「我々がサブスクで提供しているのは、リニアとは別物だ」:BETの最高経営責任者スコット・ミルズ氏

DIGIDAY

BETはディズニー(Disney)やAppleよりも先にストリーミング分野に参入した。ディズニー+(Disney+)とApple TV+がデビューする2カ月前、バイアコムCBS(Viacom CBS)傘下の同社は、独自のサブスクリプションベースのストリーミングサービス「BET+」を開始した。ストリーミング時代が3年目に入った今、BETは2022年のストリーミング戦略にいくつかの変更を加える準備をしており、広告付きプランをテストしたり、姉妹ストリーミングサービスのパラマウント+(Paramount+)とのサブスクリプション抱き合わせを販売したりしている。

BETの最高経営責任者スコット・ミルズ氏は、「われわれはBET+で確立したプレミアム・ポジショニングに非常に喜んでおり、今は広告対応モデルによるプレミアムサービスへのアプローチに取り組んでいる。2022年には我々はさまざまな価格モデルを試し、それに対するオーディエンスの反応を見ることになるだろう」と、米DIGIDAYが収録したポッドキャストの最新エピソードで語った。

ミルズ氏は、BETの社長を務めていた2019年にBET+の立ち上げを監督し、2019年11月にはBETのCEOに任命された。しかし、インタビューで彼が説明しているように、それは主に肩書きの変更であり、彼はその前からすでにBETの舵取り役を務めていた。BETは米国のほかのテレビネットワークと同様に、従来のテレビとストリーミングのあいだでビジネスのバランスを取る方法を模索している。

「我々がBET+で提供しているものは、我々のリニアテレビと同じではない。(リニアとストリーミングで)同じサービスを提供しているサービスもいくつかある。しかし、BETのリニアテレビが提供する内容は実際にはBET+とは異なるので、我々はそれらを異なる製品として位置づけている」とミルズ氏は言う。

ここでは、会話の要点をいくつか紹介する。内容は、わかりやすくするために編集されている。

広告対応モデルのテスト

「我々は、我々のオーディエンスがほかのストリーミングサービスのオーディエンスとは異なる支払いタイプの分布を持っていると判断した。我々が本当に理解したいのは、広告のないプレミアムサービスを望む人がどれだけいるかということだ。また、広告付きのサービスで視聴したいと考えている視聴者が十分にいるか、という点も重要な問いだ」。

抱き合わせ(バンドル)展開

「BETとパラマウントの抱き合わせ(バンドル)は必ず提供されるはずだ。ショウタイム(Showtime)とBETのバンドルはすでにあり、これは単純に順番の問題だ。興味深いことに、我々が最初にBET+をローンチしたとき、サードパーティのストリーミングサービスが電話をかけてきて、彼らのストリーミングサービスとバンドルするかどうか尋ねてきた。『BET+はほかの自社サービスとバンドルするために、取っておきたいと思っている』と回答した」。

ほかのプラットフォームで視聴者にリーチする

「我々の最新のベンチャーであるBETスタジオ(BET Studios)は、サードパーティのプラットフォームのサブスクライバーは常に存在し続けるだろうという考え(すべてのオーディエンスが自社のサブスクライバーになってくれるわけではないという考え)から生まれたものだ。そして、同スタジオはコンテンツを制作し、それをサードパーティに販売することで、他社プラットフォーム上でオーディエンスにリーチすることを可能にしてくれる。つまり相補的な仕組みを作ることが目的だ」。

BETスタジオのクリエイターに株式所有権を提供

「これは非常にユニークな構造で、クリエイターたちは自分たちが作ったコンテンツだけでなく、スタジオが販売するすべてのコンテンツに資本参加することができる。とてもエキサイティングなモデルだと思う。クリエイターたちにとっても魅力的だ。彼らは『私は自分の(コンテンツの)可能性を信じているので、自分に(資本参加の形で)賭けることができて嬉しい。しかし素晴らしいのは、このベンチャーのほかの参加者たちが作っているコンテンツにも資本参加できる点だ』と語る」。

[原文:BET’s Scott Mills shares plans for BET+ in 2022 and why the network has formed its own studio

TIM PETERSON(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)

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