きな粉の上を滑っているような感じかしら…。
先週、ヨーロッパではどんよりとした空が広がって、多くの場所で地面がオレンジがかった色になったり、スキー場や雪山のてっぺんが、キャンディーをテーマにしたおとぎの国や火星のようになったりしたそうです。その原因は、3月15日にサハラ砂漠からはるばるやってきた巨大な砂塵だったとのこと。ちょっと意味がわかんない…。
かつてない規模の砂塵雲
Saharan dust from Africa blanketing a ski resort in Spain. A snowy landscape turned Martian.
Incredible footage. pic.twitter.com/aTjV4UI0LT
— US StormWatch (@US_Stormwatch) March 16, 2022
ツイート訳:「スペインのスキー場を覆うアフリカからやってきたサハラ砂漠の塵。火星みたいになった雪景色。目を疑いたくなるような映像」
こういうことが起こったのは今回がはじめてじゃないものの、何カ国にもまたがる規模の砂塵雲にはめったにお目にかかれないそうですよ。NASAの地球観測研究所によると、カナリア諸島を通った強い風と雪を伴う嵐と、そのあとに続いた大気の川が巨大な砂塵の雲をスペインとフランスまで連れてきちゃったのだとか。水蒸気を運ぶ大気の川は、長距離を移動しながらくみ上げた水蒸気を雨や雪として広い地域にまたがって降らせることで知られていますが、砂漠の砂塵を運んじゃうこともあるんですね。
大気科学者によると、大気の川が水蒸気を取り込むのと同じように、特に強い風を伴う大気の流れは、砂漠地帯を移動するときに砂塵を巻き上げて離れた場所まで運ぶ力があるそうです。大気の力おそるべし。
2020年に過去最大レベルの砂漠の塵が観測されたときには、密度の高い雲がヨーロッパ全域を覆ったそうです。その移動距離がすごくて、最終的には大西洋を渡ってフロリダやテキサス、カリブ海にまで到達しちゃったんですって。
健康や熱帯雨林、異国の文化にも影響を与えるサハラの砂塵
ところで、人間にとっては呼吸器系疾患の原因になったりする砂塵にいい印象なんて持てないかもですが、熱帯雨林にとっては肥料になる栄養素を運んでくれる重要な自然現象だったりもします。
さまよえるサハラの砂塵は、わたしが生まれ育ったプエルトリコの音楽にインスピレーションを与えているんです。子どもの頃に「Los Polvos Del Sahara(サハラの塵)」という歌を聴いていました。人々が問題をなんでもかんでも砂塵のせいにしちゃうユーモアあふれる曲なんですよ。
歌詞を探したけど見つからず。やっぱりスペイン語を勉強したほうがよさそう。テキサスに住んでいるんだし…。