2015年に打ち上げられたファルコン9ロケット、3月4日に月の裏側に衝突するって

GIZMODO

映画『月世界旅行』の月を思い出します。

イーロン・マスクが主導するSpaceXが打ち上げたロケットが、近々月面に衝突するであろうことが判明しました。それは2015年2月11日に打ち上げたファルコン9ロケットの、2段目のブースター。当時はまだ地球に戻って再利用する機能がなかったので、そのまま軌道上に留まり、制御不能のスペース・デブリになっているのです。

正確な時刻も場所も予測されている

この計算は、隕石や流れ星やスペース・デブリの追跡ソフトを開発している、ビル・グレイ氏が導き出したもので、衝突は3月4日の世界時で12時25分58秒、月の裏側にあるヘルツシュプルング・クレーターで起こるとのことです。秒速2.58kmで突っ込むので、「それなりの衝撃になる」と予測しています。

天文学者「大したことないよ」

これについて、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者、ジョナサン・マクドウェル氏がこうツイートしています。

そうです、2015年に高軌道に残され、古くなったファルコン9の2段目は、3月4日に月にぶつかるでしょう。興味深いですが、さして問題ではありません

月面は砂漠のような場所ですし、ベタベタでポコポコの地表には、ウサギ型の岩石と中国の月面探査機「玉兔2号」がいる程度。月的には何も影響はないようです。また衝突は月の裏側なのと合わせて、新月から数日後の暗くなった場所なので、観測は難しいとのことです。

新たなゴミは衝突したブースターになる

人類はこれまで、月に約180トンものいろいろな「ゴミ」を捨ててきたわけですが、ファルコン9のブースターはその中でも最大級のゴミになるんでしょうね。いつか「玉兔2号」が、その場所に派遣されるでしょうか?

Source: Project Pluto, Twitter via INTERESTING ENGINEERING