岸田氏の演説「情けない」と指摘 – 塩川鉄也

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 「コロナ対策は最優先課題」という岸田首相だが、水際対策に大穴を開けていた米軍特権の日米地位協定改定は全く要求しない。あまりにもなさけない。

 「格差や貧困の拡大」を指摘しながら、その対策としての賃上げについては、赤字の中小企業は対象外となる賃上げ税制を強調するだけ。最低賃金は「千円」ではなく、中小企業支援と一体に時給1500円こそ必要。「新自由主義の弊害を乗り越える」というなら、非正規拡大など雇用破壊をもたらした労働分野の規制緩和の見直しこそ行え。

 「格差や貧困の拡大」是正に欠かせない税制については全く触れない。大企業・富裕層への応分の税の負担を求めるとともに、庶民と中小業者いじめの消費税は5%への引き下げこそ行うべき。

 ジェンダー平等の取組みでは、男女賃金格差是正について「企業の開示ルール見直し」を掲げたが、開示や格差解消計画の義務付けに踏み出すのか不透明。選択的夫婦別姓については視野の外だ。

 「深刻化した気候変動問題」への対応が、石炭火発と「革新原子力」の推進というのでは、気候危機は打開できない。

 岸田首相は「沖縄の歴史に思いを致す」と言いながら、辺野古への米軍基地建設を押し付ける。核兵器禁止条約には全く触れず、憲法違反の「敵基地攻撃能力の保有」の検討を進め、改憲議論を「歓迎」する。

 米国言いなりの政治の転換を図るとき。ASEANのような平和の枠組みを活用、発展させて、東アジアを平和と協力の地域にしていくための憲法9条を生かした平和外交を。

 「国民の声に耳を傾ける」といいつつ、国民が真相究明を求める森友問題、桜を見る会、河井選挙買収事件、学術会議会員任命拒否問題などは言及なし。国交省統計不正問題は、「お詫び」の一言はあっても、統計法違反、公文書管理法違反について語らないのでは、国民の信頼は得られない。

 国会論戦を通じて、政治転換の方向を示しながら、岸田政権を徹底追及していきたい。