「FFmpeg 5.0」がついに公開、リリースサイクルの変更もアナウンスされる

GIGAZINE



ムービーや音声を扱うアプリで広く利用されているオープソースのマルチメディアフレームワーク「FFmpeg」のバージョン5.0が公開されました。

FFmpeg 5.0 “Lorentz”
https://ffmpeg.org/#pr5.0

FFmpeg 5.0 – Yet another blog for JBKempf
http://www.jbkempf.com/blog/post/2022/FFmpeg-5.0

FFmpegはムービーのエンコーダーやデコーダーなどをまとめたライブラリ群で、数多くの形式のムービーファイルを処理できることから高い人気を得ています。エンコーダーやデコーダーといったムービーファイルに関する基本的な用語については、以下の記事で詳しく解説しています。

動画をデジタルで扱うための基本知識まとめ、映像や音声はどうやってPCで処理されているのか? – GIGAZINE


上述の通り、FFmpegは数多くのムービーを処理することが可能なことから、メディアプレイヤー「VLC media player」や録画・配信ツール「OBS」など多くのアプリケーションで利用されています。また、FFmpeg単体でも動画のダウンロードや変換に用いることが可能。さらに「yt-dlp」などのコマンドラインツールにはFFmpegと同時に利用することを前提とした機能が搭載されることもあります。

YouTubeやニコニコ動画などのムービーを最高画質・高音質でダウンロード可能な「yt-dlp」の使い方まとめ、年齢制限ムービーも一発ダウンロード可能 – GIGAZINE


そんなFFmpegのバージョン5.0(コードネーム:Lorentz)が2022年1月17日に公開されました。FFmpegのバージョン4.0は2018年4月に公開されており、実に約4年ぶりのメジャーリリースとなっています。


VLC media playerの開発元・ VideoLANの代表を務めるJean-Baptiste Kempf氏によると、これまで非推奨だったAPIの多くがFFmpeg 5.0で廃止されたとのこと。Kempf氏が挙げたFFmpeg 5.0における主なAPI変更点は以下の通り。

・avcodecにおいてムービーとオーディオがシングルAPI化
・avcodecでエンコードとデコードを分離
・avcodecとavformatを分離
・エンコーダーがユーザーが管理するのバッファーにデータを出力可能とする新たなコールバック
・swscaleにAVFrameベースのAPIを追加
・新たなビットストリームフィルタリングAPIを追加
・コーデック・フォーマットの登録APIが削除。全てのフォーマットが常に登録状態に
・多くのAPIで「int」を「size_t」に置き換えて安全性を確保
・libavresampleの削除

また、Kempf氏は「このFFmpeg 5.0のリリースは重要です。このリリースがFFmpegの新しいリリーススケジュールを開始することを期待しているからです」と述べ、今後は1年ごとにメジャーアップデートを公開し、2年に1回長期サポート版を公開する予定であるとしています。


なお、FFmpegは以下のページで寄付を受け付けています。

Donations
https://ffmpeg.org/donations.html


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