【スタバ】ホイップもシロップも全て抜いた「虚無フラペチーノ」を作ってみたら…アイデンティティについて考えさせられた

ロケットニュース24

スタバの醍醐味とも言えるドリンクのカスタマイズ。ホイップ増量、シロップ変更、チョコチップ追加……などなど、貪欲に自分の好きな味を追及できる。

このカスタマイズは増量や追加だけでなく、ホイップなし・シロップ抜きといった減量系の変更も可能

引き算の美学でフラペチーノから全ての味の要素を抜いて「虚無フラペチーノ」を作ってみたのだが……。


・虚無フラペチーノ

今回、極限まで味の要素を抜いた「虚無フラペチーノ」を作るにあたって、私がベースとしてチョイスしたのは「バニラクリームフラペチーノ(539円)」。数ある定番のフラペチーノの中でも、ミルクとバニラだけと素材がシンプルだからである。

減らせるものは極限まで減らすよう、おこなったカスタマイズは以下の通り。


・ホイップ……抜き(0円)
・シロップ……抜き(0円)
・ミルク……無脂肪乳に変更(0円)


シロップもホイップも抜いて、ミルクも無脂肪入乳に変更。いろいろ失くしたにも関わらず、値段は普通の「バニラクリームフラペチーノ」と1円も変わらない。自分で考えたくせに、なんだかちょっと損した気持ちになってしまった。

ちなみにこの奇妙なカスタマイズの呪文をスタッフに伝えるのが恥ずかしかったので、モバイルオーダー&ペイで注文した。


・普通の「バニラクリームフラペチーノ」と比較

「虚無フラペチーノ」と、味の比較のために通常の「バニラクリームフラペチーノ」も一緒に注文。

出来上がった「虚無フラペチーノ」は、ホイップもないのでただ真っ白で飾りっ気のないビジュアル。ホイップの有無でここまで華やかさが変わるとは。

写真だとハッキリ写らないが、無脂肪乳を使っているからか普通の「バニラクリームフラペチーノ」よりも水っぽく、見るからに味が薄そうである。


・いざ飲み比べ!

まずは普通の「バニラクリームフラペチーノ」をひとくち。なめらかなホイップにバニラの香り、ミルクのしっかりした甘さ……。スタバといえば、このデザートみたいなガツンとした甘さだよね。

つづいて「虚無フラペチーノ」。ホイップだけではく、シロップも抜いたので、ただのミルク味の氷みたいな薄〜い、ほとんど味のしないものを想像していた。

ところが……予想に反して、「虚無フラペチーノ」はめちゃくちゃ普通に甘い味がするし、バニラの香りもした。薄ら甘いとかじゃなくて、しっかり甘い。スタッフが作り間違えたのかと思って、何度もカップを見たが「ノンシロップ・ノンホイップ・ムシボウ」と書いてある。

たしかに普通の「バニラクリームフラペチーノ」に比べるとちょっと味が薄い。しかし「虚無」どころかシロップもホイップも失ってもなお「バニラクリームフラペチーノ」としてのアイデンティティをしっかり保っていた。


・遠くアメリカに思いを馳せる…

スタバの発祥の地はアメリカ・シアトル……。シアトルはマイクロソフトやアマゾンといった巨大企業を生んだ街である。アメリカではきっと、ちょっとやそっとで自分を見失うようではやっていけないのだろう。

いっぽう私ときたら料金が変わらないことで損した気になったり、人の目を気にしてカスタムの呪文が言えなかったり、なんと小さな人間なのか……。

なぜかカスタマイズからアメリカの自由さと確固たるアイデンティティの強さ、そして自分のちっぽけさを感じる結果となった。

ちなみに「虚無フラペチーノ」は意外と美味しかったので、スタバのフラペチーノが甘すぎる人はシロップ抜きなどいろいろ引き算のカスタマイズを試してみるのもいいと思う。

執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

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