そういえばこのまえスシローに行った時、隣のコックピットに外国人らしき女性が座ってきた。なぜ外国人かと思ったのかといえば、異国な雰囲気と、彼女のスマホの画面に映っていた英語ではない外国語からだ。
透明のアクリル板ごしに横目でチラチラと確認すると、文字からして、たぶんタイ。どうも観光客ではなく、近所に住んでいるっぽい “なじみ感” がある。スシローのシステムも熟知している様子だった。
彼女が最初に何を注文するのか興味津々。手慣れた手つきでタブレットを操作し、やがてやってきたのは……
_人人人人人人人_
> ラーメンだった! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
そ、そうきたか……! す、すごい……!!
しかもだ!
なんか唐辛子みたいなものを入れまくりながら食べている!! だって汁、真っ赤になってるもん! そんなメニュー、なかったもん! 母国風にアレンジしているのだろう。
衝撃を受けた。
なんて自由な発想なのだろうと。
我々の頭の中でスシローは「お寿司屋さん」なので、まず無難な握り寿司を頼みがち。しかし彼女の中でのスシローは、きっとおそらくそうではない。それゆえ、柔軟な発想で初手を選ぶことができるのだ。
ちなみにその後、彼女が頼んでいたのは「えびアボカド」であり、それに醤油を「これでもか!」とぶっかけて食べていた。
いや、もしかしたら醤油ではなくソースかもしれない。(←※ソースがあれば、の話だが) それほどまでに、黒っぽい液体がぶっかかりまくっていた。
私もマネしてそれを頼んだ。重ねてマネしてしょうゆを「これでもか!」とぶっかけてみた。よく海外のお寿司者さんで出てくる「なんとかロール!」な味がした。日本のスシローに来ているはずなのに、私は海外にいる気分だった。
最近、なぜか私の中で気になる存在になったスシロー。もしもスシローが道であり、スシロー道(どう)があるならば、私はまだまだお稽古レベル。彼女は見知らぬ南国で、きっとブラックベルトを巻いている。初手、ラーメン。ただ者ではない。