アメリカの大手半導体メーカーであるQualcommが、「消費者部門と企業部門の両方で拡張現実(AR)の採用を拡大・加速するためにMicrosoftとコラボレーションします」と、ラスベガスで開催されている世界最大級の家電見本市「CES 2022」で発表しました。Qualcommはこの提携により、Microsoftが将来的に開発するARグラス向けのカスタムチップなどを開発する予定とのことです。
Qualcomm Announces Collaboration with Microsoft to Expand and Accelerate AR to Usher in New Gateways to the Metaverse | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/news/releases/2022/01/04/qualcomm-announces-collaboration-microsoft-expand-and-accelerate-ar-usher
Qualcomm is working with Microsoft on custom chips for next-gen AR glasses – The Verge
https://www.theverge.com/2022/1/4/22867172/qualcomm-microsoft-custom-chips-next-gen-ar-glasses-ces-2022
Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOはCES 2022の基調講演で、AR分野の採用を拡大・加速するためにMicrosoftと提携することを発表しました。基調講演の中でアモンCEOは「私たちはMicrosoftのエコシステムにおける、次世代の電力効率に優れた超軽量のARグラスのために、カスタム拡張現実Snapdragonチップを開発していることを発表します」と述べました。
さらに、新たに開発されているARグラス用カスタムSnapdragonチップのプラットフォームには、Microsoftが展開する複合現実プラットフォーム「Microsoft Mesh」と、QualcommのAR開発プラットフォーム「Snapdragon Spaces XR」という、両社のソフトウェアを統合しているとアモン氏は発言しました。Snapdragon Spacesは完全にMicrosoft Meshと統合され、このプラットフォームは次世代の軽量グラスで利用可能になる予定だとのこと。
Qualcommは公式の声明で、QualcommとMicrosoftはいずれもメタバースの未来を信じていると主張。「今回のコラボレーションは、Qualcomm Technologiesの実証された空間コンピューティングの専門知識、技術的リーダーシップ、そしてメタバースに向かう次世代の頭部装着型ARデバイスに革新的な体験を提供したいという意欲を評価したものです」と述べています。
Qualcomm Technologiesのエクステンデッド・リアリティ(XR)担当ヴァイス・プレジデントを務めるヒューゴ・スワルト氏は、「このコラボレーションは、XRとメタバースに対する両社の共通のコミットメントにおける次のステップを反映しています」「Microsoftと協力して業界全体のARハードウェアおよびソフトウェアの普及を促進・拡大できることをうれしく思っています」と述べています。
なお、海外メディアのThe Vergeは2019年からQualcommのSnapdragon 850チップがMicrosoftのMRヘッドセット「HoloLens 2」に搭載されていたことや、「Surface Pro X」に両社が共同開発したSQ1チップが搭載されたことなどを挙げ、以前からQualcommはMicrosoft向けのカスタムチップ開発に協力してきたと指摘しました。
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