ブランド が取り組むべき、2022年の「トレンド」とは?:ホライゾン・メディア最新リポート

DIGIDAY

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ホライゾン・メディア(Horizon Media)傘下のWHYグループ(WHY Group)は、仮想世界を中心に、文化面・社会学面のあらゆる新たな動向を徹底的にチェックする部門で、このたび顧客とチーム向けに「トップ・トレンド2022」リポートを発行した。公開に先駆け、米DIGIDAYではその内容を入手。新語も登場するリポートには8つのトレンドが取り上げられており、デジタルプライバシー、非接触の生活、環境目標、休息の必要性といった分野に分かれている。

特徴的なのは、「社会正義」に関しては若干言及されてはいるものの、大きな影響を与えるものとしてDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)についてはそれほど言及されていない点だ。

エージェンシーマーケターが、多様な人材の獲得や、DE&Iの取り組みの実施を監督する担当役員の雇用に対して積極的に取り組んできた結果、DE&Iはこの1年半にわたり、重要なトレンドや展開を扱うリストの大半で大きく取り上げられてきた。その一方で業界内では、実践の伴わないリップサービスが多いために、せっかくのDE&Iの取り組みも失速しているという非難の声が聞かれる。とはいえ、1月第4週はじめにホライゾン・メディアが新たなチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)兼チーフ・エクイティ・オフィサーとしてラトビエッタ・D・スミス=ウィルソン氏を迎えることは言及に値する。

ホライゾン・メディアのエグゼクティブ・バイスプレジデントでWHYグループのリーダーも務めるシェリ・ロダー氏は、今回のリポートでDE&Iが特に大きく取り上げられていない理由を「DE&I自体、『トレンド』、つまり、新たな動向ではない」と説明する。「これは社会通念として定着しつつある新たな認識のひとつであり、より賢明な『ブランドのあり方』として、私たちのマーケティング・ウィズ・コンシャスネス(Marketing with Consciousness)の取り組みで探究を続けている認識でもある」。

ロダー氏は本リポートが掲げる目的全般に関して、こう付け加えた。「[本リポートは]当社が2021年に特定、定義したトレンドについて取り上げたものだ。2021年というのは、『大いなる再建』について考えながら、終わりなき変遷を乗り越えてきた年でもある。私たちが2022年に向けて重要なシフトだと考えたトレンドは、より良い行動をとり、より良い企業としてより良い結果を出すためにエージェンシーができることに絞られている」。

将来の展望

トレンドのなかから5つを簡単に紹介しよう。

Untact:「アンタクト」(非対面) – 非接触の新たな動きに対応して韓国で生まれた造語。リポートの項目は以下のとおり。

  • QRコードの復活。ファストフード大手タコベル(Taco Bell)が今年ローンチする非接触型レストランコンセプト、デファイ(Defy)で期待される。
  • エンタテインメントでアバターが台頭(フォックス[FOX]のオルター・エゴ[Alter Ego]コンテストなど)。
  • 広告キャンペーンでVRとARを使用(ウォルマート[Walmart]やFacebookで見られた2021年のクリスマス商戦など)。
  • ブランドへの提案:自動車メーカーなら、世界中から場所を選べるバーチャルテストドライブ。デート・恋愛アプリには、顔認証技術の活用を提案。ユーザーの好みの理解度を高める。

Restivism:レスティビズム(休息第一主義) – リポートでは、大離職時代にあって、心の健康と息抜きの必要性が注目され、仕事一辺倒の働き方から少し距離を置き、「働くときは働く、遊ぶときは遊ぶ」という仕事の倫理観に対する異見も取り上げられている。

  • Apple iOS 15の集中モード。複数のアプリで、「ドゥ・ノット・ディスターブ(Do Not Disturb)」リストのカスタマイズが可能に。
  • イケア(Ikea)の昼寝用移動式ボックス、シエスタ(Siesta)。パリの街を走り、30分間の昼寝を推奨する。
  • ブランドへの提案:ホスピタリティやホテルのブランドなら、地元の企業を組んで、マイクロステイ(移住前の短期お試し体験)を割引料金で提供する。コーヒー注文アプリで店舗付近の地図を提供し、顧客に店舗界隈の街歩きを勧める。

Empowered Privacy:プライバシー保護の強化 – 新型コロナウイルスの感染拡大から、オンラインの時間が急増した結果、「プライバシー保護の喚起」のようなものが生じた。たとえば、間もなく訪れるCookieの終焉、ユーザー承諾やオプトインの導入の改善のほか、人事ではプライバシー保護関係役員の増員も見られる。

  • Facebookが顔認証システムを廃止。
  • モバイルユーザーは、新しい暗号化メッセージアプリにシフト。
  • 複数のテレビ番組で、トラッキングの闇をフューチャー(たとえば、Netflixの「YOU ー君がすべてー」シーズン3)。
  • ブランドへの提案:顧客から個人のデータや情報をもらうときには、何らかの見返りを提供する。広告主は、取引相手として、プライバシー保護の規制に明記されている項目すべてに準拠した業者を選ぶように心がけることも重要。

Carbon-Omics:カーボン全般 – 企業は2022年以降、これまで以上に炭素排出量削減に本腰を入れて取り組み、責任の一端を担わなければならなくなるとリポートは指摘する。

  • ビザ(VISA)のフューチャーカード(FutureCard)。顧客が古着や公共交通機関の切符などを購入した場合、キャッシュバックを実施した。
  • Google Maps(グーグルマップ)。目的地まで燃費の良いルートを提示するオプションを導入。
  • ブランドへの提案:ゲーム会社なら、再生可能エネルギーだけを利用したり、クリーンエネルギーを利用している場合は特別なエレメントが使えたりするゲームを作る。食品メーカーや食品販売店なら、バナナの皮から卵の殻まで、廃棄される商品の使い方を紹介する。

Civic Integrity:健全な市民活動 – ニュースメディアや政治家がSNS企業の危険性をいくら声高に訴えたところで、市民の手に権力を取り戻すために、口コミや内部告発は今後も続くという(実際に市民が権力を取り戻しているのかどうかは、議論の余地がある)。

  • フランセス・ハウゲン氏の証言とテレビ番組「60ミニッツ(60 Minutes)」への出演で、Facebookの卑劣な裏の顔が暴露された。
  • アストロワールド(the Astroworld)のコンサートで起きた惨劇以降、ヒップホップのトラヴィス・スコット氏は世間から叩かれている。
  • ハイブランドのコーチ(Coach)が古いバッグのリサイクル方法に関して顧客に誤解を与えたと、パーソナリティのアンナ・サックスが暴露。
  • ブランドへの提案:ファストフードレストランは、定期的にアンケート調査を実施して、従業員の労働条件の改善に取り組むべき。また、調査結果は年次報告書で発表することが求められる。

本リポートにはほかにも、NFTの台頭を取り上げた「NFTマニア(NFT Mania)」、環境と政治の激変で必要とされている救助テクノロジー「スキューテック(Rescue Tech()」、さらに、UFOなど未知で神秘なものや精神世界を含む「ワンダー・フル(Wonder-full)」の3つのトレンドが紹介されている。

[原文:The Rundown: Horizon Media’s latest report IDs trends brands need to embrace in 2022

MICHAEL BÜRGI(翻訳:SI Japan、編集:長田真)

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