Appleはロゴにリンゴを使う企業や団体に異議を申し立てまくっている、ナシ型ロゴも対象

GIGAZINE
2022年03月20日 23時11分
メモ



Apple製品に記されるリンゴ型のロゴは、一目でAppleのものだと分かる知名度を誇っています。このロゴは「リンゴ」という日常にありふれた物をモチーフにしているため、他の企業が似たデザインのロゴを採用することは自然なことに思えます。しかし、Appleは「リンゴをモチーフにしたロゴ」を用いる企業を次々と訴えていることが報告されています。

Apple’s Trademark ‘Bullying’ Targets Small Businesses, Nonprofits | Tech Transparency Project
https://www.techtransparencyproject.org/articles/apples-trademark-bullying-targets-small-businesses-nonprofits

Appleはリンゴをモチーフとしたロゴを採用しており、iPhoneやiPad、MacBookなどAppleの製品のほとんどにリンゴ型のロゴがプリントされています。テクノロジー関連分析団体のTech Transparency Projectによると、Appleはリンゴやフルーツ型のロゴを用いている企業に対して3年間で215件もの異議申し立てを行っているとのこと。Amazon、Google、Microsoft、Meta(Facebook時代を含む)による異議申し立て件数の合計は3年間で136件であることから、Appleが非常に多くの異議申し立てを行っているとこが分かります。


215件の異議申し立てのうち、118件は医療サービスや教育団体などAppleの競合とは思えない企業・団体を対象に行われていました。例えば、メリーランド州に本拠地を置く教育系非営利団体「3.14 Academy」はリンゴの中に「π」を含めたロゴを商標として出願しましたが、Appleの弁護士から「消費者の心理に混乱や間違いを引き起こす可能性が高い」として異議を申し立てられました。3.14 Academyは法定費用が1万ドル(約120万円)を超えてしまうことを理由に、争わずにロゴの採用を諦めています。


Appleによる異議申し立ての例は他にもあります。看護師向けの試験情報サービスを運営するLatrina Walden氏は、2019年5月に以下のロゴを商標調査したところ、2020年3月にAppleから異議を申し立てられました。Walden氏は申し立てを受けて2021年3月にロゴを変更しましたが、法定費用とロゴのデザイン費用に合計7000ドル~1万ドル(約84万円~120万円)を費やしたとのことです。


ウィスコンシン州のアップルトンに位置するアップルトン学区が以下のロゴを2020年1月に申請したところ、Appleから2020年7月に異議を申し立てられました。その後、2020年9月にアップルトン学区は申請を取り下げました。


The Melbourne Health Writerがオーストラリアで以下の左側のロゴを2020年9月に商標登録したところ、Appleから異議を申し立てられました。しかし、右側の画像のように葉の方向を変更したところAppleは異議申し立てを取り下げたとのことです。


Appleによる異議申し立てはリンゴ以外のフルーツをモチーフにしたロゴにも至っています。例えば料理レシピ提供サービス「Prepear」は「ナシ型のロゴ」を商標登録しようとしたところ、Appleからの異議申し立てを受けました。その後、Prepearは「ナシの葉の形状」を変更して商標問題を解決しています。

「ロゴがそっくりだ」として問題になっていたAppleとPrepearの商標権争いが無事解決 – GIGAZINE


Tech Transparency Projectによると、Appleが異議申し立てた118件の事例のうち76件はAppleに有利な判断が下されたとのこと。Appleは上記のようにAppleと競合しない企業・団体に対して広く異議を申し立てています。一方で「教育系非営利団体『Apple Seed』に異議を申し立てているのに、音楽関連企業『AppleSeed』に異議を申し立てない」といった事例も存在しており、Tech Transparency Projectは「Appleによる異議申し立てには一貫性がありません」と指摘しています。

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