御朱印帳にクレーム 宮司の反撃 – キャリコネニュース

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メルカリに出品された御朱印

参拝記念に人気の「御朱印」をめぐる、怒りのツイートが注目を集めている。つぶやいたのは茨城県守谷市にある「八坂神社」の公式アカウント。なんでも過日、神社に電話があり「テントで作務衣を来た神職でもない人間が御朱印を書いて、ありがたみもない」というクレームが入ったのだという。

ところが、その作務衣を着た人物は八坂神社の宮司さんだった。ツイートは、そのことを説明した上で「あまり人を見かけで判断されない方がよろしいかと存じます」と、丁寧ながらに怒りを表明していた。(文:昼間たかし)

御朱印帳のありがたみとは?

実は私、この八坂神社に2017年、取材で伺ったことがある。その時のテーマもやはり御朱印。境内・神輿の修復記念につくった御朱印帳がネットオークションで高額転売されていたという話だった。

もともと氏子向けに作った御朱印帳の余剰分を、良かれと思って来訪者に有償頒布したところ、転売ヤーに目をつけられた。神社は「頒布品は祓いをし神徳を得られるように祈願しております」「もう来ないで下さい」と怒りのツイートを投稿し、それが全国的に注目を集めたのだ。

高額転売されていた御朱印帳は、神社の由緒にも関わる八岐大蛇をデザインしたもので、地域の神社が新しい節目を迎えた喜びが込められた記念品だった。これが「転売ヤー」に金儲けの手段として利用されたわけだから、その無念さはいかばかりだったであろうか。その話を伺いに行ったのだ。地域のためにと御朱印帳の完成まで18回も重ねたなどのエピソードを交えた記事は今でも読まれている。

そもそも「御朱印」とは何なのか。

「御朱印」の起源は明らかではないが、もともとは寺に納経をした時の記録として始まったものだとされている。主に寺で行われていたものだが、21世紀に入ってからは神社でも御朱印を始めるところが増加、2010年代に入るとブームとなった。

いまでは、独自に御朱印帳を発行したり限定の御朱印を宣伝して参拝を促進するところも多く、それを求めて神社を訪れる人も絶えない。

ただ、いずれにしても御朱印は寺社に「参拝した証として得る」もののはずだった。しかし、昨今ではブームが過熱した結果だろうか、「参拝よりも、まず御朱印がほしい」という謎ニーズが生まれている。それが転売ヤーの土壌になっているのだ。

ネットのオークションサイトで「御朱印 令和四年」と検索すると、正月に神社を回って集めたと思しき御朱印が、すでに大量に出品され、次々と落札されている。同一アカウントでの出品も多く、最初から転売を目的に神社を巡っている者もいることは一目瞭然だ。

神社でいただいた「御朱印」に文句を付けたり、ネットオークションで高額転売を図ったり、そこから購入したりと、いやはやなんとも。「神様の機嫌をそこねて、罰が当たらなければいいが……」と、他人事ながら心配になってしまう。今一度、神社仏閣へお参りすることの意味を考えてみては?

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