航空機のGPSへの干渉が異常に増加しているとフィンランド当局が警告

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by K.Tomoaki

フィンランド運輸通信省(Traficom)が「フィンランドの中部と東部で航空機のGPSに対する干渉が異常に増加している」と発表しました。これらの干渉の原因について、当局は調査中だと語っています。

Itä- ja Keski-Suomessa havaittu lentoliikennettä haittaavia häiriöitä GPS-signaalissa – useat lentokoneet ovat raportoineet ongelmista
https://yle.fi/uutiset/3-12348237

Unusual amount of reports about GPS interference near the eastern border of Finland | Traficom
https://www.traficom.fi/en/news/unusual-amount-reports-about-gps-interference-near-eastern-border-finland

Disruptions in GPS services hinder air traffic in central and eastern Finland
https://www.helsinkitimes.fi/finland/finland-news/domestic/21147-disruptions-in-gps-services-hinder-air-traffic-in-central-and-eastern-finland.html

Finland reports GPS disturbances in aircraft flying over Russia’s Kaliningrad | Finland | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2022/mar/09/finland-gps-disturbances-aircrafts-russia

Traficomによると、2022年3月6日以降、フィンランドの中部と東部において航空機約10機でGPSに対する異常な干渉が確認されているとのこと。報道によると、この事態による実害もすでに出ており、リトアニアの航空会社であるTransaviabaltikaはフィンランド東部に位置するサヴォンリンナ空港に代替ナビゲーション機器が存在しなかったため、GPSの異常によりヘルシンキ-サヴォンリンナ間の18便をキャンセルせざるを得ない事態に陥りました。

by Anna Zvereva

Traficomは国営交通管制組織のFintrafficに対して一連の事態に関する警告を航空各社に通知するように指示した上で、「航空各社はGPS信号が途絶えた際の運用手引きを備えているため、仮にGPSが使えなかったとしても飛行自体の安全性は確保されています。ただし、この状況下で運航を行うかどうかは、航空各社の判断に委ねます」と公式に回答しています。

フィンランド国営放送によると、一連のGPSに対する異常な干渉はヨエンスー・クオピオ・ユヴァスキュラ・ミッケリなど、フィンランド中部・東部のみで確認されているとのこと。フィンランド国営放送はTraficomのJari Pöntinen局長の「原因を特定するのは困難」という発言を報じつつも、「現状ではそのような兆候は確認されていないものの、2018年に同様の事件が発生した際にはロシアの犯行であるという疑いがあった」と、今回の一件の原因がロシアである可能性を示唆。一方、イギリス大手紙のThe Guardianは「ロシアのカリーニングラード上空とロシアの国境近くを通過する航空機にGPS干渉の疑い」「フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領がアメリカのジョー・バイデン大統領とワシントンでウクライナ侵攻について話し合った直後に干渉が始まった」と、直接的な明言は避けましたが、ロシアとの関連性を強く意識した論調です。

なお、公式報告を発表したのはフィンランドのTraficomのみですが、航空交通管制で用いられる放送型自動従属監視(ADS-B)から得られたデータによると、一連の干渉はフィンランドのみならず、ポーランド・リトアリア・ラトビアなどのバルト海付近で突如増加したと報告されています。

I thought making maps of GPS/GNSS interference might turn out boring. But 3 days ago suddenly the Baltic (Poland, Lithuania, Latvia, Kaliningrad) started having some of the most significant interference on the planet, after weeks of nothing unusual. Why now? pic.twitter.com/Hnwh6Hgjmk

— John Wiseman (@lemonodor)


フィンランドのサンナ・マリン首相はすでに外務省が事件の調査を開始していると回答し、一連の干渉の原因やロシアが黒幕か否かについては「情報がない」とコメント。「仮に外部からの干渉が原因だった場合には、公式にお伝えする」と述べました。

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