せば、2000年にJ-PHONE(ソフトバンクモバイルの前身)から、カメラ機能付きの携帯電話「J-SH04」が登場。当時、携帯電話関係の原稿を多く書いていた僕は、「は? 携帯電話にカメラ? 何それ? 誰が使うんだろう?」と思っていました。ライターなのに! ええ、思っていましたとも! この先見の明のなさったら!!
しかし、これが大ヒット。当時は「写メール」「写メ」なんて言われるようになり、今でもスマホで写真を撮ることを「写メ撮る」って言ってる人もいますね。電子レンジでチンする、みたいな感じで。
時は流れ、スマホ時代に突入。最近ではスマホの一番のウリがカメラの画質だったりします。
このような状況で、逆に青息吐息になったのがカメラ業界。スマホで手軽に写真が撮れるようになり、売り上げは右肩下がりになっていました。
しかし、10年近く落ち込んでいたカメラ市場が復調の兆しを見せているとのこと。2021年のデジカメ世界出荷額が前年比16%増と、4年ぶりにプラスになったのです。
日本経済新聞の記事によると、
1.カメラ好きが各メーカーのハイエンド機を購入していること
2.コロナ禍でSNSでの動画配信需要が高まったこと
3.アナログを求める「スマホ世」がインスタントカメラを購入していること
が要因に挙げられています。確かに、僕の周りでもカメラ買っている人増えたような気がします。しかも、結構いい機種を。
どうせ買うならいいやつを。ハイエンド機が人気
最近では、ニコンのZ fcやZ 9などが注目を集めていましたし(実際品薄だった)、キヤノンのEOS R5、EOS R6、フラッグシップのEOS R3なども人気が高いですよね。ソニーもα7cの品薄が続くなど、人気が高い状況が続いています。
何気に僕の周りに多いのが富士フイルムユーザー。X-TシリーズにX-Eシリーズは結構見かけますし、デジタル中判カメラのGFXシリーズに興味津々な人もいます。
「どうせカメラ買うなら、いいの買おうかな」という意識が高まっているのかもしれません。また、SNSなどでかっこいい写真を見たりする機会が増えて、「こういう写真が撮りたい」と思い、ワンランク上のカメラを購入するケースが増えているようです。
Vlogとオンライン会議で需要が高まる
もうひとつ、デジカメ人気の要因となっているのがビデオ撮影。動画で日常の風景を配信する「Vlog」の流行、リモートワークでのオンライン会議の定着などで、Webカメラやアクションカメラよりも高画質な動画需要が高まった結果、ソニーのVLOGCAM ZV-E10など、動画に特化したデジカメも登場しました。
ビデオカメラよりもセンサーサイズが大きいため、より高画質で撮影できるのがデジカメのメリット。静止画だけではなく動画も撮りたいというニーズをデジカメが満たしてくれた結果が、デジカメ市場全体の盛り上がりに一役買っているのです。
「エモい」写真はインスタントカメラで
一方、インスタントカメラの「チェキ」も好調。最上位機種のinstax mini evoは実売価格2万5800円とそれほどお安くない値段ですが、国内販売台数は想定の2倍以上。
デジカメ全盛時代になぜフィルムのインスタントカメラ? と思うかもしれませんが、これもSNSの影響が。「エモい」写真を撮りたい若い世代が購入しているのです。
確かにデジカメのデジタル画像に比べ、フィルムのアナログな画質はノスタルジーや温度、湿度を感じやすいものです。そういう部分が若い世代には新鮮に映るのでしょうか。
かくいう僕も、昨年フィルムカメラを買いました。コンパクトカメラですけど。たまにフィルムで撮影すると、「フィルムっていいなぁ」なんて思います。ちょっとざらっとした粒子感、いいですよね。
長年カメラを、写真を楽しんできた僕としては、カメラ業界が元気になってくれるのはたいへん喜ばしいこと。スマホで手軽にパシャッともいいですけど、ここぞというときはやはり思い入れのあるカメラで撮影したい。
最近はミラーレス一眼ばかり使っていますが、たまには古いカメラやデジカメを引っ張り出して、撮影したいなと思います。あ、もちろん新しいカメラやレンズも買いますよ(お金があれば…)!
Source: 日本経済新聞