メモ
長年鼻づまりに悩まされてきた人が耳鼻科を受診したところ、なんと鼻の穴の中に歯が生えていたという症例が、アメリカの医学雑誌・The New England Journal of Medicineで報告されました。
Ectopic Tooth in the Nose | NEJM
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMicm2112363
Doctors find tooth growing inside a patient’s nose
https://medicalxpress.com/news/2021-12-doctors-tooth-patient-nose.html
今回、鼻の中に歯が生える非常に珍しい事例が発見されたのは、アメリカに住む当時38歳の男性がニューヨークにあるマウントサイナイ病院の耳鼻咽喉科を受診したのがきっかけです。男性は「数年前から鼻水が出るわけでもないのに右の鼻の穴で息ができないんです」と訴えましたが、同院の医師であるSagar Khanna氏らが問診をしても、けがや頭蓋骨の変形といった原因は特定できませんでした。
そこで、医師らが男性の鼻にカメラを挿入して詳しく診察したところ、鼻の穴の奥に「非常に硬質な白色の腫瘍」があることを発見(左)。腫瘍のX線写真を撮影した結果、白い腫瘍の正体は鼻の中に生えた「歯」だということが確認されました(右)。
by The New England Journal of Medicine, DOI: 10.1056/NEJMicm2112363
この男性の症状は、通常は歯が生えない場所で歯が成長する「異所性歯牙(Ectopic Tooth)」というもの。今回のケースでは、上顎から下向きに生えるはずの歯が上向きに成長し、鼻の穴の中に突き出ていました。
鼻づまりの原因を特定した医師らは手術を行い、男性の鼻から長さ14mmの歯を摘出しました。経過観察の結果、鼻の傷口はきちんとふさがり、合併症や別の歯の発生も確認されなかったとのこと。男性は医師らに、鼻づまりがすっきりして息ができるようになったと報告しました。
医師らは、「体に異所性の部位がある人は、その部分の周囲の組織が損傷を受ける可能性があるので、医療機関を受診することが大切です」と述べています。特に、歯が適切に生えていないと歯並びが悪くなったり、すきっ歯になったりしてしまいます。しかし、今回のケースのように、歯が口の中以外に生えてくる異所性歯牙は非常にまれで、発生率は0.1%しかないとのこと。特に、異所性歯牙が鼻の中に達するほど成長するケースは大変珍しいそうです。
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