こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
※モダンリテール[日本版]は、DIGIDAY[日本版]内のバーティカルサイトとなります
MRブリーフィングは、変動の激しい小売業界が直面する課題やトレンドについて、モダンリテールが注目しているニュースをご紹介します。
D2Cビジネス隆盛のなか、苦境に立たされる卸売業者たち
多くの消費者向けスタートアップ企業がD2Cビジネスにこだわることによって限界に達しているにもかかわらず、長年サードパーティの小売業者に依存してきたブランドは、逆に独自のD2Cビジネスを拡大したいと考えるようになっている。その一方で、長い間これらのブランドに依存してロイヤルティを追求してきた卸売小売業者も、D2Cビジネスの力を自ら高めようとしている。
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スニーカー小売大手のフットロッカー(Foot Locker)が2月25日に第4四半期業績を発表した際、この動きはより明らかになった。フットロッカー最大のベンダーであるナイキ(Nike)はこの数年間、ナイキ自身が所有する施設を通じてより多くの売上を上げたいと述べてきた。2021年、ダイレクト販売はナイキの売上の40%近くを占めていた。
フットロッカーでは、売上全体に占めるナイキの売上の割合が小さくなっており、2022年には売上全体が減少すると予想している。フットロッカーのCEOであるリチャード・ジョンソン氏は25日の決算発表で、ナイキの売上の割合が、2020年の75%から2022年には60%に減少すると予想していると明かした。フットロッカーは、2022年に総売上高が4%から6%減少すると予想しているが、この減少の原因を複数の要因(米国の消費者が2022年初頭のような刺激策を今年は受け取っていないことなど)に求めていると述べている。
「フットロッカーにとって、より幅広いベンダー基盤は長期的には有益かもしれない。だが、ことわざにもあるように、バンドエイドを傷口からはがすときには痛みを伴うだろう」と証券会社ウェドブッシュ・セキュリティーズ(Wedbush Securities)のアナリストであるトム・二キッチ氏はリサーチノートに書いている。
フットロッカーは、プーマ(Puma)、ニューバランス(New Balance)、ティンバーランド(Timberland)、アグ(UGG)、クロックス(Crocs)など、同社が扱うほかの人気ブランドが2ケタの売上成長を記録したことを指摘し、業績見通しをポジティブに捉えようとしている。また、子ども服のロケッツ・オブ・オーサム(Rockets of Awesome)やスニーカー専用マーケットプレイスのゴート(Goat)といったデジタルネイティブなスタートアップ企業に投資するとともに、独自のプライベートブランドラインを開発するなど、この数年間、より消費者に直結する感覚を身につけようとしてきた。しかしこれらの投資は、ナイキのような強力なファンを持つ企業が、より多くの販売を自社のウェブサイトに移行するというインパクトに耐えるには十分ではなかった。
ーー[原文:s more brands go DTC, wholesale retailers are left scrambling]Anna Hensel(翻訳・編集:戸田美子)
MR Newsレビュー
速報系ニュースを振り返る「MR Newsレビュー」。今回は2月25日(金)〜3月3日(木)にモダンリテール[日本版]のTwitterでご紹介したニュースをまとめました。
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Edited by 戸田美子